革新的な存在であり続けるファッション写真の第一人者、ニック・ナイトが日本初個展を開催

世界で最も影響力のある現役ファッションフォトグラファーのひとり、ニック・ナイト。ジョン・ガリアーノ、アレクサンダー・マックイーン、山本耀司らとのコラボや、ディオールやトム・フォード、資生堂、ナイキなどの広告キャンペーンで知られる彼の日本初個展が、東京・神宮前のThe Massにて開催中だ。

ジョン・ガリアーノ、アレクサンダー・マックイーン、山本耀司などの先進的なデザイナーたちから圧倒的な信頼を寄せられてきた、世界で最も影響力のある現役ファッションフォトグラファーのひとり、ニック・ナイト。彼の日本初個展が、東京・神宮前のThe Massにて開催されている。

© Nick Knight, Rose I, 2012 (117.47 x 76.2 cm)
© Nick Knight, Rose I, 2012 (117.47×76.2cm)

1958年にロンドンに生まれたニック・ナイトは、ファッションフォトグラファーとして、過去40年にわたり、才能溢れるデザイナーたちとのコラボレーションや、ディオールやトム・フォード、資生堂、ナイキなどの権威ある企業の広告キャンペーン、それにビョークやレディー・ガガ、カニエ・ウェストらの革新的なミュージック・ビデオの制作などで高い評価を受けてきた人物。彼は商業的な成功を収める一方で、常に個人的な側面を表現するアート作品もライフワークとして制作してきた。

© Nick Knight, Flora, 1994-1997 (73×46.5cm)
© Nick Knight, Flora, 1994-1997 (73×46.5cm)

今回の個展「STILL」では、ニック・ナイトがこれまでに発表してきたアート作品の中から、彼の美学的余白への探求が特に顕著に表れている「Flora」「Roses, Photo Paintings」「Roses From My Garden」という3作品を展示。「Flora」は’97年に出版された、大英自然史博物館の600万点もの植物標本から選び抜かれた46の花や植物のイメージをまとめた作品集。今回はその本から15点をセレクトしている。また、16世紀の静物画を基点とした「Roses, Photo Paintings」のシリーズは、一部が写真、一部がペインティングという複合的な手法で制作された作品。印刷の処理の段階で蒸気を用い、伝統的な花の静物画をダイナミックに壊すことで、儚くも圧倒的な美しさを表現している。ナイトと熟練印刷技師であるアラン・フィナモアは、この特殊な処理を習得するのに約10年の時間を要したそう。

一方、彼が伝統的なガラス乾板での印刷処理に立ち戻った「Roses From My Garden」のシリーズは、今回が国際的なデビューに。「新たな美の定義と新しいものの見方を発見し、捉えたい」と願い、写真と向き合い続けるナイトの、ファッション写真とは一味も二味も違った表現にじっくり向き合える、またとない機会だ。


Nick Knight「STILL」
会期:2018年11月10日(土)〜12月16日(日)
会場:The Mass(東京都渋谷区神宮前5-11-1)
時間:12:00〜19:00
閉館日:火曜・水曜
入館料:無料
03-3406-0188
http://themass.jp/


text : Shiyo Yamashita

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革新的な存在であり続けるファッション写真の画像_1
© Nick Knight, Rose I, 2012(117.47×76.2cm)
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革新的な存在であり続けるファッション写真の画像_2
© Nick Knight, Flora, 1994-1997(73×46.5cm)
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革新的な存在であり続けるファッション写真の画像_3
© Nick Knight, Rose VI, 2012(117.47×76.2cm)
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