英国のアーティスト、アニッシュ・カプーアの新境地を表象する最新作品を紹介する展覧会が東京・原宿のアイ オブ ジャイルで2017年11月26日(日)まで開催中。さらに本展との連動企画として、ジャイルの館全体に彼のインスピレーションに敬意を払った「オマージュ」としてのインスタレーションを制作。こちらは2018年1月31日(水)まで見ることができる。
なぜ人類は文明化していくほどに野蛮化するのか。
グローバル化した現代社会において、「文明」と「野蛮」のテーマ性は、政治・哲学的家でオロギーでは映し出せないほど複雑になってきている。
本展覧会では「文明」と「野蛮」を対立構造でとらえずに、多様なテクニックと知性を用いて作品化している英国のアーティスト、アニッシュ・カプーアの新境地を表象する最新作品を紹介。しかも出品されている全ての作品が世界初の発表なのだという。
©︎Anish Kapoor
ヨーロッパのモダニズムとインド文化を融合させ、シンプルな フォルムの中に深い精神性を現す作品がアニッシュ・カプーアの作品の大きな特徴。「物質・非物質」「明・暗」「地・空」など、1つの作品に二重の意味を込めることから「両義性の作家」とも評されている。
©︎Anish Kapoor
また本展が開催されているアイ オブ ジャイルとの連動企画として、本展覧会全体のアートディレクションを務めている長嶋りかこが、ジャイルの館全体にアニッシュ・カプーアの作品精神を循環させるべく、各フロアを繋ぐ媒体としてアニッシュ・カプーアのインスピレーションに敬意を払った「オマージュ」としてのインスタレーションを制作。館の中心にある吹き抜けに設置したこのインスタレーションが、作品と人、人と場、場と街を繋ぐ媒介になってほしいという願いが込められた。こちらは2018年1月31日(水)まで見ることができる。
©︎Anish Kapoor
館全体に宿ったアニッシュ・カプーアの精神を感じながら、世界初出しの作品を堪能できる貴重な機会にぜひ足を運んでみて。
『コンセプト・オブ・ハピネス アニッシュ・カプーアの崩壊概論』
会期:〜2017年11月26日(日)
場所:EYE OF GYRE/GYRE 3F(渋谷区神宮前5-10-1) 無休
時間:11:00〜20:00
入場無料
http://www.gyre-omotesando.com/
text:Misato Kikuchi