2026.04.13

Kカルチャーの今をプロが解説! アート通のための「地図にない」展示空間 【NOW ON SEOUL】

Kカルチャーの今をキャッチ!

韓国のローカルシーンで注目を集めるカルチャーは? 現地の専門家が最前線を解説。今月は、ソウルの街に点在する隠れ家的アートスポットを紹介する。

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韓国のローカルシーンで注目を集めるカルチャーは? 現地の専門家が最前線を解説。今月は、ソウルの街に点在する隠れ家的アートスポットを紹介する。

Kカルチャーの今をキャッチ「NOW ON SEOUL」連載

今号から韓国の現代アートの話題をお届けする、oottoogiです。最初のトピックは、地図には載っていないアートスペースや作品について。多くの人を集めるべき空間が、地図にないなんて不思議ですよね。しかし、その特異性の中にこそ、魅力と卓越性が隠されているのです。

まず、鍾路区北村(チョンノグ プクチョン)に位置する「xlarge (@xlargegallery)」は、住所非公開。なぜなら、運営者が実際に暮らしている自宅だからです。友人宅へ行くように、プロフィールリンクから訪問予約をすると、正確な住所が送られてくる。この空間は、芸術雑誌やギャラリーなどでキャリアを積んだ運営者が2025年に自宅の一角にオープン。生活空間にアート作品を取り入れることで、ホワイトキューブとはまた違った趣が感じられます。観覧者が自室に作品を飾ったらどうなるか、と想像してみることもできる。何より、家に招かれたお客さんに向けるような温かなおもてなしと、作品解説が心地よいのです。

続いては「Powerplant(@ica.snu)」。住所は"ソウル大学 68棟"ですが、実は大学のHPの地図に68棟は存在しません。この建物は、その名の通りかつて大学に暖房と電気を供給していた場所。おそらく長らく使われていなかったためマップから消され、文化芸術空間へと生まれ変わったのでしょう。発電所ならではのインダストリアルな空間と高い天井が特徴で、興味深いパフォーマンスが頻繁に開催されています。

最後に訪れてほしいのは、ソウル都心を流れる清渓川(チョンゲチョン)のスタートポイント。ここでは北岳山(プガクサン)のヒキガエル岩(トゥッコビバウィ)や陶磁器の破片、金箔などが調和を成す、作家イ・スギョンのパブリック・アート作品が鑑賞できる。昨年迎えた清渓川の復元20周年を記念するプロジェクトの一環で、今後も季節や時間の流れとともに、違った表情を見せてくれるでしょう。

ほかにも紹介したいスポットは山ほどあるのですが、それはまた次回。ぜひソウルの"地図にないアート空間"にも目を向けてみてください!

xlarge『Rose is a rose is a rose is a rose』

40種余りのバラと16名のアーティストが織りなす、xlargeのオープニング・エキシビション『Rose is a rose is a rose is a rose』(ⓒxlarge)

コ・グノの個展『Kubigubi』

xlargeにて開催された、作家コ・グノの個展『Kubigubi』の展示風景(ⓒxlarge)

Haepaary

2024年、Powerplantにて上演されたパフォーマンス。作家キム・チョヨプの超短編小説『クラゲ満開に関する記録』の世界観を、エレクトロニック・ミュージックグループ「Haepaary」が再解釈した。(ⓒICA Seoul National University)

イ・スギョンの作品《そこにあった_清渓川》

作家イ・スギョンの作品《そこにあった_清渓川》。黄金色に輝く彫刻と水面に揺らめく光の反射が見事な調和を見せる。(ⓒSeoul Metropolitan Government)

oottoogiプロフィール画像
oottoogi

ウトゥギ●最初の職場が美術雑誌の編集部だったこともあり、毎月新しくスタートする展示に足を運ぶことが自然と趣味に。2017年より、展示情報とその周辺のおいしいお店を紹介するInstagramを運営中。

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