『君の名前で僕を呼んで』(2017)で世界に鮮烈な印象を与えたハリウッドの革命児ティモシー・シャラメ。実話を基にした最新作の『ビューティフル・ボーイ』では、大人になる過程で自分のアイデンティティを探求しながら、薬物依存症と闘う若者の悲痛な心理を表現。あまりにダークな役だが、観客の目をスクリーンに釘付けにする演技でそのスター性を再び証明している。すでに、グレタ・ガーウィグ監督との再びのコラボ『Little Women(原題)』は撮影済みだし、本人のインスタグラムのストーリーによるとパリでウェス・アンダーソン監督作の撮影が終了したばかり。さらに、ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督の『DUNE(原題)』の撮影が開始したよう。期待作が目白押しだ。ハリウッドの未来を背負う新星に今しか聞けない俳優としての基本10問をぶつけてみた。(この独占インタビューは昨年のトロント映画祭で実現)。
──Q1.俳優としてのロールモデルは誰ですか?
「俳優に限らず、ロールモデルとして足跡を辿りたいと思っているアーティストは何人かいるけど、俳優のナンバー1は、絶対にホアキン・フェニックスだ。僕の完璧なロールモデルだよ。今度『Joker(原題)』を演じるけど、楽しみでたまらない。簡単な役じゃないけど彼なら絶対すごい演技を見せてくれるはずだから。その他だと、クリスチャン・ベールも大好きだ」。
──Q2.好きな監督は?
「1位を決めるなら、クリストファー・ノーランとポール・トーマス・アンダーソン。2人が同じくらい好きだ。『ダークナイト』(2008年)も、『パンチドランク・ラブ』(2002年)
も、『ザ・マスター』(2012 年)も大好きだから。他には、グレタ・ガーウィグの作品には一生出たいし、まだ言えないけどこれから大好きなアメリカのアート系監督とも仕事する予定だし(その後ウェス・アンダーソン監督作への出演が発表された)、『君の名前で〜』と『ビューティフル・ボーイ』を観て、ドゥニ・ヴィルヌーヴが気に入ってくれたみたいで、彼とも仕事するんだ。夢みたいだよ」。
──Q3.俳優として恐れていることはありますか?
「僕は失敗は恐れてないし、演技が上手くできないことだって絶対にあると思う。だから、下手に見えたり、失敗したりするのは全く恐れてないんだ。俳優として一番怖いのは、退屈なものになることだ。退屈なことだけはしたくない」。
──Q4.出演する作品を決めるポイントは?
「僕は、ジョシュ・モンド監督の『James White(原題)』という映画が大好きなんだけど、映画を観ているというより、ある男の旅路を観ている感じがするんだ。そういう作品に出演したいと思ってる」。
──Q5.『君の名前で〜』も、『ビューティフル・ボーイ』も父との関係が重要ですが、あなたのお父さんとの関係は?
「幸運なことに最高だよ。僕をすごくサポートしてくれているし、愛に溢れた家庭に育っているから。幸いなことに、『ビューティフル・ボーイ』のような関係性とは違うんだ」。
──Q6.NY出身ですが、あなたが好きなエリアは?
「僕は、イーストビレッジが一番好きだよ。Mud Coffieとか、Tompkins Square Bagelsとかがお気に入りなんだ。夏のNYが世界で一番好きだ」(*リリー=ローズ・デップとイーストビレッジでデートし、Mud Coffieや、Blue Ribbon Fried Chickenに一緒に行っている写真がパパラッチされている)。
photo : Backgrid/アフロ
──Q7.この作品『ビューティフル・ボーイ』も、『君の名前で〜』も、音楽が重要な役割を演じていますが、あなた自身が一番好きなミュージシャンは?
「キッド・カディ。彼が僕の最近の映画を観て気に入ってくれたみたいで、すごく嬉しかった」 (キッド・カディの誕生日をカニエ・ウェスト&キム・カーダシアン、ピーと・デビィットソンと祝っている)。
──Q8.ずばり『君の名前で〜』の続編の可能性は?
「絶対あるよ。僕は少なくともやりたいし、共演したアーミー・ハマーもやりたいと言っている。僕としては『6才のボクが、大人になるまで。』(2014年)みたいな感じで、長い期間をかけて主人公達の成長と変化を描ければいいと思うんだ」。
──Q9.いつもレッドカーペットであなたを見るのが楽しみですが、好きなデザイナーは?
「ハイダー・アッカーマンとか、ラフ・シモンズとか、それからエディ・スリマンが好き。ファッション・デザイナーというより、ロックスターだと思うから。みんなスタイリストを雇うみたいだけど、世界中のクールなデザイナーの服を着られるのに、それを選んでもらうために人にお金を払うなんて信じられない。だってそれを考えるのが一番楽しいから」。
──Q10.最後に、『君の名前で僕を呼んで』の時は、日本に来るはずが、来られなくなって残念でした。いつかぜひ来てほしいです!
「日本にはめちゃくちゃ行きたいよ。本当は『君の名前で〜』の時に、行けると思っていたんだけど、結局行けなくなって本当に残念だったんだ。本当に行きたい」。
あらすじ
実話をもとにした、フェリックス・ヴァン・ヒュルーニンゲン監督作。原作を書いたジャーナリストの父(スティーヴ・カレル)が、薬物依存になった息子(ティモシー・シャラメ)を救おうと葛藤する。息子の物語でありながら、父の思いに共感し、心引き裂かれる。
公式サイト『ビューティフル・ボーイ』2019年4月12日(金)公開
https://beautifulboy-movie.jp/
プロフィール
Timothée Chalamet(ティモシー・シャラメ) 1995年12月27日、NY生まれ。芸術学校の名門ラガーディア高校卒業。『君の名前で僕を呼んで』(2017)で大ブレイク。過去80年間における、アカデミー賞主演男優賞に最年少ノミネートされた。『ビューティフル・ボーイ』ではゴールデングローブ助演男優賞にノミネート。今後も『Little Women』『DUNE』(ともに原題)など期待作が続々。
interview&text:Akemi Nakamura Photos:© 2018 AMAZON CONTENT SERVICES LLC. ©François Duhamel
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