1970年代後半から90年代にかけて、女子中高生を中心に圧倒的な人気を誇った「OSAMU GOODS」で知られるイラストレーター・原田治の展覧会が、東京・世田谷文学館で開催されている。初期の雑誌での仕事をはじめ、広告・出版・各種グッズなど多分野にわたる作品の紹介を中心とした、原田の全貌に迫る構成。「OSAMU GOODS」の販売も!
1970年代後半から90年代にかけて、女子中高生を中心に圧倒的な人気を誇った「OSAMU GOODS」で知られるイラストレーター・原田治の展覧会が、東京・世田谷文学館で開催中だ。
1946年に東京は築地に生まれた原田は、多摩美術大学グラフィックデザイン科を卒業後にイラストレーターとしてデビュー。76年に『マザー・グース』を題材にしたオリジナルのキャラクターグッズ「OSAMU GOODS」の制作をスタートさせている。1950年代から60年代のアメリカのコミックやTVアニメ、ポップアートなどから影響を受けた、簡潔な描線と爽やかな色彩で描かれたキャラクターは若い女性たちの間で人気となり、原田は84年からミスタードーナツのプレミアム(景品)にイラストを提供するように。このプレミアムは以降シリーズ化され、一世を風靡した。
2016年に原田が亡くなってからは初めての全国巡回展となる本展では、広告・出版・各種グッズなど多分野にわたる作品を中心に、幼少期から20代前半の初期資料やエッセイ集『ぼくの美術帖』(みすず書房刊)の関連資料なども展示。原画や版下、スケッチなど初公開の資料も多数並べられている。
会期中の7月28日(日)には「OSAMU GOODS」のコレクターである、絵本専門店「トムズボックス」の土井章史によるポップアップストアを開催。“みせびらかし”の会なので、自宅に眠る秘蔵の「OSAMU GOODS」などがあれば、持って行って“みせびらかし”てみては。また、8月25日(日)には原田の盟友でアートディレクターの新谷雅弘によるトークイベントが、9月14日(土)には原田の祖父で映画監督の二川文太郎の代表作にして、剣戟映画の原点ともいわれる『雄呂血』(無声映画)の活弁付き上映会が開催。こちらも要チェックだ。
また、会場では「OSAMU GOODS」の新作や復刻グッズの販売もあり。あの頃「OSAMU GOODS」集めに奔走した世代も、今改めてそのかわいさに魅了されている人たちも、ぜひお見逃しなく。
「原田治 展 『かわいい』の発見」
会期:〜2019年9月23日(月・祝)
会場:世田谷文学館 2F 展示室(東京都世田谷区南烏山1-10-10)
時間:10:00~18:00(入館は閉館30分前まで)
休館日:月曜(祝日の場合はその翌日)
料金:一般 ¥800、65歳以上・大・高生 ¥600、障害者手帳をお持ちの方 ¥400、中学生以下無料 ※9月16日(月・祝)は60歳以上無料
03-5374-9111
https://www.setabun.or.jp/
text : Shiyo Yamashita