2020年10月にデビューした6人組HIP HOPダンスグループ、P1Harmony。ハイスキルなパフォーマンスと、メンバー自身も制作に携わる楽曲は、多くの人を虜にしている。「世界にいい影響を届けたい」と語る姿は、次世代の希望そのもの。レトロ・スタイルに身を包んだ彼らの、パーソナリティや価値観に共振したい
THEO
ピンクの髪色とハードなスタッズのコントラストが印象的なテオさんは、2001年7月1日生まれ、韓国出身。趣味は釣りとバレーボール。包み込むようにソフトなのに少しだけハスキーさが混じる歌声と、はにかむような笑顔で人々を魅了するボーカル担当だ。穏やかなムードの彼は、現在生き物のお世話に夢中。
「今は目が覚めたらまずシーモンキーやひまわりの面倒を見ています」。趣味のひとつである釣りについては、「5~8月がシーズンなんですが、今年は仕事とかぶったので一度も行けていませんね。だから釣果ゼロ……って、実は始めてから一度も釣れてないんですけど」。今後に期待!
ジャケット¥1,760,000/ボッテガ・ヴェネタ ジャパン(ボッテガ・ヴェネタ) リング/PORTRAIT REPORT ピアス/本人私物 シャツ/スタイリスト私物
INTAK
2003年8月31日生まれ、韓国出身のインタクさんはラップ、ダンス担当。多くの楽曲の作詞にも携わり、キレのあるトークも魅力のひとつ。サッカーが得意で、趣味はショッピング。今回、ロマンティックなブラウスを着こなす彼のファッションへの関心は、日々高まっているそう。
「今日の撮影はスタイリングもメイクアップも独特でとても楽しかったです。最近はストリートやレトロ、ヴィンテージなスタイルが好きで、普段からよく着ています」。性格は一点集中タイプだという。「買い物に出かけるときは一日がかりで。食事をする時間がもったいないので、外出前にしっかりと食べてから行くんです」。
ブラウス¥176,000・パンツ¥104,500/グッチ ジャパン(グッチ) 帽子/Brown Hat 靴/Humant
(右)JIUNG
2001年10月7日生まれ、韓国出身。ラップ、ダンス担当のジウンさん。ノスタルジックなモチーフのコートを着こなした。趣味はアニメ鑑賞でインドア派と思いきや、マーシャルアーツもこなす武闘派の一面も。さらに家事もお手のものという、多才なメンバーだ。「自分の武器は、目標に向かって慎重にベストを尽くすこと。そのため最近はずっと忙しくて、ほとんどアニメを観られていません。最近覚えた日本語も"翼"と"村"くらいしかなくて」。なぜそのワードチョイスなのかはさておき、好物のタピオカミルクティーについても聞くと「好きな飲み方は、氷を少々。味をじゃましない程度に入れます」というこだわりも。
コート・パンツ・靴(すべて参考商品)/グッチ ジャパン(グッチ) シャツ/WORKSOUT ピアス/本人私物 ソックス/スタイリスト私物
(左)JONGSEOB
2005年11月19日生まれ、韓国出身のジョンソプさん。担当はラップとダンス。趣味は作詞・作曲、読書、サイクリング。韓国のオーディション番組「K-POP STAR6」の最年少優勝者であり、末っ子メンバーでもある。15歳とは思えない実力の持ち主だ。今回は、ストライプの開襟シャツに、フロントにひねりを施したベストやチャーミングなバッグをオン。
「年齢的にレザー素材などはまだ自分では着こなしが難しいと思うんですが、いつか挑戦してみたいです。今日の撮影のおかげでレトロなテイストにも関心を持ち始めました。小さな趣味が増えそうでうれしいです」。
好きだという読書については「忙しくて全然読めていなくて。その代わり、空き時間に映画を観ています」。
ベスト・シャツ/ANCHOVI パンツ/Eponym バッグ/STU 靴/SO.U:LESURES
(右)KEEHO
ギホさんは2001年9月27日生まれ。カナダ出身のため、英語も堪能。ボーカルを担当している。趣味は写真を撮ること。頭脳明晰、ポジティブ思考で5人を牽引する、頼れるリーダー。端正なスーツスタイルにピンクを差した装いは、グループきってのファッショニスタにもぴったり。
「1960年代や70年代の音楽や服、家具、特にインテリアが好きですね。今日の衣装もそんなムードを感じます」。
リーダーの面倒見のよさはソウルさんにも発揮。「たくさんハグしてあげています。でも彼はくすぐったがりなので、僕から先にしようとすると避けるんですよね。なので、いつも抱きつくのはソウルから。彼自身喜んでいると思います(笑)」。
ジャケット¥297,000・パンツ¥110,000/ボッテガ・ヴェネタ ジャパン(ボッテガ・ヴェネタ) シャツ/ADEKUVER(RIER) ピアス/本人私物
(左)SOUL
2005年2月1日生まれ。唯一の日本出身メンバーとして活躍するソウルさんは、ダンス担当。フリースタイルも華麗に踊る。シックな風合いのセットアップを選び、胸元のネックレスをアクセントに。趣味はゲームとスニーカー集め。こだわりが強く、ファッション・マイルールが3つも!
「1、スニーカーはNIKEのジョーダンしか履かない。2、常にスカルの指輪4個と腕輪を身につける。3、スキニーのジーンズを裏返してはく」。
ギホさんとの仲のよさも評判。「ずっとくっついています。寮の部屋が違うので寝るときは離れていますが(笑)、いなかったら探す。僕からくっつきに行くんですよ。メンバーの中で一番最初に挨拶したのがギホさんだったから、刷り込まれたのかもしれないです、ひな鳥みたいに」。
ジャケット・パンツ/FROM ARLES シャツ¥34,100/sulvam ネックレス/PORTRAIT REPORT
P1Harmonyは未来を救う
韓国、日本、カナダ出身の6人組による多国籍HIP HOPダンスグループ、P1Harmony。平均年齢18歳。若い世代を中心に多くの支持を得ている彼らの素顔とは?
曲作りのインスピレーションは日常の中から得ている
今、多くの話題をさらっている6人組、P1Harmony。2020年10月に主演映画『P1H:新しい世界の始まり』が公開。さらに1stミニアルバム『DISHARMONY:STAND OUT』をリリースし、Wデビューを果たした話題の新人グループだ。映画で描かれた“混沌とした世界に差すひとすじの希望”という世界観を軸に、メンバーも楽曲制作に携わっている。2ndミニアルバム『DISHARMONY: BREAK OUT』のタイトル曲「Scared」では、不平等な枠組みから抜け出せずにいる人々に「自分を信じ、恐れずに声を出そう」というメッセージを届け、多様な人の心に深く語りかけた。社会の理不尽や格差、パンデミック……。不安ばかりの現実に対する若者の叫びを言語化し、心揺さぶるメロディと躍動するダンスで創り出す彼らのハーモニーとは? さっそく、曲作りの秘密をたずねてみた。
テオ いつもニュースを見て、世の中の動きを気にするようにしています。特に(カナダ出身の)ギホさんは英語が堪能。世界の動きに詳しいので、教えてもらっていますね。
ギホ より多くの人々に共感してもらえる詞を作るために、みんなが何をどんなふうに思っているのか普段から探っているんです。最近のニュースを見ていると、さまざまなアウトレット(はけ口)が多いんじゃないかと。そういうところを密かにチェックして、曲作りの参考にしたりも。あとは常に、いろんな音楽を聴いていますね。
インタク 僕の場合は日常の些細なものの中からインスピレーションを見つけます。たとえば、道を歩いているときに見つけた美しい木について歌詞を書くとか。ヒントはいつも、すぐそばにあるんです。
――6人全員が作詞&作曲に参加した「If You Call Me」も心に刺さる。“思いやることがバカだというなら、僕はバカのまま生きる”と、語りかけるように歌うメンバーの声はやさしい。
テオ みんなで話し合って、徹夜しながら作った曲です。社会でよくないことが起きても、助け合いながら乗り越えていこう、というメッセージを込めています。
ジョンソプ 各自書いたメロディを持ち寄って、みんなで歌ってみながら作った曲。僕が書いたメロディを兄さんたちが気に入ってくれて、このイントロになりました。
ジウン 僕たちがメロディを最初から最後まで作った初めての曲なので、愛着があります。サビ直前に集中的に本当に伝えたいメッセージを込めました。そこにリンクするラップは曲全体にちりばめています。でき上がるまでが本当に大変でした。
インタク “僕は愛のパンを大きく膨らませる”という歌詞があるのですが、僕が子どもの頃、韓国には“愛のパン”募金箱(現在も存続)があったのを思い出して歌詞にしました。P1ece(彼らのファンの総称)が「愛のパンって何?」と気になっているようだったので、今ここで解き明かしてみました。
ソウル “バカみたいに生きる”というフレーズは、デビュー前にみんなでモンゴルへ行ったとき、現地の医者の先生に「バカみたいに生きるのが一番いい」って言われた経験をヒントにして生まれました。6人の思い出が、この曲の中で生きてます。
ギホ 当初、イメージが全然決まらなくて悩んでいたんです。そしたらインタクが「迷路のような詞にしたい」「“バカ”という言葉をいい意味で使いたい」と言い出して。そういえば、モンゴルで会った先生が「バカはいいものだよ」と言っていたことを思い出し、そこからは水が流れるように順調に進みました。
6人6様の個性と考えが共鳴して生まれるハーモニー
――こう見えて平均年齢18歳(!)。6人の個性について、インタクさんが語ってくれた。
インタク ギホさんは、どんなことがあっても挫折せず、いつも「僕が最高だ」という強さがあって、それがカッコいい。テオさんは切り替え上手でクール。ジウンさんは、あらゆる物事を分析し、慎重に動く人。一歩立ち止まる大切さを教えてくれます。末っ子のジョンソプは、わからないことがあれば、すぐに調べて自分の知識にする。ソウルははっきりとした自分の世界を持っている。ダンスだけじゃなくてファッションでも、「これが僕のスタイル」とブレないのがすごい。僕も、自分が信じたことに突き進むタイプですね。
ジウン 6人6様の個性と考えが集まって、よりカッコいいハーモニーが奏でられる。それがこのグループの魅力です。
ギホ グループの名前の由来がまさにそれです。6人が集まり、そこにもうひとつ何かが加わり、さらに素敵な結果が生まれる。
――何もかも不透明な現代において、聴く人の心を鮮やかに染め上げているP1Harmonyだが、実はデビューしてから、わずか10カ月。彼らの印象に残っている出来事は何だろう。
ジョンソプ KCONに出演したことです。朝から準備が本当に大変でしたけど、ステージで歌って踊ってみたら、とても楽しくて。今、振り返ってみると大変さの先に楽しいことが待っていた、そんな10カ月でした。
インタク 『DAZED』というカルチャー誌の撮影をしたんですが、雑誌とコラボレーションして、服やダンスの振り付けを作るコンテンツもできて、楽しかったです。
ジウン 7月にオンラインで2度目のファンミーティングを行なったんですが、ラップとダンスを組み合わせたパフォーマンスを披露できたことが、本当によかったです。早く、P1eceとリアルで対面できる日がくれば……(日本語で)「すごく、会いたいです」。
世の中や音楽、文化を大きく変える存在になりたい
――走り出したばかりのP1Harmonyが目指す、理想の姿とは何だろうか。
ジウン 失敗を恐れずに、ありのままの自分自身を表現するアーティストになりたいです。
テオ たくさんの人に、いい影響力を届けられるように頑張りたいですね。
ソウル 個人的にはフリーダンスが好きなので、世界に通用するフリーダンスをしたい。
ギホ 僕たちの伝えたいメッセージ=音楽をずっとずっと続けていきたいです。
インタク 誰かの夢になることが目標だと思ってます。僕のあこがれでもあるマイケル・ジャクソンが、ひとりの活動によって、ひとつの文化を形成したということがすごく衝撃的だったし、刺激を受けました。僕らによって、世の中、音楽、文化が変わることって、すごく素敵なことだと思いませんか?
――最後に日本の読者へメッセージを。
インタク 夢を届けられるようなグループになれるように成長します。世の中がよくなったら、日本のみなさんに必ず会いに行きます。
ソウル そのときは、みんなで一緒に楽しく遊びましょう。期待して待っててください!
P1Harmony
ピーワンハーモニー●2020年、スクリーン&CDでWデビュー。グループ名には"グループ"と未知の"1つ"が加えられ、さまざまなハーモニーを織りなす無限の可能性を持つ人たちという意味が込められている。ラップメイキングを含むほとんどの曲でメンバーが作詞に参加しているのも特徴的。所属事務所の先輩には、FTISLANDとCNBLUE、N.Flying、SF9などがいる。
SOURCE:SPUR 2021年10月号「新世代のクリエーションを堪能。P1Harmonyに共鳴する」
model: Theo, Intak, Jiung, Jongseob, Keeho, Soul photography: Dukhwa Jang styling: Pillsung Lee hair: Bora Choi 〈Overmars〉 make-up: Ah-reum Han 〈Overmars〉 interview & text: Kaoru Nakagawa coordination: Shinhae Song 〈TANO International〉
SPECIAL MOVIE Teaser
こちらでは、撮影中のビハインドザシーンを収めたスペシャル動画を用意。メンバーの皆さんの表現力に圧倒された撮影の様子を、ぜひご覧ください!
INTERVIEW MOVIE
またSPUR TVでは撮影を終えたばかりの6人を直撃。スペシャルインタビューを同時にお届けします。メンバー同士の掛け合いやリラックスした表情や、貴重なQ&Aもお見逃しなく。