ジェーン・スーさんが指南! 女を奮い立たせるアンセム、ベスト10

女子の生態と本音をビビッドに描くコラムが大人気のジェーン・スーさんが、Spotifyを使って<女を奮い立たせるアンセム10>のプレイリストを作ってくれた。「トレッドミルのワークアウトに挑む感じで楽しんで」という曲は、いずれの歌詞もぐっとくる。パワフルな歌声にのって、心のエクササイズを、いざ!

interview & text:Rie Arai

【PROFILE】
ジェーン・スー 
東京都出身。コラムニスト、ラジオパーソナリティ・作詞家・プロデューサー。『貴様いつまで女子でいるつもりだ問題』(幻冬舎)で第31回講談社エッセイ賞を受賞。『私たちがプロポーズされないのには、101の理由があってだな』(ポプラ社)、『女の甲冑、着たり脱いだり毎日が戦なり。』(文藝春秋)ほか、著作多数。

 



Step1. まずは情動のストレッチ「I Will Survive / Gloria Gaynor」

ショーはここから始まるという感じで感情を昂らせましょう。男女の別離の歌ですが、このシチュエーションは実は何にでも使えます。あんなに尽くして働いたのに会社が理解してくれないとか、上司と合わないとか、とにかく自分に不当な扱いをした人や物事に別離を決めたときのBGMには最適。社会人になってしばらくすると、誰もが感情のふたをあけるのが上手にできなくなってくるもの。BGMの勢いで情動のストレッチからスタートです。

Step2~4へ続く

Step2. 少しずつ心拍数をUP 「Run The World(Girls)/ Beyonce」

なにかと女性というのは、自分も安心だし波風を立てないしで、サブ的な役割をとりがちなもの。いいポジションの話や思いも寄らない好機に「私なんて……」とひいちゃうのは美徳ではありません。ビヨンセが「誰が世界を動かしてるんだ」「女子だ!」と強く言い切ってくれるこの曲で、世界を動かしてるのは「自分だ!」と自覚して、徐々に心拍数を上げていきましょう。

 

Step3. ゾーンに入ったらしばらくキープ! 「Roah / Katy Perry」

「吠える(Roah)」ことに対して恐怖感を持っていませんか? 感情を振り回して怒ったりするのはポジティブじゃないですが、カラオケボックスで毎夜誰もがやっているように、自分自身を奮いたたせるために大声を出すとおなかの底から力がわいてきます。おちゃめで強気にみえるケイティですが、彼女の弱さも出ている歌詞には「我も人なり、彼も人なり」と思えます。

Step4. さらにペースをキープして! 「Forget You (glee ver.) / glee Cast)

エクササイズを続けて前向きになると、段々「くそぉー」みたいな気持ちも出てくるもの。ドラマの「glee」でグィネス・パルトロウが高校生に40過ぎのおばさん扱いされながらも「なによ、私も歌えるわよ!」って、この曲でまわりをノリノリにしていっちゃう。大人になるにつれモノわかりのよさを体得せねばと自ら呪縛にかかってしまうものですが、時には彼女のように少々口が悪くても、お転婆でもいい。イヤなことのあった翌日にこれを聴いたら聞いたら、いつもよりスピードも速く、胸をはって歩けると思います。


Step5~6へ続く

Step5. さらにスピード&角度をUP!  「Ain’t Your Mama / Jennifer Lopez」

「こんなにしてあげてるのに、どうして?」って気持ち、男性だけじゃなくて仕事でも女友達にも持ったりするものですよね。そんなときジェニファーの衰えない肉体と強気のラテンリズムで盛り上がりながら「私はお母さんみたいにいろいろやってあげる存在じゃない!」って自分に言い聞かせましょう。そういうときは相手に不適切な期待を持っているときが多いもの。この曲でスカッとして、自分から離れるようにしたほうがいいですよ。

 

インタビュー内用に沿いつつ、著作の説明を100~150w程度

『今夜もカネで解決だ』(朝日新聞出版)稼いで、疲れて、使って、稼ぐ――本人もいくら使ったか思い出せないと途方にくれるマッサージ遍歴を、一期一会のセラピストたちへのリスペクトをこめて綴るエッセイ。働く女性への共感がこもる『AERA』人気連載を書籍化。
『未中年』 〜四十路から先、思い描いたことがなかったもので。〜』 (新潮社)  ナナトエリ:漫画

ジェーンさんが初めて原作を手がけたコミックス。アラフォー女性が直面する悩みや現実を、編プロで働く片山亜弥(40)を通じて描く意欲作。女には結婚してようがしてまいが、叫びたい「何か」があるのだ。

Step6. がんばったところでカームダウン 「Shake It Off / Mariah Carey」 

他人の陰口とか、親類縁者に結婚や子どもはどうするんだと言われるとか、そんなものにはいちいち傷つかず、余裕をかまして煤を払いのけるようにshake it off (=払いのける)しましょう。理解を深めようとする姿勢はいいものですが、それは特定の大事な人とだけでいい。もちろん傷ついてしまう気持ちもすごくわかりますが、この曲の間くらいマライアのような高飛車な女になって、shake it offするフリだけでもしてほしい。無駄なことにパワーは使わなくていいんです。


Step7~8へ続く

Step7. マシンをおりて平熱で自己肯定 「I Love Me / Meghan Trainor」

メーガンは豊満なボディサイズの歌とかで売れた人で、この曲も「名前をからかわれたって、私はこのままで全然、自分のことが好きなの」と。これを大仰に歌われちゃうと自己陶酔とか自己憐憫みたいでついていけなくなりますが、さらっと歌うから「私、これでいいんで、失礼します!」って感じでさっぱりしてていい。平熱で自己肯定するってすごく大事です。

Step8. 心の筋トレスタート 「Superwoman / Alicia Keys」

ビヨンセが動のフェミニズムだとしたら、アリシアはもう少し穏やかにレイドバックした感じで女性を肯定してくれる人。歌詞の中に「胸のところにSのマークがある」のSとは、スーパーマンのSで、それも女の子だってつけていいと歌ってるわけです。いろいろ欠けていることがあるのも認めながら、それでも「私はスーパーウーマン」っていうのを、自分にしみ込ませるように嚙みしめてほしい。人には見えないかもしれないけど、自分の胸にもSがあるって奮い立たせていきましょう。

Step9~10、ジェーンさんからのメッセージへ続く

Step9. 心の筋組織も一回壊れて強くなる 「Beautiful / Christina Aguilera」

女性の場合、容姿でいろいろ言われ年齢でいろいろ言われ、どういう状態であってもいろいろ言われるのがつらいところ。が、その流れを変えるというか、「あなたが何と言おうと私は美しい。言葉で気落ちさせることはできない」と宣言しちゃう曲です。人の成長は螺旋状で、同じようなところを回りながらも少しずつ上に上がっていくもの。前の曲とあわせて、心も筋組織と一緒で、一回壊れてから強くなります。



Step10. ドッカーンと「アタシ最高ー!」  「Lady Marmalade / Christina Aguilera, Lil’Kim, Mya, Pink 」  

もともとソウルディーバが歌っていた曲を再解釈して、いろんな人種の女性が歌った「女性による女性のためのノリノリソング」。セクシーさや肉体美は誰かに値段をつけられるものではなく、所有者は自分。ここまでで相当図太くなったところで、「自分は自分のためにセクシーなんだ」と再確認しましょう。ドッカーン、ボッカーンで「アタシ最高ー!」と。で、シャッシャッと終ります(笑)。

 

最後に

音楽で自分の心をセルフチェック!

個人的に奮い立つのが好きというか、落ち込んでから奮い立つときの感覚が好きで、今回はそういうアンセムを選びました。ほっておくとドラマじみてしまうので、しらふでいるように「I love me」みたいな曲でちゃんと自分の顔に水をかけるのも忘れずに。Spotifyだと歌詞があわせて表示されるので便利。意味を嚙みしめながら聴くと、さらに奮い立てると思います。最近は新しい曲をチェックする時間がないけれど、大事な曲はあるという感じ。気分を変えたり、自分のテストになったり、音楽が助けてくれるときがあります。実は私にとってリトマス紙になっている曲があって、その曲を聴いてぐっときてるときは絶対に頭がヤバい状態なんですよ(笑)。まあ、それに気がつけばあとは軌道修正すればいいわけで。今回のアンセムについていけないと感じたらちょっとダウンぎみかもしれないし、セルフセラピーとは言わないまでも、自分が今どういう心の状況にあるかを音楽でチェックするのは、アリだと思いますよ。

cap/80~100w
cap/80~100w

ジェーン・スーさんのインタビューをチェック!

 

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今回、「女を奮い立たせるアンセム」をテーマに、ジェーン・スーさんがセレクトした楽曲のプレイリストはこちら。落ち込んだとき、自信をなくしそうになったとき、などなど。オンオフのさまざまなシーンで勇気づけられる名曲が勢揃い。今すぐダウンロードして、心のエクササイズをスタートして!

女を奮い立たせるプレイリスト

 

 

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