俳優として、アーティストとして、ミュージシャンとして、全世代を魅了し続ける香取慎吾さん。でも今回のソロ公演で強く感じたのは、彼が私たちのアイドルであり続けてくれることの素晴らしさでした。
1月21・22日の両日、有明アリーナで行われたライブのタイトルは「Black Rabbit」。慎吾さんのソロとしては初のアリーナクラスでの公演とあって、会場のボルテージはMAX。開演直前にはBGMに合わせて会場全体から自然に手拍子が沸き起こり、皆が慎吾さんに“会える”のを待ち望んでいるのがひしひしと伝わってきます。
オープニングからしばらくは多くのアーティストとのコラボが話題になった1stアルバム『20200101』(ニワニワワイワイ)からの選曲が続きますが、1つ1つの楽曲から各アーティストの色が透けて見えるのがまず楽しい! 背景のLEDとの見事な調和も相まって、音楽ファンなら一見の価値ありです。
そのテイストの違う楽曲すべてに“香取慎吾”の色がのり、気づけば彼の世界観にグイグイと引き込まれている。これはやはり、あの月曜22時の人気番組で長年さまざまなアーティストと共演してきた慎吾さんならでは。この時点でもう、取材ということを忘れて夢中になっていました。
最初のMCで「メディアのみなさーん!」と呼びかけられたときには、関係者席にいるのに思わず全力で手を振ってしまった私。たとえばミッキーマウスが自分に手を振っているときに、振り返さずにいられる人がどれだけいるでしょうか? それと同じで、国民的スターがこちらを見て微笑んでいるのに、涼しい顔でスルーできるわけがないのです……!
中盤は2ndアルバム『東京SNG』からのJazzyなゾーンに突入。生バンドの奏でる重低音に自然とカラダがリズムを刻みます。
印象的だったのは、このライブのバンドやダンサーのメンバーひとりひとりを紹介するコーナーが設けられていたこと。
以前のインタビューで「ゼロになったと思った」と話していた慎吾さん。
この公演のMCでも、大好きなマイケル・ジャクソンに「一回ステージを降りるね」と心の中で語りかけたと話していました。そんな彼がこうしてステージに戻ってきたことへの喜びや感謝、仲間を大切に想う気持ちがこのライブには溢れていて、胸がグッと締めつけられます。
スポットライトを浴びて笑顔で歌い踊る慎吾さんを見ていると、なんだか「ああ、よかったな……」という気持ちになる。それは彼が四半世紀以上、この日本に寄り添い続けてきたことの証に他なりません。
ライブの終盤、慎吾さんは「一緒に明日を生きましょう」と私たちに語りかけてくれました。「頑張ってね」じゃなく「一緒に頑張りましょう」と。香取慎吾という人の職業を定義するのであれば、やはりアイドルなのではないかなと。そしてアイドルとは、辛いときも、悲しいときも、私たちの心のどこかにあり続けて、笑顔をくれる存在だと思うのです。
この『Black Rabbit』は3月14・15日に神戸ワールド記念ホールでも開催予定。詳細を以下でチェックして、日本の誇るアイドルの底力に触れてみて。
香取慎吾LIVE「Black Rabbit」
【神戸公演】会場:神戸ワールド記念ホール 公演日:2023年3月14日(火)15:00/3月15日(水)15:00
https://black-rabbit.jp/