リラックスしたムードとカラフルな街並みが魅力! カリブ海、キュラソー島の歩き方

金色に輝く砂浜と、手つかずの美しいサンゴ礁に囲まれたキュラソー島。活気に満ちたこの島のおすすめホテル&スポットを紹介する


 カリブ海の南、ベネズエラ沿岸からちょうど40マイル、北緯12度の沖合に浮かぶキュラソー島。全長40マイル、幅8マイルのこの島は、多様な文化が混在し、活気にあふれている。小アンティル諸島を構成する島のひとつで、西のアルバ島、東のボネール島とともに“ABC諸島”とも呼ばれ、かつてはオランダ西インド会社の商人たちの貿易の中心地として栄えていた。

 島では塩が豊富に産出され、また入り江に囲まれた天然の港ショッテハットもあったことから、17世紀半ばにキュラソー島はオランダ西インド会社の支配下となり、首都である港町ウィレムスタットは西アフリカからの奴隷貿易の拠点になった。19世紀に奴隷制が廃止されるとキュラソー島の経済は崩壊したが、20世紀に入ってベネズエラの石油産業が急速に発展したことで息を吹き返す。そして2010年、オランダ領アンティルの解体によって、キュラソー島は単独の自治領となった。

 今日、この島を訪れる旅行者たちは、アムステルダムのロウハウス(長屋のように両隣とつながった家)を思わせるシャーベットカラーの家々が並んだハンデルスカーデ通りをそぞろ歩き、ラグジュアリーなビーチリゾートのように改装されたオランダ植民地時代の建物に泊まる。首都ウィレムスタットの中心、活気に満ちたプンダ地区の石畳の路地の近くには水上マーケットもある。ベネズエラの商人がマンゴーやメロン、ココナッツなどの農産物を卸し売りしているこのあたりは、島のなかでも最も南米らしさが感じられる場所だ。レストランが集中するピーターマアイ地区は、キュラソー島の食の中心地だ。

 ヤシの木が立ち並ぶ35カ所以上ものビーチ、65カ所のダイビングスポット、55カ国以上の文化を体現しているフレンドリーな地元の人々——。そんなキュラソー島は、カリブ海に浮かぶ島々の中でも発展著しく、しかも手つかずの自然が数多く残る島のひとつとして急速に認知度を高めている。

<STAY>

「バオアセ・ラグジュアリー・リゾート」
キュラソー島で唯一5つ星を獲得している、ビーチ沿いのバリ風リゾートホテル。ビーチの中央に波よけとして作られた人工島が穏やかなラグーンを作り、一段高くなったその周辺はトロピカルガーデンになっている。全23室の広々とした風通しのいいスイートルームとヴィラのエントランスには、砂を落として入れるよう、水を張った石造りの足洗い場が設置されている。ほとんどの客室は、庭を見渡せる屋根つきのテラスと小さなプライベートブールが完備。ビーチフロントのラグジュアリーなスイートルーム5室には、アーチ形の天井にキングサイズの天蓋つきベッド、ジャワ産の火山岩で作られた露天風呂もある。
baoase.com

画像: 「バオアセ・ラグジュアリー・リゾート」のプライベートプールを完備したヴィラ COURTESY OF BAOASE LUXURY RESORT

「バオアセ・ラグジュアリー・リゾート」のプライベートプールを完備したヴィラ
COURTESY OF BAOASE LUXURY RESORT

「アヴィラ・ビーチ・ホテル」
いくつもの時代を経てきた、キュラソー島最古のホテル。もとは英国およびオランダの総督官邸で、後に寄宿学校、民間病院として利用され、1959年にホテルとして開業した。ホテルの名は、初代オーナーがスペインの中世の街、アヴィラからとったものだ。全150室を有するリゾートホテルとなった現在も、1780年代に建てられた際のオランダ・コロニアル様式の堂々としたファサードがそのまま残る。埠頭沿いの、改装したばかりのオーシャンフロント「ブルー・ウィング」の客室からは、ホテルのプライベートビーチとラグーンが一望できる。心地よい風が通り抜けるオープンエアのレストラン「ザ・ペン」のおすすめは、キュラソーの郷土料理「ケシイェナ(スパイスで調味した肉をチーズに詰めて焼いたもの)」。
www.avilabeachhotel.com/usa

「サンタ・バーバラ・ビーチ&ゴルフ・リゾート」
2,000エーカーのサンタ・バーバラ・プランテーションの敷地内に作られた、27エーカーのラグジュアリーなリゾート。ここでは離島の隠れ家にいるような気分に浸ることができる。全350室のモダンな客室はカリブ海に面し、ピート・ダイが設計したチャンピオンシップ・ゴルフコースを備える。長い砂浜が続く海岸線には、探検してみたくなるような珍しい形の岩や洞窟も点在している。施設内でおすすめしたいのが、「アタベイ・スパ」のハーブトリートメント。キュラソー島の先住民、アラワク・インディアンに伝わる薬草療法を取り入れたヒーリング体験ができる。(その他、おすすめのスポットは?)
www.santabarbararesortcuracao.com

画像: 「サンタ・バーバラ・ビーチ&ゴルフ・リゾート」のロビー COURTESY OF THE SANTA BARBARA BEACH & GOLF RESORT

「サンタ・バーバラ・ビーチ&ゴルフ・リゾート」のロビー
COURTESY OF THE SANTA BARBARA BEACH & GOLF RESORT

SOURCE:「A Guide to Curaçao, a laid-Back Caribbean Island With Candy-Colored HousesBy T JAPAN New York Times Style Magazine BY MICHAELA TRIMBLE, TRANSLATED BY FUJIKO OKAMOTO MARCH 30, 2019

その他の記事もチェック

The New York Times Style Magazine: Japanプロフィール画像
The New York Times Style Magazine: Japan

T JAPANはファッション、美容、アート、食、旅、インタビューなど、米国版『The New York Times Style Magazine』から厳選した質の高い翻訳記事と、独自の日本版記事で構成。知的好奇心に富み、成熟したライフスタイルを求める読者のみなさまの、「こんな雑誌が欲しかった」という声におこたえする、読みごたえある上質な誌面とウェブコンテンツをお届けします。

FEATURE