横山大観記念館が2017年2月に国の史跡及び名勝に指定されたことを記念し、館が所有するコレクションを紹介する展覧会「横山大観 画業と暮らしと交流-大観邸-」が、2019年5月6日(月・休)までの期間、日本橋髙島屋S.C. 本館8階 ホールにて開催。大観の画業や暮らし、多くの文化人が訪れた大観邸が蘇る!
2018年に生誕150年、没後60年を迎えた、近代日本画の巨匠、横山大観。1908年より池之端に暮らした大観は、この地で数々の名作を生み出した。1919年には自宅兼画室として、木造2階建ての数寄屋風日本家屋を自身のデザインで建造。細川家16代当主、細川護立から贈られた石を配した庭園も大観の意匠で、庭の樹木等は多くの大観作品の画題となった。ちなみに護立は永青文庫の設立者で、コレクターとして大観をはじめとした同時代の画家たちを積極的に支援したことで知られている。
大観邸は1945年の東京大空襲でほとんど焼失したが、1954年には本人の希望でほぼ同じ形で再建。大観は亡くなるまでここで創作活動と文化交流を続けた。1976年にはこの建物と庭園が横山大観記念館として公開。画家ならではの工夫が凝らされた建物の構造や内装など、見どころ満載のこの記念館は、2017年2月に「国指定 史跡及び名勝」として登録された。
本展では記念館が所蔵する大観の絵画作品約30点を展示。なかでも大きな見どころのひとつが、日本美術院の創立50周年を記念して再興第32回院展に出品した、全長26mにも及ぶ大作「四時山水」。この作品の全体が展示されるのは10年ぶりのことだという。
また、下絵や写生帖などの貴重な資料や、画具、遺品、静子夫人の着物といった、普段は一度に見ることができないコレクションを一挙公開。建築家になる夢も持っていた大観の自邸作りへのこだわりも図面や写真で紹介する。また、文化サロンとしての役割も果たした大観邸での交流の様子を伝えるべく、師である岡倉天心からの手紙や、交流のあった文化人の作品などを展示。大観の還暦を記念して日本美術院同人から贈られた祝画帖シリーズや、五代清水六兵衛などの陶芸家の作品に大観が絵付けを施した合作にも注目だ。
大観の日常生活の様子を窺わせるアイテムとして、大観が静子夫人のためにデザインし作らせた着物や帯、大観の愛用品なども展示。夫人の日記も初公開されている。
なお、本展は2019年5月22日(水)〜6月4日(火)の会期で横浜高島屋ギャラリー〈8階〉にも巡回予定。明治・大正・昭和を生きた大観の人間像が生き生きと感じ取れる展示、お見逃しなく。
「横山大観記念館 史跡・名勝指定記念展 横山大観 画業と暮らしと交流-大観邸-」
会期:2019年4月24日(水)〜5月6日(月・休)
会場:日本橋髙島屋S.C. 本館8階 ホール(東京都中央区日本橋2-4-1)
時間:10:30〜19:30(入場は19:00まで)※最終日は10:30〜18:00(入場は17:30まで)
入場料:一般¥800/大・高生¥600/中学生以下無料
03-3211-4111(日本橋髙島屋S.C. 代表)
https://www.takashimaya.co.jp/store/special/event/yokoyama_taikan.html
text : Shiyo Yamashita