それはまるで"食べるジュエリー"。宝石パフェ・ガイド

旬の果実の鮮やかさと、ジェラートやクリームが描く美しく複雑な層。グラスのなかで輝く様子は、さながらジュエリーがぎっしりと詰まった宝石箱のよう。めくるめくパフェの世界を、パフェ評論家の斧屋さんがナビゲート
※この特集中に掲載されているメニューはすべて提供予定のものになります。季節により変更する可能性があります。

斧屋
パフェ評論家。パフェの魅力を多くの人に伝えるために、多方面で活動中。著書に『パフェが一番エラい。』(ホーム社)、『東京パフェ学』(文化出版局)、『パフェ本』(小学館)。

PÂTISSERIE ASAKO IWAYANAGI

それはまるで"食べるジュエリー"。宝石パの画像_1
「パルフェビジュー® フレーズ」ドリンクつき¥6,050(予定価格・提供予定期間2月17日~3月末)

「パルフェビジュー フレーズ」

服飾的な美しさと、斬新な構成が人気のスイーツの名店から、「黒イチゴ」を使用した春の新作が登場。季節の野菜ウドを合わせ、バルサミコ酢とマスタード、紅茶やレモンの風味が奥深い味わいをさらに引き立てる。口の中で上質な素材同士の化学反応が広がり、味覚から一足先に新しい季節の訪れを感じられるはず。「"パルフェビジュー"という名の、宝石(ビジュー)そのものを体現するパフェを手がけるアサコイワヤナギ。高級フルーツとパティスリィの技術が共演する、"ラグジュアリーパフェ"の最先端を走るお店です」(斧屋さん)。

パティスリィ アサコイワヤナギ
東京都世田谷区等々力4の4の5
03-6432-3878
営業時間:11時〜18時
休業日:月・火曜
Instagram: @patisserie.asakoiwayanagi

EMPORIO ARMANI CAFFE

それはまるで"食べるジュエリー"。宝石パの画像_2
「季節のパフェ」 ¥2,000(予定価格・提供予定期間 3月1日~3月31日)

「季節のパフェ」

国内では大阪と表参道に2店舗を構え、旬の食材に合わせたマンスリーパフェを提供するアルマーニカフェ。3月のパフェでは、茨城産のブランド苺「いばらキッス」をフィーチャー。酒処としても有名な茨城の土地柄に注目し、酒粕のジェラートやミルクで煮込んだ米のソースを使用。グラスの隅まで、素材の個性に丁寧に向き合った一品。「季節のフルーツが主役でありながら、膨らんだグラスの内部で意外な脇役が活躍するのも見どころ。多彩な香りで変化をつけた重層的な構成が特徴です」(斧屋さん)。

エンポリオ アルマーニカフェ 表参道
東京都港区北青山3の6の1
03-5778-1637
営業時間:11時〜20時 不定休

心斎橋パルコ
大阪府大阪市中央区心斎橋筋1の8の3 心斎橋パルコ2F
06-6258-6202
営業時間:10時〜20時
https://www.armani.com/ja-jp/experience/armani-restaurant

NEW YORK LOUNGE By Intercontinental Tokyo Bay

それはまるで"食べるジュエリー"。宝石パの画像_3
「苺のバシュランパフェ」¥2,860(サービス料別・提供予定期間 3月31日まで)

「苺のバシュランパフェ」

建築的な造形で季節の味覚を鮮やかに表現し、長年ファンの支持を集めているこちらのパフェ。今回の新作はフレッシュな苺が主役だ。花のように広がるメレンゲの下には、食感も楽しいクランブルや生苺を使用したソルベやソースが。あえてムースなどの生地を少なめにしたことで最後の一口まで爽やか。「季節やイベントごとに、明快なイメージのパフェを展開。『苺のバシュランパフェ』は細身のグラスに赤と白のシンプルなコントラストが快い、花束のように美しいパフェです」(斧屋さん)。

ニューヨークラウンジ バイ インターコンチネンタル トウキョウベイ
東京都港区海岸1の16の2 ホテル インターコンチネンタル 東京ベイ 1F
03-5404-7895
営業時間:11時30分〜21時30分(当面の間短縮営業のため、HPを要確認) 無休
Instagram: @intercontitokyobay
https://www.interconti-tokyo.com/

Fruit Chef

それはまるで"食べるジュエリー"。宝石パの画像_4
「柑橘DXパフェ」¥2,780〜(提供予定期間 12月中旬~5月上旬・品種に応じてデザインが異なります)

「柑橘DXパフェ」

「厳選した高級フルーツの魅力を存分に味わえる」と斧屋さんも語るフルーツ専門店。種類に応じて果肉のカッティングの方法や、内皮の有無を調整したり、果物を知り尽くしたプロのこだわりが詰まった逸品。上質な素材に一段と磨きをかけたパフェが堪能できる。冬から春にかけてさまざまな品種が旬を迎える柑橘類から、「紅まどんな」や「甘平」などの愛媛玉津みかんを贅沢に使用。「ブランドだけにこだわらず、そのシーズンに一番おいしい果物を使用するのがこの店の矜持。苦み、酸味、甘みの振り幅に富んだ、柑橘のおいしさを引き出しています」(斧屋さん)。

フルーツシェフ
東京都中央区日本橋久松町6の12
03-6206-2626
営業時間:11時30分〜14時30分 16時〜18時30分、11時30分〜17時(土・祝)
休業日:日・水曜
Facebook: @fruitchef.jp

ai's

それはまるで"食べるジュエリー"。宝石パの画像_5
「大人の苺パフェ」¥2,640(提供予定期間 2月15日~3月中旬)

「大人の苺パフェ」

「ジャパニーズイタリアン」を提供するレストランの新作パフェのテーマは「雪どけと春の花々の彩り」。高知県・西森農園の「土佐文旦」と、千葉県・はちべえ農園の苺「やよいひめ」の2種類をたっぷりと使用し、ワインとの相性も抜群だ。パティシエが推奨するのは、上部のアイスから下のソースまで、大きなスプーンで一気にすくう「縦スプーン」という食べ方。その一口は複雑かつ重厚で、まるでケーキのよう。「立体的な装飾が美しいパフェ。主役の食材と、心地よく調和する脇役を寄り添わせながら、物語のように独創的な世界観を表現しています」(斧屋さん)。

アイズ
東京都渋谷区広尾1の1の38 スクエアサイドビル1F
03-6712-6201
営業時間:11時30分〜15時(火〜土・祝) 17時〜22時(月〜金)、17時〜21時(土・祝)
定休日:日曜
Instagram: @ais_ebisu

JOTARO SAITO CAFE GINZA SIX

それはまるで"食べるジュエリー"。宝石パの画像_6
「アートパフェ ベリーのパフェ」¥2,750(提供予定期間 2月10日~3月中旬頃・1日10食限定、予約必須)

「アートパフェ ベリーのパフェ」

大胆でモダンなファブリックの着物やインテリアも手がけるジョウタロウサイトウ。店舗に併設されるカフェで提供するパフェも実に芸術的だ。花や鳥など、自然の風景に着想を得た唯一無二の華やかな色彩を支えるのは、食材の味を際立たせるシンプルなパーツ構成。ベリーの爽やかな味を軸に、ボディ部分に隠されたフレーバーに想像を巡らせるのもこのスイーツの醍醐味だ。「着物の立ち姿をイメージするパフェは、宝石のような鮮やかな色彩と同時に、中身がわからない"ブラインドパフェ"として、ミステリアスな雰囲気もまとっています」(斧屋さん)。

ジョウタロウサイトウ ギンザシックス
東京都中央区銀座6の10の1 ギンザシックス 4F
03-6263-9961
営業時間:12時〜19時 不定休
Instagram: @jotarosaitocafe

SOURCE:SPUR 2022年4月号「それはまるで"食べるジュエリー" 宝石パフェ・ガイド」
photography: Shimpei Suzuki edit: Rio Hirai, Ayako Nozawa 〈FIUME Inc.〉

FEATURE