東京オペラシティ アートギャラリーでは、2024年7月6日（土）〜9月16日（月・祝）、世界を代表するファッションデザイナーの一人として活躍した髙田賢三の、生涯にわたる創作活動を回顧する大規模個展「髙田賢三 夢をかける」を開催する。今なお世界で愛され続ける髙田の人物像を多角的に浮かび上がらせる展示となりそうだ。
東京オペラシティ アートギャラリーでは、日本人ファッションデザイナーとしていち早くパリに進出し、生涯を通じて世界中で愛された髙田賢三の没後初の大規模個展「髙田賢三 夢をかける」を2024年7月6日（土）より開催する。
髙田は1939年、兵庫県姫路市生まれ。1958年に文化服装学院に入学、1960年に若手デザイナーの登竜門である「装苑賞」（第8回）を受賞している。1964年に渡仏し、1970年にパリで自らのブランドを設立した髙田は、木綿の新しい可能性を提示したことから「木綿の詩人」と呼ばれ、注目されるように。その後も、身体を衣服から解放するべく、直線裁ちの着物袖やダーツをなくした服などを生み出したほか、独特のカラフルな色使いや柄の組み合わせを提案、「色彩の魔術師」とも称されるようになった彼は、瞬く間に世界のトップデザイナーの仲間入りを果たした。
1999年にはKENZOブランドから引退するも、数年後には現役に復帰し、2004年のアテネオリンピックの際には日本選手団の公式ユニフォームをデザインしたほか、2019年に上演された宮本亜門演出によるオペラ『蝶々夫人』の衣装制作、ホーム＆ライフスタイルブランド、K三（ケースリー）の立ち上げなど、活発な活動を展開した髙田。西欧中心の文化に縛られず、国境や文化、性別を自由に飛び越えた彼の作品は、2020年に惜しまれながら亡くなった今なお、世界中で愛されている。
本展では、幼少期から、戦後の洋裁学校ブームの中で上京し文化服装学院で過ごした学生時代、パリに渡ってからの活躍、そして晩年の活動までを幅広く紹介。髙田の人柄を物語るトピックなども織り交ぜつつ、魅力溢れる彼の人生を紹介する。
前半では装苑賞を受賞した作品や「日本のきれ」を使った初期の作品をはじめ、素材や技法、「アンチクチュール」「ペザント・ルック」「ミリタリー・ルック」など、1970年代に髙田が発表したテーマに着目した展示を。後半では髙田の代名詞とも言われる、世界の民族衣装に着想を得た1970〜80年代のフォークロア作品を一堂に展示する。また、KENZOブランドでの最後のショー「30ans（トランタン）」をデジタル化したダイジェスト映像で紹介する。
今回の見どころのひとつが、1982年秋冬のショーに登場したマリエ（ウェディングドレス）。髙田が約20年にわたって集めたリボンを使って制作したというこの大作は、1999年の「30ans」でも山口小夜子が着用。本展ではこのドレスとともに、制作の模様を写真資料で紹介する。
髙田、そしてKENZOが世界に与えた影響はこの上なく大きい。本展ではその理由を改めて認識することができるはずだ。
「髙田賢三 夢をかける」
会期：2024年7月6日（土）〜9月16日（月・祝）
会場：東京オペラシティ アートギャラリー（東京都新宿区西新宿3-20-2）
開館時間：11:00〜19:00（入場は18:30まで）
休館日：月曜（祝日の場合は翌火曜）、8月4日（日・全館休館日）
入場料：一般 ¥1,600、大学・高校生 ¥1,000、中学生以下無料／障害者手帳持参の人及び付添1名は無料 ※同時開催「となりの不可思議｜収蔵品展080 寺田コレクションより」「project N 95 田口薫」の入場料を含む
問い合わせ：050-5541-8600（ハローダイヤル）
https://www.operacity.jp/ag/exh276/
