2018.10.18

伊藤健太郎と行く、西川口ディープ中華探険

東京駅から30分弱。埼玉・西川口が今、美味なるチャイナタウンへ変貌中。噂を聞き、注目の若手俳優・伊藤健太郎さんと一緒に訪ねてみた。

滕記熟食坊(とうきじゅくしょくぼう)

味つけ濃厚で素材の風味も強い、中国東北地方の鍋料理

中国東北地方の鍋料理が好評で、近隣在住の中国人で常に賑わう。人気は骨つき豚肉に大ぶりの野菜が入った、醤油ベースの鍋「東北農家炖」。濃い味つけに加えて、素材のおいしさも映え、鍋の縁で生地から焼き上がったトウモロコシパンも香ばしいこと。全6種の鍋料理が揃うが、でき上がりを待つ間には牛モツの醤油煮など一品料理を楽しみたい。東北地方の料理は塩辛いものが多く、酒肴にも最適だ。

「東北農家炖」¥5,180(トウモロコシパン5個つき。具材は追加料金でオーダー可)には豚肉、ジャガイモ、カボチャなどが入る。中国から仕入れるトウモロコシは、もちもちの食感。量が多いので、4人以上での来訪がおすすめだ。

トップス¥19,000/PARKING(MARKAWARE) ジャケット¥40,000(CULLINI)・パンツ¥38,000(TAAKK)・靴¥55,000(SHAREEF)/Sian PR

「西川口は初めて。どんな中華が食べられるのか楽しみです」と伊藤さん。完成と同時に木蓋がはずされると、鍋の縁で生地の状態から焼き上がった、トウモロコシパンに興味津々のご様子。「これは間違いないおいしさ。スープに浸して食べるとまた格別ですね」。骨つき豚肉やトウモロコシも豪快に手づかみで。あっという間に完食!

DATA

埼玉県川口市西川口3の30の12
048-258-8999
営業時間:12時〜24時
定休日:月曜(祝日の場合は営業)

 

福記(ふっき)

おひとりさまでも楽しめる、滋味深い福建の家庭料理

「福建省には海も山もある。食材が豊富なんです」と郷土自慢する、オーナーの林さん。「炒米线(チャオミィーフェン)」はおなじみの焼きビーフンだが、肉・エビ・ニンジンなど複数の食材のスープをしっかり麺に含ませた深い味わい。調理法は現地のままで、異なるのが提供スタイルだ。「料理は1人分のサイズですよ」。福建の屋台でも人気の中国ソーセージ、羊肉の串揚げなどつまんでひとり酒、最後は麺で締めることも可能だ。

1 「炒米线」¥1,000は塩ベースの海鮮焼きビーフン。豚肉、アサリ、イカ、エビなど具だくさん。麺が細く具材が絡まりやすい
2 福建省の屋台で人気の串揚げ。左から「中国ソーセージ」¥230、「羊肉串」¥210、「ニラ焼」¥150。唐辛子をまぶしてから提供する

DATA

埼玉県川口市西川口1の24の8
070-1387-6888
営業時間:12時〜翌1時30分(LO)
定休日:木曜

 

小城(おしろ)

羊肉をテーブルで丸焼きに これぞ東北スタイル

多民族国家の中国では、比較的宗教タブーに触れない羊肉はポピュラーな食材。東北地方では特に好まれ、卓上で丸ごと炭焼きにする料理も。「表面が焼けたら、ナイフで切り落とす。生焼けなら、網の上でまた焼きます」。削って焼くを繰り返すのだが、東北人は気長ゆえ、お酒とともにゆったり楽しむと話すオーナーの長城さん。焼き上がったスペアリブは甘い脂が美味。サラダ・煮込みなど東北の料理も味わってみたい。

3 羊を一頭買いするからこそ、丸焼きで提供できる。「羊のスペアリブ焼き」¥3,800は約4人前の分量。唐辛子、クミン、塩でいただく
4 「ラム肉串焼き」1本¥100。こちらはやや小ぶりで、焼いて提供。スパイシーな味わい

DATA

埼玉県川口市西青木1の12の11
048-229-2609
営業時間:12時〜翌2時
無休

外灘(わいたん)

軒先で屋台気分も味わえる上海小吃テイクアウト店

「餃子」や「饅頭」、「炒飯」などのお品書きの中で、一番人気が「焼き小籠包」。上海出身のオーナー夫婦が毎日餡から手作りする。「地元の専門店で修業して、具とスープの最適なバランスを編み出しました」。カリカリ食感とスープを堪能するなら、焼きたてを頰張りたい。また軒先にはカウンター席が4つあり、杯を傾けて、アサリ炒めなどの一品料理も楽しめる。「自宅近くにあったら、通っちゃいそうです」と伊藤さん。

5 カウンター席に座る伊藤さん。まるで中国にいるかのような気分に。「焼き小籠包」6個¥690がお気に入り
6 店のもうひとつの人気メニュー、「もち焼売」6個¥660。薄皮にモチモチのおこわを詰め、蒸して完成

DATA

埼玉県川口市並木2の19の1 埼京ビル1F 
048-255-8522
営業時間:15時〜翌1時
定休日:日曜

「中華料理は大好き。だけど僕の知らないチャイニーズが西川口にありました」と伊藤さん。「中国語の看板があちこちに。今度はふらっと来て、お店の人と話しながら食べたり飲んだりしたいです」と再訪を誓っていた。

Profile
いとう けんたろう●1997年生まれ、東京都出身。公開中の映画『コーヒーが冷めないうちに』や10月期ドラマ「今日から俺は!!」(日本テレビ系、日曜22時30分)に出演。11月9日、映画『ういらぶ。』が公開予定。
Instagram: @kentaro_official_

SOURCE:SPUR 2018年11月号連載「秘境チャイニーズ」photography: Yuki Kumagai (model), Motokazu Hara (food) styling: Tsuyoshi Takahashi 〈Decoration〉 hair & make-up: Hajime Ito edit: Koji Okano

FEATURE