東京・青山の「スパイラルガーデン」では2019年6月19日(水)〜30日(日)、テキスタイルデザイナー・陶芸家の石本藤雄による大規模個展「石本藤雄展 -マリメッコの花から陶の実へ-」を開催。 1970年代よりフィンランドで活動してきた石本が過去にマリメッコから発表したファブリックなどで構成されるカラフルな展示は必見!
東京・青山の「スパイラルガーデン」では2019年6月19日(水)〜30日(日)、テキスタイルデザイナー・陶芸家の石本藤雄による大規模個展「石本藤雄展 -マリメッコの花から陶の実へ-」を開催。 カラフルなファブリックや最新の陶作品などが並ぶ。
石本は1974年から32年にわたり、フィンランドを代表するライフスタイルブランド、マリメッコのデザイナーとして400点を超えるデザインを発表。また1989年から現在に至るまで、老舗陶器メーカーとして知られるアラビアのアート・デパートメント・ソサエティに所属、アーティスティックな陶作品の制作を続けてきた。カイ・フランク賞、フィンランド獅子勲章プロ・フィンランディア・メダルなど受賞歴も多数。日本では旭日小綬章を授与されている。
フィンランドの森や湖や、生まれ故郷である磁器の産地・砥部町に広がる田園風景といった自然からインスピレーションを得て、数々の名作を生み出してきた石本。彼の表現は、布から陶へと扱う素材が変わっても、鮮やかで万華鏡的な世界と、侘び寂びを感じさせる静謐な世界の両方の間を行き来する、独特の魅力に溢れたものであり続けている。
スパイラルガーデンのアトリウムには、草をモチーフに四季を描いたマリメッコ製のテキスタイル「kesästä kesään(ケサスタ・ケサアン/夏から夏へ)」を背景に、近年精力的に制作する「冬瓜」を多数展示。一方、スパイラルカフェに隣接するギャラリーには、色鮮やかな大皿や、レリーフの大作「オオイヌノフグリ」などを展示する。マリメッコ時代に手がけたファブリックの数々が筒状に並べられるのにも注目。デザインの原画や貴重なスケッチの展示もあり、石本のクリエイションの一端に触れることができる。
会期中は2019年4月よりマリメッコから復刻販売されている、1975年にアメリカのハウスウェアブランドのために描き下ろした「Onni(オンニ/幸せ)」と「Kukkaketo(クッカケト/花畑)」のファブリックが大々的に展示されるほか、これらの柄が゙プリントされたマグカップやプレート、エプロンといったマリメッコ製品の販売も。愛媛の周桑手すき和紙を用い、石本が1970年代後半に描き下ろした「Suiden(水田)」のシルクスクリーンプリントを本展のために限定制作・販売するのにも注目したい。「オオイヌノフグリ」の展覧会グッズにもキュートなものが揃う。
他にも、スパイラル1階「スパイラルカフェ」にヘルシンキにある「カフェ・アアルト」のメニューが並んだり、スパイラル7階のネイルサロン「アモ園」で石本のテキスタイルデザインをモチーフにした夏らしいネイルアートができたりといった連動企画も。ぜひ展覧会を立体的に楽しんで。
「石本藤雄展 -マリメッコの花から陶の実へ-」
会期:2019年6月19日(水)〜30日(日)
会場:スパイラルガーデン(東京都港区南青山5-6-23 スパイラル 1階)
時間:11:00〜20:00
会期中無休
入場料:無料
https://www.fujiwo-ishimoto.com/
text : Shiyo Yamashita