【森川葵、松井玲奈、百田夏菜子】たとえ大人になっても「魔法を信じてる」

長年愛されてきたアニメ作品「おジャ魔女どれみ」。ふとしたきっかけで魔女見習いとなった主人公・春風どれみを中心に、友情・愛・成長などを描いてきた。その名作の20周年記念映画『魔女見習いをさがして』が公開に。声優を務める “おジャ魔女世代”の3人と、大人の “魔法”を考えてみたい。(※5月24日現在、公開日未定)

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映画『魔女見習いをさがして』のヒロイン3人をイメージしたロマンティックなドレスを装って。

(中央)[森川葵]ドレス¥780,000・ピアス¥84,000・リボン・グローブ・靴(以上3 点参考商品)/メゾン・ディセット(アーデム)(右)[松井玲奈]ドレス¥930,000(参考価格)・ブーツ¥179,000/マーク ジェイコブスカスタマーセンター(マークジェイコブス)
(左)[百田夏菜子]ドレス¥272,000/レッドヴァレンティノ インフォメーションデスク(レッド ヴァレンティノ) イヤリング¥599,000/TASAKI 靴¥138,000/クリスチャン ルブタンジャパン(クリスチャン ルブタン)

「おジャ魔女どれみ」は大切なことを教えてくれた

ーーアニメの公開時、森川さんは3歳、松井さん7歳、百田さん4歳。まさに「おジャ魔女どれみ」世代らしく、当時から作品のファンだったというみなさん。本作への出演が決まり、改めてアニメを見直した際、幼少期とはまた違った感動を受けたそうですね。

百田 友達とのつき合い方、努力することの大切さ、夢をかなえる方法……人生で大切なことを、たくさん教えてもらっていたんだ!と知って驚きました。

松井 小さい頃、大人から「ごめんなさい」「ありがとう」と言いなさい、と教えられていたけれど、なぜ言わなければいけないのか、理解できていなかった。それらの言葉を通して信頼関係、絆を深めていくどれみちゃんたちの姿に、気持ちを表現する、本当の意味を教えてもらっていたんですよね。

森川 大人になると、そういうシンプルなコミュニケーションの価値を見失いがちに。日々、当たり前にしていることの大切さを、改めて気づかせてくれました。

百田 夢もたくさん与えてくれて……。感受性を鍛えるための英才教育と言っても過言ではないですよね!

松井 素敵な表現! 当時、掃除の時間は決まって、ホウキで空を飛ぶ自分を想像していたことを思い出しました。

森川 私もです! これ、「おジャ魔女どれみ」ファンあるあるですよね(笑)。

百田 私、クッキーを焼くときに“食べた人が幸せな気分になれますように”と魔法をかけるシーンが大好きなんです。あんな魔法が使えたらいいな〜。

松井 自分のために手作りしてくれたものって、とびきりおいしく感じますよね! それってつまり、“幸せな気分”になっているってこと。誰かを想って何かを作る、その行為そのものが魔法のようなパワーを持つんじゃないかな。

森川 おお〜! 先輩、さすがです!!

ーー3人と同じく「おジャ魔女どれみ」に夢をもらいながら成長した女性が大人になり、理想と現実の狭間で葛藤する姿を描いた本作。社会のしがらみ、自信のなさ、今あるものを失う不安などから夢を諦めるという状況は、多くの人に共通する悩みですよね。エンターテインメント業で活躍し、人々に夢を与え続けるみなさんの、夢をかなえる秘訣は?

森川 「夢は見るものではなく、かなえるもの!」と信じて行動するようにしています。よく「絶対に無理だけど……」と謙遜するフレーズを聞きますが、そういう気持ちでいたら、かなうこともかなえられない気がするんですよ。

松井 同感です! 自分の可能性を自分でつぶしてしまうのと一緒ですよね。

森川 そうなんです。だから私は、どんなにハードルが高いことでも、「私なら達成できる。達成するんだ!」と自分に言い聞かせる。そうすることで、自然と気が引き締まるんです。

百田 私の目標達成のためのルールは、必ず言葉にすること。私たちを含め、仕事って、たくさんの人の力で成り立っていると思うので。まず自分の思いを伝えたら、意見を交換しながら、全員が納得する目標を立てます。みんなでひとつのゴールに向かって努力すれば、かなえる力はより大きくなる!

森川 言霊って、絶対にありますね!

松井 私は1年の目標を100個書き出すのが、年始の恒例行事で……。

百田 ひゃ、100個!?

松井 洗い物はため込まない、とか、些細なことばかりですが(笑)。考えながら書く、という作業で、自分ができていないことが整理されたり、本当はやりたいと思っていることが明確になったりするんです。手帳に書いて時折見直すと、より意識して行動できる。年末に振り返ってみると、知らぬ間に達成できていたことがいくつもあって。来年も頑張ろう!と、モチベーションにもつながります。

百田 完成に何時間かかるんですか!?

松井 それが毎年、全然違うんですよ。すごく時間がかかると、自分は今、行き詰まってるんだな〜と自覚したり(笑)。

森川 あはは(笑)。わかります。

松井 これを思いついたきっかけが昔、「夢が見つからない」と相談した先生にいただいた、「やりたくないこと全部、書き出せ」というアドバイス。「それ以外はできることだから、その中から選んでやればいい」と言われて実践したら、芸能の仕事がしたい!という夢が見つかったんです。

森川・百田 素敵な先生ですね〜!

“仲間パワー”を大事に未来をつくりたい

ーー奇跡的な出会いを果たし、旅をともにする主人公3人。支え合いながら、最終的にはそれぞれが自らの力で成長していく様子は、現代のガールズパワーを象徴しているように感じました。ジェンダーが多様化する現代に生きるなか、どんなことを感じていますか? また、みなさんにとって理想的な社会とは?

百田 撮影のあとにスタッフの方たちと写真を選んでいると、男性と女性で写真の好みがまったく違ったりするんですよ。

森川 ですよね! 私もよく、不思議だな〜って感じています。

百田 意見交換をしていると、新しい発見や学びが得られて、とてもワクワクするんです! 夢をかなえる秘訣と一緒で……みんなが力を合わせれば、よりよいものになると信じていて。女性ならではの感性を誇りつつ、異なる意見を聞き入れ、変化を恐れない。常にそうありたいと、意識しています。

松井 女性の能力が認められることはあくまでスタートラインで、重要なのはここからなんじゃないかな、と感じます。私が抱く理想は、個々の内側をまっすぐ捉えて、「いいね!」と認め合える社会。性別や見た目の型にはまらない、広い視野をみんなが持てたときこそが、最終ゴールなんじゃないかな。

森川 “パワー” “チカラ”というと男性的なイメージを抱いていましたが、大人になって、チカラにもさまざまな形があると実感しました。「おジャ魔女どれみ」にも描かれていたように、一人ひとりが持つチカラをそれぞれに発揮できたとき、最大のエネルギーが生み出される。そんな“仲間パワー”を強めていきたいです!

ⓒ東映・東映アニメーション
ⓒ東映・東映アニメーション

『魔女見習いをさがして』自信をなくして進路に戸惑う大学生・長瀬ソラ(森川)、職場になじめず葛藤する会社員・吉月ミレ(松井)、ヒモ彼氏に振り回されるフリーター・川谷レイカ(百田)。人生に迷う3人が運命的な出会いを果たし、共通の趣味である「おジャ魔女どれみ」ゆかりの地を巡る旅へ。かけがえのない時間を過ごしながら、それぞれの未来へと踏み出す姿を描く。(2020年秋より全国公開予定/監督:佐藤順一・鎌谷悠)

「おジャ魔女」の3人に聞く Small Q & A

「おジャ魔女どれみ」にちなんで、ちょっぴりファンタジーな3つの質問を投げかけた。3人の内面が詰まったエピソードをチェック!

Q1 好きな魔法をひとつだけ手に入れられるとしたら?

Q2 自分だけのおまじない・ラッキーアイテムは?

Q3 子どもの頃に好きだった「おジャ魔女どれみ」のキャラクターは?

Aoi Morikawa

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A1 何をしても人から愛される魔法

たまに、何げなく発した言葉で、人を傷つけてしまうことがあるんです。悪気はまったくないんですが……。こんな魔法があれば、それが原因で嫌われる心配から解放されるのになぁ。

A2 “大丈夫、私ならできる! ” を連呼

バラエティ番組で、チャレンジ企画に出演したときのこと。あとあとVTRを観たら、“大丈夫、私ならできる! いけるいける!! ” って、声に出して自分に言い聞かせていたんです(笑)。そういえば緊張したり不安を感じたりすると、いつもそうやって自分を説得しているな〜と。ずっと続けていたのに、初めて自覚しました!

A3 おんぷちゃん

とにかく可愛い!! の一言。私の学校ではとくに男子からの人気が高かったんですけど、今回共演した三浦翔平さんも好きだったと聞いて、“やっぱり!!” と大興奮(笑)。

Aoi Morikawa/もりかわ あおい1995年6月17日、愛知県生まれ。2010年、『Seventeen』専属モデルに。2012年に映画『転校生』で初のヒロインを演じて以来、話題作に続々と出演。「それって!?実際どうなの課」(日本テレビ系・毎週水曜23時59分〜)にレギュラー出演するほか、『大江戸もののけ物語』(NHK-BS・毎週金曜20時〜)が7月17日よりスタート。

Rena Matsui

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A1 台本をすぐに覚えられる魔法

実は、暗記が大の苦手なんです。何度も読み直しながら覚えるタイプなので、自信を持てるまでに最低2 〜3日かかる。撮影のスケジュールが決まらなかったり、急に変更になったりするたび、不安でいっぱいに!

A2 “そのドキドキはワクワクだ!” と、自分に暗示をかける

かなりのあがり症で……とくにオーディションなどは、いやっていうほど緊張してしまうんです。何度経験しても変わらないので、これは諦めるしかないな、と(笑)。無理に直そうとする代わりに、“このドキドキは緊張じゃなくて、ワクワクしているからだ!” と考えるようにしています。それだけで、不思議と、気持ちが明るくなるんですよ。

A3 あいこちゃん

私とは真逆な、はつらつとした姿にいつも元気をもらっていました。それから、ちゃきちゃきの大阪弁! 昔、方言にとても憧れていたんです(笑)。

Rena Matsui/まつい れな1991年7月27日、愛知県生まれ。2008年デビュー。現在放送中のNHK連続テレビ小説「エール」に、ヒロインの姉・吟役として出演中。小説家としても活動、2019年に短編集『カモフラージュ』を出版。ほか「東京暇人〜TOKYO hi-IMAGINE〜」(日本テレビ系・毎週土曜1時59分〜)、「Doki Doki!NHKワールド JAPAN」(毎週日曜22時55分〜)にもレギュラー出演中。

Kanako Momota 

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A1 瞬間移動できる魔法

昔から、地元(静岡県)愛がとっても強いんです。瞬間移動ができたら、ずっと住み続けられるのになーって。ツアー中も、移動分の時間を全国各地で楽しめますし! いつかかないますように!!

A2 モツ煮込み

デビュー当時から、なぜかライブ当日は必ずモツ煮込みが用意されていて(笑)。メンバーやスタッフの方たちと一緒に食べるのが習わしなんです。とくに大好物というわけでもないのですが、今では私のパワーフードに。舞台の本番や長期間の撮影など、ここぞ!というときは欠かせません。

A3 はづきちゃん&おんぷちゃん

最初は、はづきちゃん一筋だったんです!! でも、新たに加わったおんぷちゃんの魅力にハマってしまって……。よく友達と「おジャ魔女どれみ」ごっこをしていたんですけど、誰がどのキャラクターを担当するかで雰囲気がピリつくこともしばしば。ふたり目の選択肢ができて、心にゆとりができたことをいまだに覚えています(笑)。

Kanako Momota/ももた かなこ1994年7月12日、静岡県生まれ。2008年、ももいろクローバー(現ももいろクローバーZ)のメンバーとしてデビュー。2015年、映画『幕が上がる』で女優としての才能を見いだされ、翌年のNHK連続テレビ小説「べっぴんさん」に出演を果たす。2017年、映画『かいけつゾロリ ZZのひみつ』のヒロイン役で声優に初挑戦。

Special Interview

SOURCE:SPUR 2020年6月号「たとえ大人になっても『魔法を信じてる』」
model: Aoi Morikawa, Rena Matsui, Kanako Momota photography: Sodai Yokoyama interview&text: Ayano Nakanishi prop styling: Mamoru Hinata flower arrangement: harukazeflower [Aoi Morikawa]styling: Ami Michihata hair&make-up: Takeshi Makita [Rena Matsui]styling: Shota Funahashi〈DRAGO NFRUIT〉 hair&make-up: Kumiko Shiraishi [Kanako Momota]styling: Shihomi Seki hair&make-up: CHIE〈KIND〉

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