高木由利子が30年追い続けた、伝統的な衣服をまとった人々の姿。100点以上の作品を集めた展覧会がBunkamura ザ・ミュージアムにて開催中

東京・渋谷のBunkamura ザ・ミュージアムでは現在、2026年3月29日(日)までの会期で「高木由利子 写真展 Threads of Beauty 1995-2025 ― 時をまとい、風をまとう。」が開催中。写真家の高木由利子が30年にわたり世界各地で伝統的な衣服をまとい生きる人々の姿を撮影したシリーズの集大成としての、圧巻の展示だ。

東京・渋谷のBunkamura ザ・ミュージアムでは、写真家の高木由利子が30年にわたって世界各地で伝統的な衣服をまとい生きる人々を撮影したシリーズの中から100点超の作品を展示する展覧会「高木由利子 写真展 Threads of Beauty 1995-2025 ― 時をまとい、風をまとう。」を開催中だ。

東京・渋谷のBunkamura ザ・ミュージアムでは現在、2026年3月29日(日)までの会期で「高木由利子 写真展 Threads of Beauty 1995-2025 ― 時をまとい、風をまとう。」が開催中。写真家の高木由利子が30年にわたり世界各地で伝統的な衣服をまとい生きる人々の姿を撮影したシリーズの集大成としての、圧巻の展示だ。

東京・渋谷のBunkamura ザ・ミュージアムでは、写真家の高木由利子が30年にわたって世界各地で伝統的な衣服をまとい生きる人々を撮影したシリーズの中から100点超の作品を展示する展覧会「高木由利子 写真展 Threads of Beauty 1995-2025 ― 時をまとい、風をまとう。」を開催中だ。

高木由利子が30年追い続けた、伝統的な衣の画像_1

高木由利子《India, 2004》 © Yuriko Takagi

高木は武蔵野美術大学にてグラフィックデザインを学んだ後に渡英、トレント・ポリテクニック(現ノッティンガム・トレント大学)でファッションデザインを専攻。卒業後はフリーランスデザイナーとしてヨーロッパで活躍、その後写真家へと転身している。当初は風景やヌードを主題としていたが、やがてファッションブランドとの仕事にも携わるように。クリスチャン・ディオールのアーカイブピースを独自の視点で捉えた作品群は、2023年に開催された『クリスチャン・ディオール、夢のクチュリエ』展で披露され、絶賛された。近年では、自然現象の不可思議さに焦点を当てた「chaoscosmos」シリーズを発表するなど、その活動は多岐にわたっている。

高木由利子が30年追い続けた、伝統的な衣の画像_2

高木由利子《Colombia, 2016》 © Yuriko Takagi

「Threads of Beauty」シリーズは、衣服や人体を通して自然界の一部としての「人の存在」を見つめ続ける高木の試みの中でもとりわけ長期間に及ぶ、高木にとって根幹的なプロジェクト。世界各地の伝統服が日常生活の場から姿を消しつつある現状を、高木は惜しみつつも、現代の生活様式へと移行する上での自然な営みとして受け入れているという。高木は本シリーズを、民俗史的な記録としてではなく、あくまで被写体となった人々の文句なしの“格好良さ”に魅せられて撮影しているというのが興味深い。実際、会場で対峙することになる被写体はあまりにも“格好良く”、ドキッとさせられる瞬間が何度もあるはずだ。

高木由利子が30年追い続けた、伝統的な衣の画像_3

田根剛が手がけたノマド感溢れる会場構成は、自由に回遊しながら鑑賞できるもの。

会場内は“広場”を中心とした、ゆるやかな8つの“ヴィレッジ”に分かれており、自由に回遊することができるようになっている。入口にはコロンビアやインドのスピリチュアルリーダーたちを撮影した作品が。被写体となっているのは、その2ヶ国のほか、アルゼンチン、ボリビア、中国、イラン、メキシコ、ナミビア、ペルー、スリランカ、そして日本などの、民族衣装を身につけた人々だ。

高木由利子が30年追い続けた、伝統的な衣の画像_4

「高木由利子 写真展 Threads of Beauty 1995-2025」展示風景、Bunkamura ザ・ミュージアム、2026年

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会場内のあちこちには高木自身による印象的な言葉がちりばめられている。現在戦時下にあるイランの人々の写真も。

それぞれの写真は竹和紙にプリントして上からニスを塗り、布に縫い付けて、それをテントのように上から吊り下げて展示してあり、遊牧民の宿営地のような雰囲気が漂う。会場構成は2023年のKYOTOGRAPHIEの際に京都・二条城で行われた「PARALLEL WORLD」展でもタッグを組んだ建築家・田根剛が担当。「布と写真を一体化することで、ノマディックな形で別の場所でも展示ができるようにしている」と田根。会場の随所に配された高木自身の言葉も印象的だ。

高木由利子が30年追い続けた、伝統的な衣の画像_6

2016年に渋谷で撮影された作品(左)と〈Threads of Beauty〉の作品(右)を組み合わせた映像作品も上映。

会場では〈Threads of Beauty〉の作品と、2016年に渋谷のスクランブル交差点で若者たちを撮影した写真を合わせた映像作品の上映も。また、展示室内には「一冊の本を売る書店」をテーマとする森岡書店が特別出店。高木の新刊写真集 『Threads of Beauty 1995-2025 ―時をまとい、風をまとう。』や各種書籍を販売している。

高木由利子が30年追い続けた、伝統的な衣の画像_7

高木由利子 × amachi.「Threads of Beauty - Wrapped Shirt」¥88,000 ※4種/各柄限定20枚/受注生産

また、店頭では書籍とあわせて梅田版画工房と高木によるリトグラフ作品、それに漆皮作家・樋上純とのコラボアイテムやamachi.とのコラボアイテムなども展示販売されている。こちらもじっくり見てほしい。

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「高木由利子 写真展 Threads of Beauty 1995-2025」展示風景、Bunkamura ザ・ミュージアム、2026年

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会場の一角に置かれた展示ケースは、Bunkamura ザ・ミュージアムの過去展覧会で使用されたものを再利用したそう。

なお、本展は2029年度竣工予定の東急百貨店本店跡地にできる新施設「Shibuya Upper West Project」に拡大移転するBunkamuraザ・ミュージアムにとって、代替施設での活動は継続するものの、現展示室での最後の展覧会でもある。約40年にわたって渋谷の街でアートを紹介してきたこの場所に入ることのできる最後の機会となるので、ぜひ足を運んで。

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日常的に伝統的な衣服を着ている人々の姿を見ると、服そのものがアイデンティティや誇りを表しているのが伝わってくる。

「SHIBUYA FASHION WEEK 2026 Spring × Bunkamura 
高木由利子 写真展 Threads of Beauty 1995-2025 ― 時をまとい、風をまとう。」

会期:2026年3月10日(火)~3月29日(日)
会場:Bunkamura ザ・ミュージアム(東京都渋谷区道玄坂2-24-1 Bunkamura B1F)
開館時間:13:00~20:00(最終入場19:30)
入場料:無料
会期中無休
https://www.bunkamura.co.jp/museum/exhibition/26_takagi.html