荒木飛呂彦コラボも。「ブルガリ セルペンティフォーム アート ジュエリー デザイン」展のみどころをおさらい

ブルガリの代表的なアイコンである「セルペンティ」。ヨーロッパで富や幸福の象徴として親しまれている、蛇をモチーフにしたコレクションは、1940年代に誕生して以降世界中で愛され続けてきた。

レッドカーペットでセレブリティたち、そして世界中の女性たちに愛されてきた「セルペンティ」テーマにした巡回展が、現在六本木ヒルズ展望台 東京シティビューにて開催中だ。

2016年、ブランド発祥の地であるローマで杮落としを行った展覧会「セルペンティフォーム」。今年の夏にシンガポールのアートサイエンスミュージアムで好評を博した同展覧会。まだ見ていない、という人のために、今回は5つの見どころをご紹介。

ブルガリ・ヘリテージ・コレクションより、1965年に制作された「セルペンティ」ブレスレット。イエローゴールド、ルビー、ダイヤモンド製。Photo courtesy of brand
ブルガリ・ヘリテージ・コレクションより、1965年に制作された「セルペンティ」ブレスレット。イエローゴールド、ルビー、ダイヤモンド製。Photo courtesy of brand

 

都内を一望できる絶好のロケーションと、「セルペンティ」の歴史の対比

ジュエリーの展覧会、と聞くと多くの人が思い浮かべるのが、暗がりの中でスポットライトが照らされた展示風景。しかし「ブルガリ セルペンティフォーム」がユニークなのは、開放感のある展望スペースで行われているという点だ。都内を一望するパノラマ風景に圧倒されるエントランス部分でお目見えするのは、世界各国の有名ファッション誌に掲載された「セルペンティ」のエディトリアルたち。その横では、ヘルムート・ニュートンやロバート・メープルソープなど著名作家たちによる、蛇をテーマにした作品が並ぶ。

ウー・ジエンアン「THE WHITE SNAKE HID IMMEDIATELY」(手染めろう紙、木綿糸、ペーパー)2015年 Image courtesy of Wu Jian’an and Chambers Fine Art, New York
ウー・ジエンアン The White Snake hid immediately(手染めろう紙、木綿糸、ペーパー) アーティスト&前波画廊提供、ニューヨーク、2015年

 

日本人作家の作品、荒木飛呂彦によるコラボレーションも

海外の巨匠たちの作品に続き展示されているのが、ヘビのポートレート作品たち。日本が誇る作家、操上和美によるファンタジックな作品に加え、今回の展示のために、荒木飛呂彦が特別に制作したイラストもお目見え。『ジョジョの奇妙な冒険』で知られ、世界的に高名な荒木飛呂彦は、今年の11月にもブルガリとコラボレーションを手がけており、書き下ろしのイラストを取り入れたレザーグッズが発売された。

荒木飛呂「康穂と由花」(墨汁、リキテックス カラーインク)2017年 ©荒木飛呂彦&LUCKY LAND COMMUNICATIONS/集英社
荒木飛呂彦「康穂と由花, 2017」(墨(墨汁)、リキテックス カラーインク)アーティスト提供、日本 ©荒木飛呂彦&LUCKY LAND COMMUNICATIONS/集英社

ニキ・ド・サンファルをはじめ著名作家によるダイナミックな立体作品

写真、イラストなど、平面作品に続き展示されるのが、現代作家たちによる大型の立体作品。小谷元彦によるメタリックシルバーのスカルプチャーや、ニキ・ド・サンファルによる巨大なミックスメディア作品など、蛇というモチーフに対して多様な解釈が見て取れる作品群が揃う。

ニキ・ド・サンファル「Pouf serpent jaune」(ポリエステル塗料、ポリウレタン塗料)1994年 © 2017 Niki Charitable Art Foundation
ニキ・ド・サンファル「Pouf serpent jaune」1994年(ポリエステル塗料、ポリウレタン塗料)ニキ・チャリタブル・アート財団、サンティー © 2017 Niki Charitable Art Foundation

 

これぞ眼福、国宝級ヘリテージジュエリーが一堂に集結

ここまでは「セルペンティ」、そして蛇というモチーフを多様に解釈したアート作品のスペース。ファンお待ちかねの、ジュエリースペースも、もちろん期待を裏切らない、充実のラインナップ。60年代に制作された初期のシークレットウォッチから、眩いばかりのダイヤモンドがあしらわれたハイジュエリーネックレス、そしてミニマルモダンな解釈でデザインされたタイムピースなど、時間を忘れるほど美しい作品の数々が並ぶ。

ブルガリ・ヘリテージ・コレクションより、1969年に制作された「セルペンティ」ネックレス。イエローゴールド、ポリクロームエナメル、サファイア、エメラルド、ダイヤモンド製。Photo courtesy of brand
ブルガリ・ヘリテージ・コレクションより、1969年に制作された「セルペンティ」ネックレス。イエローゴールド、ポリクロームエナメル、サファイア、エメラルド、ダイヤモンド製。Photo courtesy of brand

 

先進のテクノロジーを駆使した、新感覚のビジュアル体験

展示作品と合わせて、「ブルガリ セルペンティフォーム」で目を向けたいのが、デジタルテクノロジーを駆使した試み。中盤の立体作品の展示スペースでは、ARを使ってダイナミックなインタラクティブ体験が出来るほか、ジュエリーの展示スペースでは、「セルペンティ」をイメージしたグラフィック映像を全体に投影することで、幻想的な空間を作り上げている。

ジュエリーの展覧会としてだけでなく、アート展としても完成度の高い構成とラインナップは、ファンならずとも満足出来るはず。巡回展「セルペンティフォーム」は、六本木ヒルズ展望台 東京シティビューにて1225日(月)まで開催。まだ見てない、もしくはまた見たいという人は、週末の予定にヘビの絵文字でマークして。

「ブルガリ セルペンティフォーム アート ジュエリー デザイン」
会期:20171125日(土)~1225日(月)
場所:六本木ヒルズ展望台 東京シティビュー(東京都港区六本木6-10-1
問い合わせ先:六本木ヒルズ展望台 東京シティビュー
www.serpentiform.bulgari.com
電話番号:03-6406-665210:0020:00

text:Shunsuke Okabe

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