#ミンジュンロスが起こった『きみセカ』について
――ドラマ『君と世界が終わる日に』のジェヒョンさん的、一番の見どころは?
ジェヒョン的には、すべて印象的で一番が何かは選べませんが、ミンジュンとして見ると、やっぱり7話のミンジュンが死んでしまうシーンですね。きみセカはゾンビサバイバルという特殊なドラマですが、ゾンビと闘うなかで繰り広げられるいろいろな人間関係がよく描かれています。7話はそうした仲間の温かい心が伝わるいい場面だったと思います。
それにしても、死ぬ演技はとても難しかった! ほら、僕、死んだ経験ないですから(笑)。笹野師匠(小説家の宇和島を演じた笹野高史さん)がゾンビになったシーンをよ〜く研究しながら、何度も何度も練習しましたよ。
――ミンジュンがいなくなってしまうのを惜しむ声がとても多かったですが、観る人の心に深く印象を残すことができたのは、なぜだと思いますか?
そうですね。惜しんでくださる声がおおくてびっくりしました。こんなにミンジュンを愛してくださるなんて、本当に信じられなかったです。みなさんが楽しく観てくださったんだなって、本当に感謝しています。
ミンジュンは僕と違って無口ですが、とっても温かい心を持っている青年。そこが、よかったのかなあ。響(竹内涼真さん演じる主人公)の後ろで影武者みたいにゾンビと闘いながら、みんなを守るシーンも多かったので、ミンジュンってやさしいって思ってもらえたのだと思います。
――もし、次に日本でドラマに出るとしたら、どんな役をやってみたいですか?
ゾンビにはなりたくないかも……!(笑)。『ハリー・ポッター』の大ファンなので、そんなファンタジーものもいつかやってみたいですね。
アーティストジェヒョンのスタート、ドラムは12歳から
――俳優とはまた別の顔、アーティストとしてN.FLyingではドラムを担当されてますが、もともとドラマー志望だったのですか?
実は僕、小学生のときはダンスを勉強していたんです。エンターテイメントの世界で活躍しようとか、芸能人を目指していたわけではなく、ただ踊ることが好きでした。そのころ、陸上もやっていて、ある日、その練習が終わったあとに、今の事務所のFNCエンターテインメントにキャスティングされました。そして、いきなり「あなたはドラムをやってください」と言われたんです。
僕が12歳ぐらいだったと思うのですが、当時、韓国では若い子たちの間でドラムが本当に流行っていたんです。最初に「ドラム」と言われた時は「え?」という感じだったけど、ダンスのビートを自分のドラムで作り出すのもかっこいいなと思っていたので、だったら踊る人のために僕がビートを作りましょうか、というのが始まりです。
――いちからのスタートは大変でしたよね?
ドラムは本当に難しかったです。練習をものすごくしました。大変だったけど、でも、練習をすればするほど、実力が上がっていくのが面白くて、夢中になりました。僕、努力の人なんです(笑)。だって、FNCでの練習生生活は10年ですよ! その間、練習をずっとずっとしていたわけですから。もちろん途中でスランプもありました。でも、音楽をやりたいという気持ちもあったし、何よりメンバーたちが、メンタルを含めていろいろとサポートしてくれました。それがあるから、僕は今N.Flyingのドラムをやることができていると思っています。
――N.Flyingのライブで心がけていることは?
ステージでは「僕たちが、今、世界で一番カッコいい」って思いながらパフォーマンスしています。見に来てくださっているみなさんに、一番いい思い出をつくることが僕たちの仕事ですから。だから、ステージでは僕たちが一番カッコいい! でも、ライブが終わって「お疲れさま」と言った後は、もう普通、カッコよくないです(笑)。
――そんな!ステージで最もカッコいいと思う瞬間はどんな時ですか?
毎瞬間ですね。僕自身がカッコいいって思うことはないですが、僕だけが見える景色は、本当にカッコいいです。それは、ステージの一番後ろから、メンバーたちの背中越しに、客席が見える景色。ドラムを担当している僕にしか見えない景色です。その時に「あー、僕たちは本当にカッコいい!」と思います。
客席にいるみんなの顔に気持ちが表れていて、そのひとりひとりの気持ちが伝わってくる。「あ〜、幸せだなあ」って感じる瞬間ですね。今はこういう状況で、ライブができなくて、本当に寂しい。早くライブがしたいです。
――では、ドラムと出会う前の、ジェヒョンさんの子供の頃の事を教えてください。どんな子でしたか?
おしゃべりな子です(笑)。僕、好奇心旺盛で、気になることがいっぱいあったんですよ。 例えば、ディズニーの『ジャングル・ブック』のバルーが大好きで、クマになりたいと思っていました。「母さん、母さん、僕の爪が長くなったら、バルーのように木登りできる?」って聞くと、「やってみましょうね」と言われたので、爪を伸ばしはじめました。そして「母さん、こんなに長くなったよ」と報告すると、「もっと長くしなきゃ」って。
母は、僕のおしゃべりを全部聞いてくれて、昔からやりたいことがあれば全部応援してくれます。母自身も料理研究家として、今も自分の夢のためにいろいろ努力しています。姉(ガールズグループRAINBOWの元リーダーで、現在は女優として活動しているジェギョンさん)も同じで、夢のために頑張る家族です。
――子供の頃の夢は?
弁護士(笑)。おしゃべりだった子供の頃、「僕は何になればいい?」と母さんに聞いたら、母さんは、ちょっと企んだ感じで目を細め「弁護士」って。「弁護士って何?」って聞くと、また同じように目を細めて「ず〜っと、話す人のことよって」(笑)。どういう意味か大人になってから分かりました(笑)。
――自分のどこが好きですか?
顔の中では、笑うとなくなっちゃう目。テレビの収録などでカンペを見る時にもすっごく便利です(笑)。挨拶するときは、普通に大きく目を開けて「キム・ジェヒョンです」。でも、カンペを見る時は、笑顔にしてカンニング。目線が見えなくなるので、バレません(笑)。
――N.Flyingのメンバーはジェヒョンさんにどんな印象を持っていると思いますか?
うるさい人、かな(笑)。でも、日本に来てから「ジェヒョンがいないから静かで寂しいよ」ってテレビ電話で言ってくれました。
――ステージではメイクをしますよね。そのジェヒョンさんを見て、「ドキッ!」としてまた違った魅力を発見したのですが、初めてメイクをした際はどんな感じでしたが?
15歳の頃かな。事務所で練習生の写真を撮影する時に、初めてメイクしました。鏡を見ると、別人みたいで、カッコいいと思うより怖かった。「あれ? あなた誰?」って感じで。不思議な感覚でした。
――そうなんですね。ステージなどでメイクするときに大切にしているポイントは?
肌ですね。トナーとスキンローションで肌をちゃんと整えてから、肌に合わせたファンデーションを塗ること。あとはリップ。僕は二重で、アイメイクをすると、お姉さん(ジェギョンさん)そっくりな顔が出てきてしまいますから(笑)、アイメイクはほとんどしないんです。リップは、自分に似合う色をつかうことが大事だと思っていて、僕はオレンジが好きです。今、愛用しているのはボビイ ブラウンのベアメロン。
――スキンケアで心がけていることは?
基本的にはトナーとローションとアンプル(美容液)の3つを使います。それと、毎日2リットルぐらい水を飲みます。水は本当に大事。水の中に果物を切っていれておいたものを飲むことも多いです。
――ファッション好きと聞いてますが、どんなスタイルが好きですか?
ファッションはいろんなタイプが好きです。キラキラしたものや色ものも好きですが、今回日本にくるときは黒と白のアイテムだけ持ってきました。最近、原宿のシュプリームで、紫のパンツを買いました。コーディネイトで心がけているのは色。頭から爪先まで3色以上入っているのはオーバーだなと思っているので、3色以内に押さえるようにしています。
韓国に戻ったらやりたいこと
――まもなく韓国に帰られますが、日本滞在中、プライベートで思い出深かったことは?
もう、いっぱいあります。ひとり暮らしで料理が趣味になったこともそうですが、やっぱり竹内涼真ヒョンたち日本の俳優さんと友達になれたことですね。とくに涼真ヒョンは本当によくしてくれました。僕が「日本のおすすめの食べ物屋を教えて」と聞くと、ズラーっと沢山のお店の情報をLINEで送ってくれたし、撮影現場でもいつも気にかけてくれて。言葉に表せないぐらい感謝しています。
―― 韓国に帰ったら、一番最初にやりたことは?
メンバーのフェスンさんが作ったキムチチゲを食べたい! フェスンさんとフンさんは料理が本当に上手なんです。韓国料理はフェスンさんが一番。フンさんはステーキとかお刺身も上手に作るので、本当にびっくりしますよ。カクテルも作れる。最近は、スンヒョプさんも上手になりました。得意なのはクリームスパゲティ。韓国に戻ったら。フェスンさんがキムチチゲを、スンヒョプさんがクリームスパゲティを、その後ろでフンさんがカクテルを作って、ドンソンさんはサービング(笑)。僕は食べる専門のお客さん。
――では、日本から涼真ヒョンや笹野師匠たち共演者が韓国にやってきました。みんなをどこに案内しますか?
全部連れていきたいですけど、まず、梨泰院に連れていきます。最近、日本でドラマの『梨泰院クラス』が流行っていて、共演者の方々も観ている人が多いんです。本物の梨泰院の雰囲気を一緒に味わってほしいなあと。みんな梨泰院は夜の街って思っているでしょ? でも、正直言って、梨泰院は朝がキレイなんです。朝の梨泰院のカフェやレストランに、ぜひ、連れて行きたいです。
――今後の目標を教えてください。
もう、早くライブがやりたいです。バンドなのに、ライブがやりたいっていうことっておかしい状況ですよね。早く新型コロナウィルスが終息して、ライブをやることが今の目標です。最終的には、N.Flyingのメンバーと80歳までバンドをやること。俳優としては、今回共演したみんなともう一度ドラマをやってみたいですね。それと、映画の経験がないので、映画にも出演してみたい。SFファンタジーに出ることが目標です。
――6月30日には新曲「Amnesia」が発売されるんですよね。
はい、皆さん、お待たせしました!実はこの曲は昨年7月に発売するはずだったんですが、コロナの影響で発売が延期になっちゃって……。心待ちにしていた分、発売が決まったときは本当に嬉しかったです。「Amnesia」はリーダーのスンヒョプさんが作詞作曲しました。今までのN.Flyingにない新しい雰囲気の曲になっています。あと、「Amnesia」は「記憶喪失」という意味なので、このモヤモヤする嫌な時期は忘れて、前に進むという気持ちで聴いてもらえたら嬉しいです。
――最後に、読者にメッセージをお願いします。
今回は俳優として日本にやってきましたが、本当に楽しかったです。この取材が僕の日本での最後の取材です。いろいろ思い出ができたなあと、振り返ることができて、楽しかったです。ありがとうございました。
コロナが終息したら、僕たちN.Flyingが、日本で必ずライブをやりますから、ぜひ、観に来てください。それまでは、寂しいかもしれませんが、「Amnesia」が発売されますので、それを聴きながら、もう少し待っていてください。また、お会いしましょう!
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photos:FNC ENTERTAINMENT JAPAN