2013年に藤田貴大率いる演劇団体・マームとジプシーにより上演、2015年に再演された、漫画家・今日マチ子の原作による演劇作品『cocoon』が、この夏、再演から7年を経て再々演される。今回は「MUM&GYPSY 15th anniversary year vol.2」と銘打ち、全国9都市を巡回。各方面から絶賛された舞台は必見だ。
2013年に藤田貴大率いる演劇団体・マームとジプシーにより上演され、2015年に全国6都市を巡回、絶賛を浴びた演劇作品『cocoon』が、この夏、再演から7年を経て再々演される。漫画家・今日マチ子による同名作品を原作に、沖縄戦に動員される少女たちに着想を得た群像劇として製作された本作。音楽は原田郁子が手がけている。
マームとジプシー設立15周年に当たる今年、遂に『cocoon』の再々演が実現。今回は沖縄から北海道まで全9都市を巡回する。今回の再々演に先立ち、マームとジプシーは2022年2月に那覇文化芸術劇場なはーととの共同制作プロジェクト『Light house』を上演。製作期間中には製造業者から建築家、店舗のオーナーまで、現地で実際の営みの場を持つ人々との対談を実施したり、沖縄在住の人々を対象としたZoomワークショップを開いたりもしたという。今回の『cocoon』は、そんな『Light house』にまつわる体験や、藤田自身が体感した現代の沖縄に流れる時間などを背景に、新たな演出で描き出されるものとなる。
本来は2020年の夏に巡回予定だったという本公演。公演特設サイトでは、この約2年にわたる作業の断片が「cocoon works」として公開されているほか、ライター・橋本倫史による「cocoon log」や、藤田と今日の対談なども掲載。「cocoon works 1」には今日マチ子のイラストやオーディション風景のスケッチ、原田郁子による音楽・イラストが添えられた「とぅ まぁ でぃ」の歌詞が、また「cocoon works 2」には出演者の「海」にまつわる記憶を藤田がテキスト化したものや、出演者の朗読に原田が音楽をつけた映像作品が。盛りだくさんの内容となっているので、じっくり読んで、見て、聴いてみてほしい。
『cocoon』は7月9日(土)〜17日(日)の東京芸術劇場 プレイハウス公演を皮切りに、長野・京都・愛知・福岡・沖縄・埼玉・北海道(2会場)の9都市で上演予定。沖縄戦から77年、沖縄の本土復帰から50年に当たる今年、ぜひ劇場に足を運んでみて。
MUM&GYPSY 15th anniversary year vol.2『cocoon ―現在、そのあとの世界をどうして生きるか―』
原作:今日マチ子『cocoon』(秋田書店)
作・演出:藤田貴大(マームとジプシー)
音楽:原田郁子
出演:青柳いづみ・菊池明明・小泉まき・大田優希・荻原綾・小石川桃子・佐藤桃子・猿渡遥・須藤日奈子・高田静流・中島有紀乃・仲宗根葵・中村夏子・成田亜佑美
石井亮介・内田健司・尾野島慎太朗
[東京]2022年7月9日(土)〜17日(日) 東京芸術劇場 プレイハウス
[長野]2022年7月23日(土)、24日(日) サントミューゼ(上田市交流文化芸術センター)小ホール
[京都]2022年7月30日(土)、31日(日) 京都芸術劇場春秋座(京都芸術大学内)
[愛知]2022年8月6日(土)、7日(日) 穂の国とよはし芸術劇場PLAT主ホール
[福岡]2022年8月14日(日) 北九州芸術劇場中劇場
[沖縄]2022年8月20日(土)、21日(日) 那覇文化芸術劇場なはーと小劇場
[埼玉]2022年9月2日(金)〜4日(日) 彩の国さいたま芸術劇場大ホール
[北海道・伊達]2022年9月17日(土) だて歴史の杜カルチャーセンター
[北海道・士別]2022年9月23日(金・祝) あさひサンライズホール
『cocoon』公演特設サイト
http://mum-cocoon.com/
text : Shiyo Yamashita