東京・銀座のシャネル・ネクサス・ホールでは、2024年2月7日(水)より、アート、ファッション、映画の結びつきを写真で表現した先駆的なフォトグラファー、ジョージ ホイニンゲン=ヒューンの日本初個展を開催する。本展では彼が手がけた代表的なファッション写真など、約65点を紹介する。
東京・銀座のシャネル・ネクサス・ホールでは、2024年2月7日(水)〜3月31日(日) 、1920年代よりフランスやアメリカのファッション誌で活躍する傍ら、ポートレートや旅の記録写真など、幅広い作品を手がけたことで知られるフォトグラファー、ジョージ ホイニンゲン=ヒューンの日本初となる展覧会「Master of Elegant Simplicity:ジョージ ホイニンゲン=ヒューン写真展」を開催する。
ホイニンゲン=ヒューンは1900年ロシア・サンクトペテルブルク生まれ。10代の頃、ロシア革命の際にイギリスへと逃れ、1920年にパリに移住。その後、キュビズムの画家アンドレ ロートから教えを受け、姉が手掛けるファッションメゾンのためにスケッチを描くようになる。程なくしてその才能が『Vogue Paris』誌に認められた彼は、写真撮影用の背景やセットの制作に携わるように。さらに1926年頃には自身でも写真を撮るようになり、たちまち『Vogue Paris』誌のチーフフォトグラファーに抜擢されたという。
スタジオの照明を巧みに操ることで、モデルのシルエットを立体的に写し出し、また豪華なファブリックの質感を際立たせたホイニンゲン=ヒューンの作品には、アールデコ、新古典主義、バロック様式のさまざまな要素が取り入れられている。彼はクチュールの写真に動きと同時にモデルの自然なたたずまいといった要素をもたらした最初のフォトグラファーの一人。「モデルは女性であり、石膏像ではない」との発言も残しており、モデル一人一人に人間として向き合っていた。
1920年代初頭にはパリにてガブリエル シャネルと出会う。ホイニンゲン=ヒューンはガブリエルを「現代女性のニーズと好み」を深く理解した「聡明な女性」と評している。また彼はサルバドール ダリ、ジャン コクトー、クリスチャン ベラール、セルジュ リファールなど、ガブリエルを取り巻く多くの仲間たちとも親交を深めた。 1935年にアメリカに渡り、『Harper’s Bazaar』誌に移籍した後も、 彼はシャネルのルックを撮り続けている。
1947年にはハリウッドに移り、アートセンタースクールにて教鞭をとる傍ら、映画業界でも活躍。グレタ ガルボらハリウッドスターのポートレートを制作したほか、アフリカ、ギリシャ、地中海東岸のレバント地方、メキシコとさまざまな地域を長期にわたって旅し、各地の美しい風景や現地で出会った人々の飾り気のないポートレートを撮影、5冊の写真集も制作している。
ホイニンゲン=ヒューンは1968年に逝去した際、親友のホルスト P ホルストにアーカイブを遺贈しているが、ホルストは1980年代にこれらのネガからプラチナパラジウムプリントを作成。これらのプリントはマットな質感でみずみずしい魅力を備え、不朽性と色調の幅の広さが高く評価されている。本展ではこれらの貴重なプリントの数々を、ジョージ ホイニンゲン=ヒューン エステート アーカイブスによって2020年以降に新たに制作されたプラチナパラジウムプリントとともに展示。アート、ファッション、映画の結びつきを写真で表現した先駆的なフォトグラファーの功績を、この機会に振り返ってみてはいかがだろうか。
「Master of Elegant Simplicity:ジョージ ホイニンゲン=ヒューン写真展」
会期:2024年2月7日(水)〜3月31日(日)
会場:シャネル・ネクサス・ホール(東京都中央区銀座3-5-3 シャネル銀座ビルディング4F)
開館時間:11:00〜19:00(最終入場 18:30)
会期中無休
入場無料・予約不要
https://nexushall.chanel.com/program/2024/ghh/