ピカソの世界有数のセラミックコレクションを展示する「ヨックモックミュージアム」が、2020年10月25日（日）、東京・南青山にオープン。ピカソの豊かで自由な発想が投影された“菓子とアートのコラボレーション”や、“アートセラピーを応用したアートセッション”などの独自の教育プログラムも展開する予定だ。
東京・南青山のヨックモック 青山本店から徒歩数分の場所に、2020年10月25日（日）、ピカソの世界有数のセラミックコレクションを展示する「ヨックモックミュージアム」がオープンする。
本館で展示されるのは、ヨックモックの創業者、藤縄則一の「菓子は創造するもの」という想いを受け継ぎ、当美術館の館長でもあるヨックモック現会長・藤縄利康が精選、ヨックモックグループとして30年以上かけて500点以上収集してきた、ピカソのエディションの数々。ここで言うエディションとは、ピカソが初めて本格的にセラミック作品の制作に着手した1947年から1973年に死去するまでの間に、南仏の町ヴァローリスにあるマドゥラ工房で熟練の職人たちとの協働によって制作した作品にあたる。
家に友人を招くように鑑賞者を迎えたいという思いから、建築は地上2階、地下1階の家型に。屋根はピカソが戦後移り住んだコート・ダジュールの瓦のディテールへのオマージュ。床や壁は陶芸窯に使われる耐熱レンガに着想を得たものとなっている。展示室には地下の企画展示室と2階の常設展示室の2つがあり、後者はピカソのセラミック作品の鮮やかな色彩を最大限楽しめるよう、自然光をふんだんに取り入れた開放的なスペースに。
また、中庭に面した1階にはグッズショップやライブラリーを併設した「カフェ ヴァローリス」が。ヨックモックグループのハイエンドパティスリーブランド「アン グラン」のミニャルディーズなどが楽しめるほか、アートを短時間で楽しめるクラフトキットにドリンクと焼菓子もついた「art for café」もあって、リラックスした雰囲気の中でリフレッシュできる。ミュージアム利用者でなくとも、誰でも自由に出入りできるのも嬉しい。
開館記念としてピカソ研究者の松井裕美氏をゲスト・キュレーターに迎え、10月25日（日）〜2021年9月26日（日）に開催されるのは、「ピカソ：コート・ダジュールの生活」展。ピカソのコート・ダジュールでの生活や、セラミック制作を通して日常生活にもたらそうとしたもの、作品に込められた平和への願いなどを紹介する。1937年に描かれた名作『ゲルニカ』と同時期に描かれた、本館所蔵の油彩画『お菓子』なども展示されるのでお楽しみに。
また、「カフェ ヴァローリス」内のアートセッションスペースでは、創作活動で脳を活性化する教育プログラムやアーティストによる有料のワークショップも随時開催。現在は11月のプログラムとして「アナログ自画像」と「クッキー型で作るクリスマスオーナメント」のワークショップの参加予約を受付中なので、興味のある人はぜひチェックを。
なお、ミュージアムは定員制のため、ホームページでの事前予約（公式オンラインチケット購入）がお勧め。また、「友の会」の個人会員になると、会員証提示で展覧会期間中、何度でも入館が無料になるなどお得な特典がついてくるので、こちらもぜひチェックして。
ヨックモックミュージアム
住所：東京都港区南青山6-15-1
開館時間（ミュージアム、カフェ）：10:00〜17:00（入館は閉館30分前まで／カフェのL.O.は閉店1時間前まで）※毎週金曜の夜間会館（〜20:00）は当面の間延期
休館日：月曜・年末年始・展示替期間 ※月曜が祝日の場合は営業、翌火曜が休館／10月26日（月）は臨時営業／新型コロナウイルス感染拡大防止のため変更となる場合あり
チケット代（税込）：一般 ¥1,200、大高中生 ¥800円、小学生以下無料／障がい者手帳を提示の場合、本人と介護者1名のみ無料
03-3486-8000
https://yokumokumuseum.com/
text : Shiyo Yamashita
