かぐや姫に誘われて、表参道から月面に浮上できるGUCCIのイベント #91

嵐山や偕楽園、長谷寺など全国に竹林の名勝地がありますが、暑くて遠出したくない、という人には最も快適な竹林があります。グッチは期間限定で、表参道の3カ所で「Gucci Bamboo Summer」を開催。

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竹林を進んでエントランスへ……。予約制ですが、余裕があれば当日その場でも受付できます。(8月21日は表参道ヒルズの休館日です)

メイン会場の表参道ヒルズのスペースオーに向かうと、吹き抜けの大階段が竹林に変身していました。こちらのインスタレーションの会期は8月25日まで。階段の両側には1000本もの青竹が植えられていて、ここが表参道であることを一瞬忘れそうです。下から見上げると,竹林の先に幻想的な月のオブジェが浮かんでいました。黒いスーツのスタッフの男性に「本当の竹ですか?」と聞こうとして、思わず「本当の月ですか?」と言ってしまいましたが、優雅な空間で笑って受け流してくれました。

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月面の中空に浮かぶバンブーハンドル バッグの数々。かぐや姫のコレクションでしょうか。

予約していた時間になったので、グッチのマーク入りの暖簾をくぐって会場に入ると、満天の星が広がっていました。地面は月面のようになっていて、色とりどりのグッチ バンブーハンドル バッグが入った透明のカプセルが、星のように浮かんでいます。手が届きそうで届かない尊い存在。もしかして、これはかぐや姫の戦利品でしょうか。かぐや姫はたびたび地上に来て、彼女に惚れた男性たちからバンブーハンドル バッグをもらって保管しているのでは? という想像も膨らみます。



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1950年代のバンブーハンドル バッグが展示され、背景にPOPなバッグが渦巻く映像が投影されるコーナー。

また、壁面の星の中にはのぞき窓のような仕掛けがあって、中にはバンブーハンドル バッグのアーカイブや、1940年代の職人のモノクロ写真などが展示。

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月面から眺める地球のイメージ映像。自転して夜になっていくと、照明がついて大陸が浮かび上がってきれいです。

この会場は月面にいるという設定のようです。竹と月といえば「竹取物語」です。かぐや姫が、求婚者たちに求めたのは「蓬莱山の枝」「火鼠の皮衣」「燕の子安貝」などでしたが、現代だったらバンブーハンドル バッグも入ってそうです。壁面にはゆっくり自転し、昼から夜へと移り変わる地球の映像が流れていました。日本列島が夜になるにつれ、照明で輝いている様子が見てとれます。竹取りの翁が竹林の中でほのかに光るかぐや姫を見つけたような時代から長い歳月が経ったことを実感。でも地球が何周も自転しても、バンブーハンドル バッグの価値は変わらないでしょう。


展示室の中には、夜空に浮かぶ月面のクレーターのようにバンブーハンドル バッグが浮かんでいるインスタレーションもあって、白いスモークも神秘的で、映えるスポットとなって、みなさん撮影していました。

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クラフトマンシップが漂う職人の作業スペース。革や竹などの素材も美しく、選び抜かれた物のようです。

職人たちが使うツールや作業スペースの展示コーナーもありました。木槌や型紙通りにカットされた革などが並び、一個一個手作業で丹念に作られているのが窺い知れます。


シアターコーナーでは満島ひかりが主演する『Kaguya by Gucci』や、MONDO GROSSOとのタッグによる新曲『Shadow Dance』の映像作品が上映。『Kaguya by Gucci』は「竹取物語」のおとぎ話を現代風にアレンジしたショートフィルムで、満島ひかりがかぐや姫役で高貴な存在感を放っています。翁役のダンサー、アオイヤマダがかぐや姫を発見し、2人で夜の街を駆け抜ける映像がエモいです。

2人は満月をバックに「月ってどんなとこ?」「退屈なとこだよ」「ここと一緒じゃん」といった会話を交わしていて、渋谷慶一郎の曲が切なさをかき立てます。かぐや姫に恋をする帝役は永山瑛太。一緒にドライブしていても、かぐや姫は心ここにあらず状態です。彼女は、朝には月に帰ってしまう運命でした。東京タワーのてっぺんから「これ、あげる」とバンブーハンドル バッグを落とすシーンには思わず羨ましさがこみ上げました。

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表参道に面したザ ストリングス 表参道1Fのテラス部分が「Gucci Osteria for Bamboo Summer at The Strings」。バンブーのしつらえが目印。

物欲の余韻に浸りながら、グッチ青山に並ぶバンブーハンドル バッグを眺め、隣のザ ストリングス 表参道へ。ここにも日本で最も快適な竹林が存在しています。8月27日までグッチ オステリア ダ マッシモ ボットゥーラ トウキョウが手がける「Gucci Osteria for Bamboo Summer at The Strings」という珠玉のコラボレーションが開催。グッチ オステリア トウキョウのヘッドシェフ、アントニオ・イアコヴィエッロが、日本の旬の食材とイタリアの伝統料理を融合させ、グッチの世界観を表現しています。エントランスにはまたもや竹林が。運気がアップしそうです。

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「Gucci Osteria for Bamboo Summer at The Strings」のコースは「白桃のジェラート サンブーコとシャンパーニュ」で始まります。祝福を感じるメニュー。

コース料理 「L'Italia da Tokyo」は、「白桃のジェラート サンブーコとシャンパーニュ」に始まり、「忘れられたサラダ」「雲丹のスパゲッティ アーモンドソース」「エミリア バーガー」そして「ポップコーン」という、プレミアムな構成です。

一部のテラス席は、隣のグッチ青山の壁面を眺めながら食事ができて、ハイブランドのエネルギーを多方向から吸収。コースでは、それぞれ料理が生まれたエピソードが聞けたり、サプライズ的な演出も楽しめる。

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「忘れられたサラダ」のドレッシングは持ち帰って飲みたいくらいのおいしさ。

例えば「忘れられたサラダ」は、ヘッドシェフのアントニオ氏が作ったまま一日忘れていたサラダが、浸透圧でドレッシングとの味がなじんでおいしかった、というエピソードにちなんでいるそうです。

一晩寝かせてミキサーにかけた野菜で作ったドレッシングと、みりんなどに一日つけ込んで昆布締めしたシマアジが、相乗効果でうまみを高め合っています。

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「雲丹のスパゲッティ アーモンドソース」は細麺に濃厚なソースが絡み、少量でも満足感が。

アーモンドと雲丹のコクが濃厚な「雲丹のスパゲッティ アーモンドソース」や、12年熟成させたバルサミコ酢がミートパティとバンズとの一体感を高める「エミリア バーガー」など、どれも地球から浮上して月面にトリップできそうな崇高なおいしさでした。

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「エミリア バーガー」のパッケージはグッチカラーのピンクでかわいいです。オリーブ牛や金華豚のパティと12年もののバルサミコ酢が高次元で融合。
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デザートのポップコーンは、パッケージから出てくる時のサプライズも楽しいです。月面をイメージした一皿。
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アントニオ ヘッドシェフが、マンゴーをフラワーに仕立てたゴージャスなかき氷。 アートのようです。

また、今回の限定メニューにはかき氷も。マンゴーや白桃、アーモンドミルクコーヒー&クリームなどのテイストがあり、アントニオ ヘッドシェフが厳選した素材による最高級のかき氷は、特別な夏の思い出になりそうです。かき氷の器は太い竹でできていて、「竹取物語」に出てくるかぐや姫が入っている竹を連想。かぐや姫も、かき氷も同じくらい儚いです。消えていってしまう束の間の存在に思いを馳せながらも、対照的に、一生ものとして使えるバンブーハンドル バッグのことを思うと安心感が得られます。

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「Gucci Osteria Tokyo オリジナル カフェラテ」にはグッチのロゴがプリントされていてテンションが上がります。

今回、竹林のインスタレーションも期間限定なのが名残惜しいですが、もしかしたら、何かの縁で竹がバンブーハンドルに加工され、姿を変えて、いつの日か再会できるかもしれないと想像。竹連鎖に加わりたいです。かぐや姫のように贈り物をくれる人はいなくても、自力でいつか買えるようになれれば……そのための竹の成長パワーにあやかれるイベントでした。

「Gucci Bamboo Summer」
メイン会場:表参道ヒルズ 本館 吹き抜け大階段/B3F スペース オー(東京都渋谷区神宮前4-12-10)
開催日時:2023年8月10日(木)〜25日(金)
時間:11:00〜21:00
休館日:8月21日(月)
入場無料  ※一部エリアは事前予約優先/グッチ LINE公式アカウントで受付中

グッチ青山
住所:東京都港区北青山3-6-7
開催日時:2023年8月10日(木)〜27日(日)
時間:11:00〜20:00 
会期中無休
※来店予約はグッチ公式サイトにて受付中

GUCCI OSTERIA FOR BAMBOO SUMMER AT THE STRINGS
会場:カフェ&ダイニング ゼルコヴァ(テラスエリア)(東京都港区北青山3-6-8 ザ ストリングス 表参道1階)
開催日時:2023年8月10日(木)〜8月27日(日)
時間:11:30〜22:00(21:00 L.O.) 
会期中無休
※事前予約優先/来店予約はザ ストリングス 表参道の予約サイトにて受付中
※仕入れ状況によりメニューが変更になる場合がございます。

https://guccibamboosummer.gucci.com/

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辛酸なめ子

漫画家、コラムニスト。埼玉県出身、武蔵野美術大学短期大学部デザイン科グラフィックデザイン専攻卒業。アイドル観察からスピリチュアルまで幅広く取材し、執筆。新刊は『辛酸なめ子の世界恋愛文学全集』(祥伝社文庫)『タピオカミルクティーで死にかけた土曜日の午後 40代女子叫んでもいいですか 』(PHP研究所)『大人のコミュニケーション術 渡る世間は罠だらけ』(光文社新書)『妙齢美容修業』(講談社文庫)『辛酸なめ子の現代社会学』(幻冬舎文庫)。Twitterは@godblessnamekoです。

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