家に迎え入れたい愉快なともだち
(椅子の上)台湾からやってきた謎の軟体動物。胴体よりもはるかに長い両腕で、ぎゅっと抱きしめてくれるやさしい子。心地よい脱力感満載のいでたちは、癒やしそのもの。クリスタルでできたつぶらな瞳の中には、謎に包まれた彼女のルーツを彷彿させるシーンが映り込んでいる。出生届が記された読みごたえたっぷりのZINEと仲間を写したステッカー、さらに毛並みを整えるヘアブラシつき。ぬいぐるみ「little huggiey」〈H26〉$80/Nhozagri
(テーブルの上)今にも話し出しそうな愛嬌たっぷりチューリップたち。葉っぱを広げる姿は、まるでダンスをしているかのよう。ぱっちりした大きな目が、おとぎ話の世界へと誘う。艶やかな姿に心を潤ませて、ゆっくりティータイムを楽しむのはいかが?ティーポット「フラワーティーポット」〈H25〉¥50,000・カップ「フラワーベイビーズ」〈H15〉各¥12,000/ancco
(椅子の下)花柄の毛布で包まれたのは、日本人にはおなじみのモチーフ。美しいフォルムが部屋の一角でオーラを放つ。ふわふわの素材に触れれば、心にぬくもりが生まれる。 オブジェ「埴輪(馬)」〈H20〉¥38,000/江頭誠 テーブル¥49,500・チェア¥198,000/YOU ARE WELCOME
(左)モノクロながら、どこか温かいストーリーを感じる陶器製オブジェ。メキシコの民芸品である生命の樹にヒントを得て作られた。輪の中央に腰掛けた、メキシコのソンブレロ帽子を被った犬のひょうきんな表情には、誰しも心奪われるはず。ハンドペイントのやさしいタッチも愛おしい。玄関や飾り棚に置いて、フォークロアなムードを楽しんで。オブジェ「TREE OF LIFE」〈H24〉¥77,000/オカタオカ
(右)縄文時代から現代に蘇った土器の女の子、その名も「DOKI子」。ポップな髪型と着色に使われたパステルカラーは土器の概念を覆す可愛らしさ。縄文時代から弥生時代に行われていた窯を使わない野焼きという焼成法で一点一点ハンドメイドで作られた本格派。ところどころに見られる焼きムラや黒斑も味わい深い。歴史の流れに想いを馳せて空想の旅に出てみよう。オブジェ「DOKI子」〈H23〉¥30,800/DOKI MIZUHO
全身が乳房でできており、大きな尻尾には乳首がついている「みかどちゃん」。古墳時代に見られた髪型をしていることから命名。点状の目とまるく開いた口という驚いた表情と、体長1mを超える大きなボディのギャップがチャーミング。真っ白で曖昧な輪郭は、言葉ではなく感覚的な世界を広げたいという作家・伊藤彩の願いが込められている。オブジェ「Mikado-chan2017」〈H107.5〉¥660,000/小山登美夫ギャラリー
作家の愛がこもったオブジェたち
1 マットな質感と落ち着いた配色が印象的な澄まし顔の人魚コンビ。banryokuのシックな作風は、大人っぽいインテリアに難なくマッチ。置き方によって、人魚たちの関係性が変わるのも目に楽しい。オブジェ「マーメイド張子」〈H16〉各¥9,900/フーコ
2 椎猫白魚作品の特徴である、つぶらな瞳を持った妖精たち。野花をさしてデスクに置けば、リモートワークの健気な応援団に。花器「ランの妖精のフラワーベース」〈H9.5 〉¥6,700 ・「いのりくんの小さなフラワーベース」〈H4 〉¥2,860 /椎猫白魚
3 ノスタルジックなルックスで童心に帰って愛でたい、作家かとうゆいによる雑貨ブランドkosokosoの花と花瓶。ベッドサイドにさりげなく置きたい。オブジェ「じょうぶなしょくぶつ」オレンジ〈H8.5〉・白波柄〈H8〉・グリーン〈H8.7〉・ビーズ〈H9.7〉各¥5,500/kosokoso
4 アーティストRISAによるOLGA—goosecandle—のキャンドルで目を奪われるのは、繊細な表情の表現と細やかな作り込み。ピーナッツのカップルをセット置きにしたら、友達の蝶々を添えて。スモールワールドを存分に堪能しよう。キャンドル「peanuts andy」〈H2.5〉¥1,980・「peanuts lucy」〈H5.5〉¥1,980・「butterfly」〈H5〉¥3,300/OLGA—goosecandle—
5 光と影で異なる印象を残す、無彩色の陶器作品。人が抱き合ったような抽象的なフォルムは、心の深部にまで届くヒーリング効果あり。オブジェ「寄り添う」〈H9.5〉¥45,000/mai akashi
6 デンマークの首都、コペンハーゲン発のデザインスタジオが展開するガラス製モンスターは、集めたくなる手のひらサイズ。ドラゴンフルーツから着想を得た色のハーモニーが美しい。オブジェ「Crystal Blob Dragonfruit Twist」〈H9〉¥5,500/Studio Arhoj
7 神秘的な表情の花鹿は、村田言恵が幼少期より憧れている古来の伝説に登場する生き物。見てよし触れてよしの陶磁は、豊かな美意識を培える。オブジェ「花鹿」〈H11.5〉¥17,600/ArtShop月映
8 一見ポップでハッピーな作品だけど、どこか哲学的なメッセージを感じさせる虹と足跡。ブックシェルフに置いて知的なユーモアを。オブジェ「虹を見た汚い足跡」〈H8〉¥38,500/丸山太郎
9 幻想的な色のグラデーションと有機的な凹凸は月面のよう。ミクロな世界への憧憬を表現したアーティストHiraparr Wilsonの作品は、壁かけにぴったり。オブジェ「Powder21’ -04」〈H27〉¥50,000/Hiraparr Wilson
心をときほぐすぬいぐるみ
1 0 アーティストWAN_TANによるダイス柄のタコ。長く伸びた足は、室内の高い所から垂らして。ぬいぐるみ(以下同)「OQT」〈H50〉¥20,000
1 1 抜群の発色で、顔だけ毛足の長い生き物。グラフィカルな体は今にも動き出しそうな躍動感。「兎鰻」〈H26〉¥17,000/WAN_TAN
1 2 アーティスト松尾由貴が、ラフに再現した食べ物風のぬいぐるみはディテールがシュール。ハンドクラフトの抜け感を活かしてディスプレイして。「Pretzel」〈H20〉¥8,140・「Smoke Salami」〈H27〉¥5,390・「Weisswurst」〈H40〉¥5,170/NICK WHITE
1 3 毛糸を使ったぬいぐるみ作家のKAHOによるコアラは、高く掲げた笹の葉と耳の毛並みが見どころ。動物の特徴を捉えた作り込みは毛糸だと忘れるほど。窓際に置いてリアルとフェイクを行き来して。「毛糸仲間」〈H28〉¥8,800/KAHO
1 4 クリエイターの「gyunyuya」が手がける猫は、ヴィンテージ風の味わい深い顔立ち。ブチ柄の顔とカラフルな体のちぐはぐ感がファッショナブル。「SWADDLE CAT」〈H22〉各¥18,700/gyunyuya
1 5 一方は頭が渦巻き、一方はつま先立ち。へんてこさとポップな色合いは、インテリアの主役に。「many’ s shopのマーニー達」イエローノミボーイ〈H9〉¥6,500・グレーツノマーニー〈H18〉¥10,500/KASUMI OOMINE
1 6 一点を見つめる黒目がミステリアスなテディベア。発光するほど真っ白で、空間の中で異彩を放つ。LINEスタンプも人気。「くまきち」〈H18〉¥3,800/雷鳥つめ
1 7 英国のブランドCOSYは、風合いとフォルムが再現性高め。家に赤ちゃんパンダがいるかのような気分に。「Baby Alpaca Fur Doll」〈H15〉¥9,790/ZUTTO テーブル¥53,900・チェア¥132,000・切り株テーブル¥49,500/DEMOD
※$1=約113円です。(2021年12月3日現在)。 SOURCE:SPUR 2022年2月号「ゆるかわアートとぬいぐるみ」 photography: Go Itami styling: Mayu Yauchi text: Aika Kawada