急に「アマリリス」の曲を奏で出したり、音を発する鳩時計に驚きつつ、次の部屋「Of Course A Horse」へ。こちらは2020年春夏コレクションをイメージした部屋で、人間と馬のアンドロイド的な不思議なマシーンが鎮座。ロングの毛が急にバサバサと動き出して、先ほどの部屋に続きお化け屋敷的な楽しみもある展示です。毛は人間ではなく馬のしっぽで、馬と人との素敵な生活を表現したムービーが流れていました。一緒に車に乗ったり海岸で昼寝する馬がかわいすぎです。GUCCIと馬具、GUCCIと馬との深い関係を想起させる映像。こちらは『女王陛下のお気に入り』のヨルゴス・ランティモス監督によるもの。その後の部屋に出てくる「Come As You Are_RSVP」(2020クルーズ)のキャンペーンムービーを監督したのはハーモニー・コリンだったりと、豪華な人材にも注目です。
2018年プレフォール コレクションの広告キャンペーンは、「Dans Les Rues」がテーマ。1968年の学生と労働者によるデモ「五月革命」当時の喧噪がよみがえる展示で、通路の壁にはフランス語でスローガンやメッセージが書かれていました。メッセージのいくつかを翻訳したら「明日は美しい」「若さを保つ」「楽観主義を選ぶ」「愛が全てです」と意外とポジティブな内容で、荒々しい筆跡とのギャップが。良い言霊のパワーを浴びられる通路でした。
2017年秋冬コレクション「Gucci And Beyond」の世界も楽しいです。60~70年代のSF映画をモチーフにした映像やジオラマが展示。探検隊とエイリアン、恐竜、ロボットなどが宇宙船内や別の惑星で一堂に会していました。エイリアンのファッションがおしゃれすぎて威圧感が。高度に進化した惑星ではファッションも進化しているのでしょう。