ENHYPENとの「FATE(運命)」を実感! 白熱のソウルコンレポート

韓国のHYBEとCJによる超大型プロジェクト『IーLAND』から誕生したBELIFT LABの7人組グローバルグループENHYPENによる、2回目となるワールドツアー『ENHYPEN WORLD TOUR 'FATE'』の皮切りとなるソウル公演が、2023年7月29日・30日の2日間にわたって行われた。今回は2日目のレポートをお届けする。

ENHYPENならではの世界観で構成されたステージ

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(P)&(C) BELIFT LAB Inc.

今回のツアーのセンターステージは墓石のような形をしていることは座席表が出た段階からファンの間では話題になっており、開演前には巨大な棺が置かれていた。
VCRの後、センターステージに赤い封筒を持ったJAKEが登場すると、続いてそれぞれがVCR中で手にしていた仮面や懐中時計などの小道具を手にJAY、NI-KI、JUNGWON、JAKE、SUNGHOON、SUNOOも順番に登場。ゴールドの刺繍が施されたクラシックな印象の白い衣装が、VCRでも表現されていた『DARK BLOOD』のゴシックな世界観を表しているようだった。背景のスクリーンに写る巨大な城とカーニバルような赤いライトが照らす雰囲気にぴったりの「Drunk–Dazed」でライブの幕が上がった。


2曲目は、原曲では同じHYBEレーベルのBIGHIT MUSICに所属する先輩アーティスト、TOMORROW X TOGETHERのヨンジュンをフィーチャリングした楽曲を、NIーKIの強烈なラップで始める7人のバージョンにアレンジした「Blockbuster」。
最初のMCの挨拶では、リーダーのJUNGWONの「ENHYPENとENGENE(ENHYPENのファンダム名)はFATE(運命)」というコメントもあった。

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レゲエの雰囲気で浮遊感のある「Let Me In」、ストリングスが切なく響く「Flicker」「Fever」のパフォーマンスのバックには青く凍てつく心臓が映し出され、曲のクライマックスと共に生命の鼓動を取り戻していく。激しく燃え上がる心臓はやがてスクリーンを埋め尽くし、後には真紅のスクリーンが残された。
続くVCRでも、燃える赤い心臓・月・倒れるグラス・赤い血のイメージなど、「森から来たヴァンパイア」というENHYPENのイメージを象徴するようなヴィジュアルが散りばめられている。

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永遠を生きるヴァンパイアのように時代を行き来するパフォーマンス

VCR明けには、やはり白の上下だがよりカジュアルな衣装に着替えたメンバーが登場。よりモダンな印象でアップテンポな「Mixed Up」「Future Perfect」「BlessedーCursed」を続けてパフォーマンスした。
クラシックな衣装のメンバー達が怪しげな庭で目を覚まし、光に包まれながら絵を描いたりお茶を飲んだりと、くつろぐ姿を見せるVCRの終わりには、スクリーンにAttention!の文字が映され、ロックな「Attention, Please!」のパフォーマンスが始まった。不良少年のようなやんちゃなスタイリングの衣装に着替え、ゴシックなセットからチェーンで吊られたビルの屋上のようなセットに変わってのパフォーマンスは、年をとらず永遠に時代を行き来するヴァンパイア達が現代に現れた姿のようだ。「ParadoXXX Invasion」の後はスクリーンがスタジアムのように切り替わり、爽やかでスポーティな「Tamed–Dashed」の世界観へ。曲の終わりにはステージに現れたメンバーのサイン入りボールをHEESEUNGが客席に投げ入れ、「ボールを取れなくて悲しんでいるENGENEのために、SUNOOのボール(ほっぺた)を...」と場を和ませるようなトークも。

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ここからは、メンバーそれぞれがヴァンパイアのようなカバーがついたペンライトを手にし、ペンライトの色ごとにSUNOO・JAY・JAKE、HEESEUNG・JUNGWON、SUNGHOON・NIーKIチームに分かれ、客席とメンバーがペンライトを通してコミュニケーションを取る時間。会場全体を使ったウェーブの後は、学生服のような衣装でのユニットパフォーマンスが披露された。

アコースティックな魅力のユニット別パフォーマンスも

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SUNGHOON・SUNOO・JAKE・JAYの4人は、JAYのギターに合わせてスウィートな「TFW(That Feeling When)」のアコースティックバージョンを披露。HEESEUNG・NIーKI・JUNGWONの3人はHEESEUNGのピアノで「Just A Little Bit」を切なく歌い上げた。続く「10 Months」ではトロッコで会場中を回り、ハッピーな雰囲気の「Polaroid Love」では会場を歩きまわりながら、ライブを見に来ていたHYBE議長のパン・シヒョク氏とJAKEがハートマークを作り、それをメンバーが囲むというほのぼのとした光景も見られた。前向きな気持ちになるような「Shout Out」の後は、ユニットパフォーマンスについてやファンへの感謝を含んだMCを挟んでディスコティークな「Go Big or Go Home」でこのセクションを締めた。

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「このセクションは気に入ってもらえると思ったので、練習の時から自信があった」

次のVCRでは、明るい雰囲気から一転してステンドグラスの前で踊り、血に塗れたメンバー達の退廃的な姿が映し出された。スクリーンの重厚な扉が開くと、再びゴシックなライトの中で赤と黒の衣装に身を包み階段に佇むメンバー達によって、「Chaconne」が繰り広げられた。スローに聞かせる「Bills」、ウェブトゥーン「DARK MOON」のOSTで退廃的な雰囲気の「CRIMINAL LOVE」、巨大な月をバックに「嫌いだ、この暗闇が」と歌う「Sacrifice(Eat Me Up)」と、再びどこか退廃的で耽美な世界観が戻ってきた。
MCでJUNGWONも「このセクションは気に入ってもらえると思ったので、練習の時から自信があった」と語っていた通り、ENHYPENといえばこれ、という代名詞的なイメージのパフォーマンスを見せてくれた。
ラストの曲は最新曲の「Bite Me」。カムバック時は女性ダンサーとのパフォーマンスが含まれていたが、今回のツアーではメンバー7人でのバージョンが披露され、本編を締めくくった。

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アンコール前には、スクリーンに牙のあるヴァンパイアの口のような真っ赤なヴィジュアルのロゴが映し出され、ペンライトの中の白い光源がまるで蝋燭のように暗闇を照らしていた。アンコール前の時間は客席のファンが持参したメッセージボードを映すのが最近の定番だが、ENHYPENの場合はムーディーとはいえかなり暗いため、それを理解している一部ファンは、スマホやタブレットにあらかじめメッセージをデザインして仕込んでいるのが印象的だった。

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Tシャツとデニムに着替えたメンバーが再び姿を現すと、アンコール1曲目はゴシックなスタンドマイクで「DARK MOON」のOST「One In A Billion」をロックに披露した。ラストはスタジアム・ロック的な壮大さが感じられる「Karma」。最後まで名残を惜しむように「Karma」のサビを繰り返しながら、ワールドツアー最初の都市ソウルでの公演の幕が閉じた。

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JAY「ENGENEのみなさんのおかげで、元気に最後までステージに立つことができました。後悔が残らないステージにしたかったのですが、みなさんが楽しんでくれたら嬉しいです」。

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SUNOO「コンサートのために一生懸命練習して、ENGENEの皆さんの前でかっこいいステージができて、本当に心の底からじーんとしてます」。

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JUNGWON「僕たちの職業がファンの皆さんに幸せを与える仕事じゃないですか。本当に言葉の通りアイドルじゃないですか。なので、ファンの皆さんは僕たちのことは心配せずに、幸せな気持ちだけ感じてくれたら嬉しいです」。

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SUNGHOON「準備している時から大変だとは思っていましたが、練習するたびに個人的にはまだまだだと思って準備をしていました」。

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JAKE「前のコンサートよりもいいコンサートにしたくて、僕たち7人一生懸命準備しました。今日きてくれてありがとうございます!」。

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HEESEUNG「コンサートをするときはアルバム活動をしたいし、アルバム活動をしているときはコンサートをしたいと思います。なので、いつもこの瞬間を待ち望んでいましたが、ついに今日コンサートをすることができて嬉しいです」。

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NI-KI「本当に...本当に頑張った分、ENGENEの皆さんが喜んでくれて、一生懸命頑張った甲斐があります。東京ドーム、京セラドーム、アメリカのコンサートも全て前のコンサートよりも頑張りますので、僕たちが成長する姿を見守ってください。今日は本当に幸せでしたし、ENGENEの皆さん本当にありがとうございました」。

SPUR10月号(8月23日発売)にENHYPENが登場! 詳しくは8月16日公開のSPUR.JPにて。

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