柳宗悦や河井寛次郎たちの民藝運動に影響を受けた窯元「出西窯」が中心となっている「出西くらしのvillage」に、この春、山陰地方初出店となる「Bshop出西店」が仲間入り。ベーカリーカフェの「ル コションドール出西」とともに賑わいをみせている。
Bshop出西店
仏経山と斐伊川に挟まれた、のどかな県道沿いにある「出西くらしのvillage」。昨春、窯元の「出西窯」に隣接してベーカリーカフェ「ル コションドール出西」ができたところに、「Bshop出西店」が今年2月に出店。「出西くらしのvillage」の名称に相応しい、衣食住が揃う施設となった。
今回オープンした「Bshop出西店」は、白い壁に木材と石材の組み合わさった床、そして木製什器と、和の雰囲気がほんのり薫るモダンな内装。天井が高く、大きな窓から外光がたっぷりと入る明るい空間だ。レジを中心に回廊のようにぐるりと巡ることのできるユニークな動線で、西側にはテラスも設置。商品のラインナップは、オーシバル、ダントン、ジムフレックスといったBshopでは馴染み深いブランドを中心とし、他店舗とほとんど変わらない。ショップの場所によって品揃えを変えるより、セレクトにおける自分たちの良さを伝えたいという考えが表れている。オープンを記念してオーラリーの別注色のTシャツと、タイダイソックスを数量限定で販売。
田園風景に合うよう横に広がる形の建物。低い塀は島根の名産、来待石を使って野面積みをしている。
Bshop出西店
http://bshop-inc.com/
0853-25-7332
住所:島根県出雲市斐川町出西字高林1358-3
営業時間:10:00~18:00
定休日:火曜日
出西窯 くらしの陶・無自性館
「Bshop出西店」の、小さな川と道を挟んだ向かい側に位置するのは「出西窯」。そもそもこの「出西くらしのvillage」は、陶工の多々納真さんが窯の将来を考え、うつわの良さをもっとさまざまな人に伝えるためにはどうすればいいか、と考えたことから始まる。窯と取り引きのあったBshopの今は亡き前社長が、ここにショップを建てたいという話を多々納さんと交わし、それならと生活文化全般を扱う場所をつくることになった。
明治初期の米蔵を移築、改装した「くらしの陶・無自性館」は、主に出西窯のうつわを展示販売するスペース。民藝運動の精神を伝える道具としてのうつわは、日常生活に溶け込みつつ用の美を感じさせる。工房が隣にあり、見学も可能。
最近の出西窯を代表する出西ブルーのうつわ。青色は料理に合わないという今までの常識を覆す、美しい青が輝く。
出西窯 くらしの陶・無自性館
https://www.shussai.jp/
0853-72-0239
住所:島根県出雲市斐川町出西3368
営業時間:9:30~18:00
定休日:火曜日
ル コションドール出西
ベーカリーカフェ「ル コションドール出西」は、さらに北側のモダンな建物にある。パンの販売に加えカフェも併設され、どちらもたくさんの人で賑わっている空間だ。鳥取市内でベーカリーを営んでいた倉益孝行さんのパンを、多々納さんが気に入って通っていたところ交流が生まれ、ここに出店することになった。
奥の工房で焼かれたパンは、店頭に並ぶと飛ぶように売れていき、休日ともなると午後の早い時間には売り切れに。パンを買いに車で気軽に訪れる人も多く、地元で愛されているのが肌で感じられる。カフェにはフードメニューとして季節のサンドイッチはもちろん、ボリュームのあるカレーやグラタン、スイーツも用意されている。
カフェで食べられる、香ばしいカンパーニュにスライスしたアボカドをたっぷり載せた、アボカドとリコッタチーズのオープンサンドプレート(サラダ付き)。
ル コションドール出西
0853-27-9123
住所:島根県出雲市斐川町出西3368
営業時間:9:30~18:00(なくなり次第終了)
定休日:火曜日、第2・4水曜日
出西くらしのvillage
https://www.shussai-village.jp/
text:Akane Watanuki