素材との対話を重ねてきた隈建築の30年を振り返る。「くまのもの 隈研吾とささやく物質、かたる物質」スタート

世界的建築家、隈研吾の約30年に及ぶプロジェクトの集大成となる展覧会「くまのもの 隈研吾とささやく物質、かたる物質」が2018年3月3日(土)より東京ステーションギャラリーで始まった。隈の建築において大きな役割を果たしてきた木、竹、石、紙といった素材に着目した、建築の可能性に迫る展示は必見!

世界的建築家、隈研吾の約30年に及ぶプロジェクトの集大成となる展覧会「くまのもの 隈研吾とささやく物質、かたる物質」が2018年3月3日(土)より東京ステーションギャラリーで始まった。隈の建築において大きな役割を果たしてきた素材に着目した、ユニークな展示となっている。

COEDA HOUSE 2017 Photo: Kawasumi・Kobayashi Kenji Photograph OfficeGreat (Bamboo) Wall 2002 Photo: Satoshi Asakawa

会場は大まかに竹、木、紙、土、石、金属、ガラス、瓦、樹脂、膜/繊維の10のコーナーに分かれており、模型やモックアップ(実物素材による原寸大の部分模型)、映像や素材サンプルなどを展示。後半部にはそれらをまとめた「樹形図」も掲示してあるので、各素材(物質)との関わりがプロジェクトを経るごとにどう発展していったのか、また素材同士の繋がりはどうなっているのかなどがよくわかる。
隈によれば「普通、建築家は作品を作るが、我々は1つの作品を作ろうというよりは、ここである発見をしたら、それに基づいて次の発見をするといった形で一種の研究をしてきたのだと思う」とのこと。今回の展覧会の英語のタイトルが「Kengo Kuma: a LAB for materials」とされているのは、自分たちの現場をLAB=研究室と考えているからなのだ。

ナンチャンナンチャン 2013 Photo: Designhouse
ナンチャンナンチャン 2013 Photo: Designhouse

 

それぞれの素材は意外な使い方をされることで建築に強度を与えたり、またしなやかさや明るさをもたらしたり。会場には隈が「今までの僕の建築の形態から一歩踏み出したもの。これからのひとつの代表作と言えるのでは」と話すヴィクトリア&アルバート・ミュージアム ダンディや、現在進行中のJR品川新駅などの建築模型に加え、バルーンと極度に薄い布を使った茶室「浮庵」や竹の柔軟性に着目した「ナンチャンナンチャン」など、過去に海外で展示されたパビリオンも東京バージョンとして展示。多角的に隈の仕事を紹介しつつ、彼が考えるこれからの物質と人間の関わり方の未来像を提示した展覧会、お見逃しなく!


「くまのもの 隈研吾とささやく物質、かたる物質」
会期:〜2018年5月6日(日)
会場:東京ステーションギャラリー(東京都千代田区丸の内1-9-1
時間:10:00〜18:00(金曜のみ〜20:00)(入館は閉館30分前まで)
休館日:月曜(4月30日は開館)
入場:一般¥1,100、高校・大学生¥900、中学生以下無料
※障がい者手帳等持参の方は当日入館料から100円引き(介添者1名は無料)
03-3212-2485
http://www.ejrcf.or.jp/gallery/

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ヴィクトリア&アルバート・ミュージアム ダンディ 2018 Photo: Ross Fraser McLean
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Great (Bamboo) Wall 2002 Photo: Satoshi Asakawa
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COEDA HOUSE 2017 Photo: Kawasumi・Kobayashi Kenji Photograph Office
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中国美術学院民芸博物館 2015 Photo: Eiichi Kano
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小松精練ファブリックラボラトリー fa-bo  2013 Photo: Takumi Ota
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新作パビリオンのためのドローイング 2017
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浮庵(フアン) 2007 Photo: Kengo Kuma & Associates
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ナンチャンナンチャン 2013 Photo: Designhouse
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