期待を超えるガールズエンパワメントムービー『ビルド・ア・ガール』! ビーニー・フェルドスタインも憧れるヒロイン、ジョアンナは「みんなのインスピレーション源」

『ブリジット・ジョーンズの日記』、『キューティ・ブロンド』、『プラダを着た悪魔』など、これまで女性のエンパワメントを高めるキャラクターを多数生み出してきたハリウッド。

差別やステレオタイプがはびこる社会でもがきながらも信念を貫き、自分らしく輝く道を見つけ出す彼女たちの姿は、世界中の女性たちに勇気と笑顔をもたらしてきた。そして、10月22日に公開される映画『ビルド・ア・ガール』で、時代に刻まれるだろう名キャラクターが誕生した。

©MONUMENTAL PICTURES, TANGO PRODUCTIONS, LLC,CHANNEL FOUR TELEVISION CORPORATION, 2019
© Monumental Pictures, Tango Productions, LLC, Channel Four Television Corporation, 2019

その名はジョアンナ・モリガン。イギリス郊外に家族7人で暮らす彼女は、類まれなる想像力と文才を誇る16歳の高校生だ。貧しくも優しい両親や兄弟に囲まれ、底なしの明るさを放つジョアンナだが、高校では浮いた存在。あふれる表現欲求や自己実現を持て余し悶々とした日々を送るなか、兄クリッシーの勧めで音楽情報誌のライターに応募するところから、ジョアンナの日常が大きく変わりはじまる。

表現欲求と自己実現を満たすべく、音楽ライターに

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ロック・スター、ジョン・カイトを演じるのは、『ジョジョ・ラビット』などで知られるアルフィー・アレン。© Monumental Pictures, Tango Productions, LLC, Channel Four Television Corporation, 2019

見事仕事を手にしたジョアンナは髪を赤く染め、奇抜でセクシーなファッションに身を包み、音楽ライター“ドリー・ワイルド”へと大変身! その才能を開花させてロック・スター、ジョン・カイトのインタビューを任されるも、恋心から冷静な記事を書けず失職の危機に陥る。 

失敗を挽回すべく“いい子キャラ”を捨てて、辛口批評家として邁進するドリー・ワイルドことジョアンナ。毒舌記事が大受けし、売れっ子ライターへと成長。地位と名声、お金を手に入れるものの、次第に自分の心を見失い、愛する人々を傷つけていく……。ストーリーはビーニーの演技でどんどん引きこまれ、怒りあり、笑いあり、時に熱い思いや涙へと展開する。


ハリウッドが誇る若手演技派俳優のビーニーにインタビュー

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ビーニーが演じてきた役には、ある共通点がある。それは、自らの意見を恐れず口にする強さを持っていること。単独初の主演映画となった『ビルド・ア・ガール』では、ビーニー史上もっともパワフルなヒロイン、ジョアンナを熱演。本作、そしてジョアンナというキャラクターを通じて伝えたいことは? 日本公開に向けて、リモートインタビューが実現!

ジョアンナの「伝えるスキル」は、私も学びたいくらい!

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—— 型にはめようとする教師、女性を蔑視する男性、向き合ってくれない母親、批判を面白がる社会。16歳の少女にとっては太刀打ちできない、大きすぎる問題に直面しても、決して黙って諦めることのないジョアンナ。

とくに、音楽誌で働く男性たちが自分の悪口を言っている場面を偶然目撃した際、自らその場に向かい、的確な言葉で反撃するシーンが印象的でした。自らの言葉で想いや怒りを伝えられる彼女の強さは、どこから来るのでしょうか?

感じたことを瞬時に、とてもクリアに伝えるジョアンナのスキルは、私も見習いたいくらい! そしてそのスキルこそが、彼女の強さの源だと思う。ジョアンナは親友と呼べる存在がいなくて、部屋の壁“GOD WALL(神の壁)”に飾った哲学者や作家、アーティストたちの写真に向かって語りかけるのが日課。それをするなかで、自分の気持ちを突き詰めて考えて、表現するスキルを身につけたんじゃないかな。何も言い返さない相手だから、悪びれずに自分の気持ちを言えるしね。

両親はそれぞれ自分のことで精一杯だし、教師からも飽きられている。自分自身の力で学び、聡明さを身につけたことにプライドを持っていて、そのプライドを守ることが強さにつながっているとも感じた。それが最も顕著に表れているのが、年上の男性たちに刃向かうシーン。守るべきもののために戦う姿はすごく勇敢で、インスピレーションをもらえるはず!

自他共に認めるミュージカルオタク

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—— ジョアンナが“GOD WALL(神の壁)”と呼び、語りかけていた壁には、ジェイン・オースティン、『若草物語』のジョー、ジークムント・フロイト、エリザベス・テイラーなどの顔ぶれが。とびきりピュアな心を持つのと同時に性に開放的で、子育てに奔走 して自分の人生を楽しめていない母親に対する疑問を持ち、自分の人生を自分でどうにか切り開きたいともがく、彼女の人となりを理解するのにとても重要な人々でした。

ご自身の部屋に“GOD WALL”を作るとしたら誰を飾りますか? 3人選んでください!

3人に絞るなんて難しいな……。よし、1人目はキャロル・キング! 両親が大ファンで、小さい頃からよく聞いていたの。キャロルとジェームス・テイラーは、ミュージカルを観るのも演じるのも大好きな私が、音楽を通して自己表現する方法を学んだ存在。ふたりはよくコラボレートしていたから、ひとりにカウントしていいよね?(笑)

ミュージカルオタクとして外せないのが、スティーヴン・ソンドハイム。演者として、彼ほどワクワクさせてくれる作曲家&作詞家はいない! 3人目はサンドラ・オーね。彼女は素晴らしく聡明で、全ての作品で演技から知性が溢れ出ている。大ファンなの。

Photos:Getty Images

 

作品選びのポイントは社会にいいことを発信できるかどうか

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—— サンドラ・オーを表現した言葉はまさに、本作品でビーニーさんに抱いた印象でした。エネルギッシュで抜群の行動力を持ち、自信に満ち溢れたオーラを醸し出すジョアンナ。同時に、その言葉や、ふと垣間見せる繊細さや思慮深さから知性が感じられ、観る人をより引きつけ親近感を与えているように感じます。

本作では格差や性差別、ルッキズム、ステレオタイプなど、さまざまな問題を取りあげていますが、それらを悲観的にではなくコミカルに対処するところが新鮮でした。また、社会を変えようとするのではなく、自分が変わることで人生、そして社会を良くしようとするジョアンナの姿勢は、新しい時代のヒロインの象徴とも言えるように思います。役や作品は、どのように選んでいるのでしょう? 

すごく嬉しい! 子供の頃から勉強が大好きだったから、演劇に専念せず大学に進学したの。専攻は社会学で、間違いなく人生でもっとも熱心に勉強した4年間。その経験と知識が今の私を形成して、脚本選びにも影響していると思う。

ミクロのレベルでいうと、自分が感動するか、心を動かされるか。マクロのレベルでいうと、社会にとっていいこと、あるいは重要なことを発信できるかどうか。例えば本作なら、作品を観た人に勇気を与えられると感じた。ひとりでもエンパワメントすることができたら、それだけで素晴らしいこと! その積み重ねが、大きな変化につながると信じているから。

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© Monumental Pictures, Tango Productions, LLC, Channel Four Television Corporation, 2019

『ビルド・ア・ガール』 10月22日(金)新宿武蔵野館ほか全国ロードショー

公式サイト:buildagirl.jp

配給:ポニーキャニオン、フラッグ

もっと知りたいビーニー・フェルドスタイン!『レディ・バード』の好演が目に止まり大抜擢!

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Photo : Getty Images

19世紀の古典文学に心酔する無垢な女子高生が、ド派手で毒舌な音楽ライターへと変身する『ビルド・ア・ガール』。そんなヒロインをイギリス中探し回っていたキャスティング・ディレクターの目に止まったのが、ビーニー・フェルドスタイン(28)。当時公開中だった映画『レディ・バード』(2017)で主人公シアーシャ・ローナン(27)の親友役を演じていた。キャスティングされた当初は24歳。大学を卒業後、役者としてのキャリアを歩み始めた若手俳優の大抜擢となった。

映画『ブックスマート 高校前夜のパーティーデビュー』でブレイク!

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Photo : Getty Images

『レディ・バード』で全米映画俳優組合賞をはじめとする数々の賞にノミネートされ、2020年に日本で公開された青春コメディ映画『ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー』の主役を手に。ゴールデングローブ賞で最優秀主演女優賞にノミネートされるなど高い評価を得て、実力派若手俳優の地位を不動のものにする。今後はドラマ『アメリカン・クライム・ストーリー』のシーズン3でクリントン元大統領の不倫スキャンダルでマスコミから注目を浴びたモニカ・ルインスキー役を、また、2022年にはミュージカル『ファニー・ガール』で主演を務めることが決まっている。



text : Ayano Nakanishi

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