フランスの現代美術界を代表する作家のひとりとして知られ、2013年の第55回ヴェネチア・ビエンナーレで銀獅子賞を受賞したカミーユ・アンロの日本初となる大規模個展「カミーユ・アンロ|蛇を踏む」が、2019年10月16日(水)〜12月15日(日)、東京オペラシティ アートギャラリーにて開催される。日本開催ならではの試みとして、草月流の全面的な協力を得て会場で制作するいけばなの作品も登場するので注目だ。
フランスの現代美術界を代表する作家のひとり、カミーユ・アンロによる日本初の大規模個展「カミーユ・アンロ|蛇を踏む」が、2019年10月16日(水)〜12月15日(日)、東京オペラシティ アートギャラリーにて開催される。
アンロは1978年パリに生まれ、現在はニューヨークを拠点に活動を展開。映像、彫刻、ドローイング、インスタレーションなどさまざまなメディアを駆使する彼女は、文学、哲学、人類学のほか、デジタル化された現代の情報化社会などといった多岐にわたる領域についてのリサーチを重ね、それを作品に結実させることで知られている。
2013年の第55回ヴェネチア・ビエンナーレでは映像作品『偉大なる疲労』が銀獅子賞を受賞。これによって彼女の名前と作品は世界的に知られるように。’17年にはパレ・ド・トーキョー(パリ)にて、全館を使ったカルト・ブランシュ(全権委任・自由裁量)の個展開催の権利を与えられた史上3人目の作家となるなど、現代美術家として大いに注目を集めている。
日本では’14年の第6回恵比寿映像祭での『偉大なる疲労』の上映や、’17年の森美術館「 MAM スクリーン 006」での短編映像9点の特集上映など、映像を中心とした紹介にとどまってきたアンロ。本展は、大型のインスタレーション作品を含めた作家のこれまでと現在を、初めて総合的に展示する機会となる。なかでも注目は、日本のいけばなに触発され、2011年から継続的に制作されている『革命家でありながら、花を愛することは可能か』というタイトルのシリーズ。今回は草月流の全面的な協力を得て、会場にていけばなの作品を制作する。
本展では他に、作家活動の初期から描き続けているドローイング作品の展示や、前出の『偉大なる疲労』の上映、アフリカ・ドゴン族の創世神話に関する研究書『青い狐 ドゴンの宇宙哲学』と、ドイツの哲学者ゴットフリート・ライプニッツの原理をもとに、世界の秩序と多義性を分析・構成した、空間全体を使っての重層的なインスタレーション『青い狐』の展示などが。強迫観念的なほどの好奇心と知への探究心をもって、知と創造の新たな地平を切り拓くアンロ。彼女の表現世界に触れることで、新たなものの見方を手に入れられそう!
「カミーユ・アンロ|蛇を踏む」
会期:2019年10月16日(水)〜 12月15日(日)
会場:東京オペラシティ アートギャラリー
時間:11:00〜19:00(金・土曜は20:00まで/最終入場は閉館の30分前まで)
休館日:月曜(祝日の場合は翌火曜)
料金:一般 ¥1,200、大・高生 ¥800、中学生以下無料
03-5777-8600(ハローダイヤル)
https://www.operacity.jp/ag/
text : Shiyo Yamashita





