2004年の創刊以来、革新的で個性的な誌面で国際的に高い評価を得てきたベルギー発のコンセプトマガジン『A MAGAZINE curated by』の最新号が登場。今回は「HUMAN NATURE / MOTHER NATURE」をテーマに、ジル サンダーの共同クリエイティブ・ディレクターであるルーシー&ルーク・メイヤーがキュレーションを手がけている。
毎号さまざまなファッションデザイナーをゲスト・キュレーターとして招聘、その世界を探るベルギー発のユニークなコンセプトマガジン『A MAGAZINE curated by』の最新号となる第21号が登場。今回キュレーションを担当したのは、ジル サンダーの共同クリエイティブ・ディレクターであるルーシー&ルーク・メイヤーだ。
「A MAGAZINE curated by」は2004年にベルギーにて創刊。メゾン マルタン マルジェラによる創刊号以来、山本耀司、高橋盾、クリス・ヴァン・アッシュ、リカルド・ティッシ、トム ブラウン、アレッサンドロ・ミケーレ、キム・ジョーンズなど、錚々たる顔ぶれのファッションブランドやデザイナーを迎え、革新的で個性的な誌面で国際的に高い評価を得てきた。今回はメイヤー夫妻に、彼らが好きなように表現ができる“カルト・ブランシュ”プロジェクトとして、本誌のキュレーションを依頼。2人は「HUMAN NATURE / MOTHER NATURE」をテーマに掲げ、2019年7月よりこのプロジェクトに取り組んできたという。
写真や絵画、イラスト、インタビュー、音楽、詩などといったさまざまなコンテンツに通底しているのは、自然界と、人によって作り上げられた現代社会という、対立する要素が生み出す相乗効果。夫妻の審美眼で選ばれた現代美術作品は、新旧の写真家たちの新作と対比するように並べられている。2人が手がけたジル サンダーのアーカイヴや、ルークがアルノー・ファーとともに2014年に立ち上げたオーエーエムシーのアーカイヴは、写真家のオリヴィエ・ケルヴェルヌの作品集として掲載。ジュリア・ヘッタがミュージシャンのヤシーン・ベイ(モス・デフ)を、またリチャード・ブッシュがケルシー・ルーをフィーチャーしたポートレートストーリーにも注目だ。また、夫、妻、兄弟、姉妹で構成されるチームによって実現したプロジェクトに加え、メイヤー夫妻の親戚や友人たちによる作品もあり、誌面には家族を大切に思う気持ちが反映されている。
今号は、新型コロナウイルス感染拡大によるフランスとイタリアのロックダウンの最中に完成。このことを忘れないために、キュレーターのセルバ・バーニとマッシモ・トッリジャーニは、この号にイタリアの写真家、ジャスコ・ベルトーリの作品の特集を掲載。ここには彼がパリの自分のアパートの窓から撮影した、路上で人々がソーシャルディスタンスをとるシーンが収められている。
表紙はイタリア製の再生紙、Lenzaにオフセット印刷したもので、能登半島唯一の手漉き和紙工房、能登仁行和紙の花模様の和紙を3Dスキャンしたものとなっている。糸綴の背中が見えるような製本も特徴。ジル サンダーのキャンペーンのアートディレクションやグラフィックデザインを手がけるブエロ・パリスがデザインしたオリジナルフォント「Meier」が取り入れられているのにも注目だ。年内には3Dスキャンを用いた真っ白な花模様の和紙のカバーと、ジル サンダーのファブリックタッセルの栞紐を備えた特別版が限定200部発売される予定なので、こちらもチェックして。
A MAGAZINE curated by
https://amagazinecuratedby.com/
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