無音の世界に生きたゴヤの傑作版画を展示。「ゴヤ版画『気まぐれ』『戦争の惨禍』」、神奈川県立近代美術館 鎌倉別館で開催

神奈川県立近代美術館 鎌倉別館では、フランシスコ・デ・ゴヤが後半生に手がけた銅版画を紹介する展覧会を2024年8月10日(土)〜10月20日(日)に開催する。ゴヤの傑作版画集『気まぐれ』『戦争の惨禍』からそれぞれ80点を展示するとともに、日本でのゴヤの受容を起点に日本とスペインの間に展開した版画の交流の一端を辿る展示も行う。

神奈川県立近代美術館 鎌倉別館では、2024年8月10日(土)〜10月20日(日)、スペインを代表する画家のひとり、フランシスコ・デ・ゴヤの銅版画を紹介する展覧会「ゴヤ版画『気まぐれ』『戦争の惨禍』」を開催する。

神奈川県立近代美術館 鎌倉別館では、フランシスコ・デ・ゴヤが後半生に手がけた銅版画を紹介する展覧会を2024年8月10日(土)〜10月20日(日)に開催する。ゴヤの傑作版画集『気まぐれ』『戦争の惨禍』からそれぞれ80点を展示するとともに、日本でのゴヤの受容を起点に日本とスペインの間に展開した版画の交流の一端を辿る展示も行う。

神奈川県立近代美術館 鎌倉別館では、2024年8月10日(土)〜10月20日(日)、スペインを代表する画家のひとり、フランシスコ・デ・ゴヤの銅版画を紹介する展覧会「ゴヤ版画『気まぐれ』『戦争の惨禍』」を開催する。

無音の世界に生きたゴヤの傑作版画を展示。の画像_1
フランシスコ・デ・ゴヤ 版画集『戦争の惨禍』30《戦争の惨害》 1863年(初版) エッチング、ドライポイント、ビュラン、バーニッシャー、紙 神奈川県立近代美術館蔵(後期展示)

フランシスコ・デ・ゴヤ(1746〜1828)は鋭い眼差しで人間を描破し、近代の画家の先駆者と称される人物。彼は1789年に43歳にしてスペインの宮廷画家という地位を獲得するも、1792年に病により聴覚を失い、晩年に亡命したフランスのボルドーで82歳の生涯を閉じた。

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フランシスコ・デ・ゴヤ 版画集『気まぐれ』1 初版は1799年 エッチング、アクアチント、ドライポイント、ビュラン、紙 神奈川県立近代美術館蔵(前期展示)
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フランシスコ・デ・ゴヤ 版画集『気まぐれ』43《理性の眠りは怪物を生む》 初版は1799年 エッチング、アクアチント、紙 神奈川県立近代美術館蔵(前期展示)

そんなゴヤが後半生に手がけたのが銅版画だ。本展では全聾になったゴヤが最初に発表した版画集『気まぐれ』(初版は1799年)と、『戦争の惨禍』(初版は1863年)より、それぞれ80点を、前後期に分けて展示する。

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フランシスコ・デ・ゴヤ 版画集『戦争の惨禍』80《彼女はよみがえるだろうか?》 1863年(初版) エッチング、バーニッシャー、紙 神奈川県立近代美術館蔵(後期展示)

魑魅魍魎が多く登場する『気まぐれ』は、人間の愚かさやおかしみを表現した風刺的な内容のもの。一方、『戦争の惨禍』(1863年初版)は60歳を過ぎたゴヤが「戦争」という現実を見つめ、10年余りをかけて制作したものだが、生前には発表されていない。いずれの作品集においても、ゴヤはアクアチント、エッチング、ドライポイントなど、多様な技法を駆使。無音の世界に生きながら、モノクロームの作品の中で人間に対する深い問いかけを行った、表現者ゴヤの真髄に触れることができる。

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村井正誠《女の顔》 1956年 シルクスクリーン、紙 神奈川県立近代美術館蔵(全期展示)

また、本展では特集展示として、「1959―スペインにいった現代日本版画展」も開催。1959年にスペインで開催された「現代日本版画展(Grabados Japoneses)」と、それに先駆けて同年に神奈川県立近代美術館 鎌倉館で開催された「スペインにいく現代日本版画展」に出品された村井正誠や上野誠、海老原喜之助などの版画や新資料を手がかりに、当時の日本とスペインの間に生まれた作品や人との繋がりに迫る。

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上野誠《屠場のうた》 1957年 木版、紙 神奈川県立近代美術館蔵(全期展示)

会期中の8月24日(土)、9月21日(土)、10月5日(土)にはギャラリートークを開催。展示作品について理解を深めたい人は参加してみてはいかがだろうか。

「ゴヤ版画『気まぐれ』『戦争の惨禍』」
会期:2024年8月10日(土)〜10月20日(日) ※展示替えあり
会場:神奈川県立近代美術館 鎌倉別館(神奈川県鎌倉市雪ノ下2-8-1)
開館時間:9:30〜17:00(入館は16:30まで)
休館日:月曜(8月12日、9月16日、9月23日、10月14日を除く)
観覧料:一般  ¥250、20歳未満・学生  ¥150、高校生・65歳以上 ¥100/中学生以下無料
http://www.moma.pref.kanagawa.jp/