A 最初に台本を読んだ段階では、伏線も多いし、謎がちりばめられていて難しいなと感じました。完成したアニメーションからは、伝わってくる情報量が多く、すっと頭に入ってきました。生きている上で直面する悩み、喜びが描かれた普遍的なシーンが多くて、きっとみなさんも共感してくれるんじゃないかと思います。
Q2 花江さんが演じる小戸川はどんな役ですか?
A これまでに全然やったことのない役。41歳という設定だったので、彼の見た目に寄せて声を太く、低くして役作りをしたのですが、監督からいつもと変えなくていいよと言われて。小戸川ってちょっと少年っぽい面もあるので、地声を生かしつつちょっと低めにするぐらいに設定しました。彼は不器用だけど無邪気さや純粋さが裏にあって、その二面性が面白いんです。
Q3 花江さんと小戸川の共通点は?
A 僕、結構日常生活ではボソボソとしゃべることが多いんです。実はできるだけ外に出たくないし、人と話さなくてもストレスにならない。そういうところは僕と似てますね。小戸川ほどではないけれど、共感できる部分もあります。「オッドタクシー」の作中で一番自分と似てるなと思うのは柿花かな。彼はお調子者だったり、騙されやすかったり、人間くさいところがいい。
Q4 花江さんがタクシードライバーだったらどんなタイプ?
A 僕も運転するんですが、抜け道とか裏道とかを結構調べるタイプ。もしドライバーになるなら、そういう知識を駆使してお客さまから「こいつやるな」って思われる人になりたい!
A 主役といってもいろいろなタイプのキャラクターがいます。熱血系が流は行やると次はクール系、その次は3枚目系と移り変わっていく。ファッションと同じでトレンドがあるんです。僕は基本的に自分にできるものだけに集中している感じです。自分に合った声で勝負できるところを探したい。主役を演じる上で自分に何が求められているのかを考えると、難しいですが"アニメすぎない" ところかな? 役としての自分がいて、その場所で本当に生きているように演じていることかもしれません。呼吸を例にすると、たとえしゃべっていない時間も息はしていますよね。そういう体の状態や声にならない感情の揺れ動きも含めて演じられたらいいなと思うんです。どちらかというと実写に近い作品に起用されることが多い気がしていますね。
A あんまりないです。監督やディレクターからOKが出たら、OKだと捉えています。少し声がかすれたりもしますが、キャラクターに合っていればいいのかなと。自分から発した声の響きって、頭蓋骨を通って聞こえているので、マイクを通ったときにまた変わるんですよね。だから、あまり自分の感じ方に固執しないんです。
Q10 「オー!マイ・ボス!恋は別冊で」で俳優に本格挑戦。またやりたい?
A やはり俳優さんはすごいです。そして改めて本業の声優って楽しいなと。俳優は求められればやりたいですが難しいので自分から積極的に、という感じにはならないです(笑)。
Q11 YouTubeでのゲーム実況配信も大人気ですね。SPUR読者におすすめしたいゲームは?
A パズル要素もあるアクションアドベンチャーゲーム「GRIS」ですね。Nintendo Switchなどでプレイできます。映像がとてもきれいで、どのステージをとっても芸術作品を見ているような気持ちに。ファッション雑誌をめくっていくような感覚なんですよ。あとは個人的にはホラーゲームが大好き。ジェットコースターに乗るようなスリルというか、非日常感にワクワクします。ホラー漫画も好きで、伊藤潤二先生や楳図かずお先生のファンです。
Q12 最近の趣味、やってみたいことは?
A 旅行になかなか行けない日々ですよね。サウナが好きなので、全国のサウナを巡る旅がしたい。確か長野に、湖の近くのサウナ小屋があって、雪が積もっていると水風呂の代わりにその中に飛び込めるところがあるんです! 自由に旅できるようになったら、真っ先に行きたい。