オークション会社のサザビーズはフレディ・マーキュリーの未公開プライベート・コレクション オークション「A World of His Own」を2023年9月に開催する。貴重なコレクションの数々は、6月にNY、LA、香港で巡回展示の後、8月にはサザビーズ・ロンドン ギャラリーで1ヵ月にわたって展示される予定だ。
サザビーズはクイーンのヴォーカリストでソロ・アーティストとしても活躍、1991年に亡くなったスーパースター、フレディ・マーキュリーの未公開プライベート・コレクション オークション「A World of His Own」を2023年9月に開催する。
今回出品されるコレクションは、フレディが西ロンドンのケンジントンにある邸宅、ガーデン・ロッジに作り上げていたもの。このコレクションには、日本への旅行で探し求めた極上の布地や美術品、20世紀を代表するアーティストの絵画や作品、彼がこよなく愛したガラス職人による作品、日常生活に欠かせなかったよりパーソナルな小物アイテムなどが。
クイーンの人気が日本で先行したこともあり、フレディは大の親日家だった。初来日は1975年春、アルバム『シアー・ハート・アタック』のリリースに伴う8泊のツアーでのこと。ツアーは5回行ったが、個人的な旅行でも来日していた彼は、クイーンの音楽出版担当重役であった渡邊美佐と共に、美術館や個人コレクションを何時間もかけて訪れ、着物や帯、日本の高級磁器、福川窯の陶器、木版画、漆塗りのアンティーク家具を買い求めた。着物や帯はフレディ風に仕立てることも多かったという。英国最大級の日本のアンティーク木版画コレクションを所有していた時期もあったフレディ。今回も歌川広重の名作『新大橋と安宅のにわか雨』（1857年）などが出品される。
今回はフレディの友人で衣装デザイナーのダイアナ・モーズリーが制作した華やかな冠とマントも。これらは1986年のネブワースでの最後のライヴで幕を閉じたクイーンのラスト・ツアー「ザ・マジック・ツアー」の際に、「ゴッド・セイヴ・ザ・クイーン」のフィナーレで着用されたもの。また、これまで未公開だった、フレディが大勢のスポーツ・ファンを想定して書いたという「伝説のチャンピオン」の制作過程の手書き歌詞なども出品される。この手書き歌詞は想定落札価格が20万〜30万ポンドというから、かなり熾烈な落札合戦となりそうだ。
今回のオークションは9月6日のイブニング・セールを皮切りに、異なるテーマに分けて6回にわたって開催される予定。オンラインではフレディの日本への愛をテーマにした「In Love with Japan」と、珍しい日用品などを紹介する「Crazy Little Things 1」「Crazy Little Things 2」という3つのオークションが同時開催される。さらに、オークション開催を記念して、フレディの物語と彼を取り巻く品々を紹介する限定コレクション・ブックも発売されるので、ファンならぜひ手に入れたいところだ。
「オークションに行ったり、アンティークを買ったりするのが好きで……。実際にイギリスを離れるとしたら、サザビーズに通えなくなるのが寂しい」（『Freddie Mercury : A Life, In His Own Words』より）と話していたフレディ。コレクションの売却にあたり、彼の最も親密かつ信頼できる友人の一人であり、彼の邸宅とその内部にある全所有物の管理人でもあるメアリー・オースティンは、フレディが心から喜んでくれる方法としてサザビーズでのオークションを選んだという。彼女は売り上げの一部をHIV/AIDSに関する活動を展開するマーキュリー・フェニックス・トラストと、フレディの友人の一人であるエルトン・ジョンのエイズ財団に寄付するそうだ。
展覧会、販売、コレクション・ブックの注文に関する最新情報は、サザビーズのウェブサイトでチェックを。また、オークションカタログは8月に開催されるロンドンでの展示会に先駆けてオンラインで閲覧することが可能なので、こちらもお見逃しなく。
「Freddie Mercury: A World of His Own」
https://www.sothebys.com/en/series/freddie-mercury-a-world-of-his-own
