杏さんとインドで、伝統的なサリーを体験!

美しい布に対して"ほめる、お世辞を言う"を語源とする伝統的な服「サリー」。テキスタイルの長い歴史を持つインドでのサリー作りは唯一無二の体験!

「旅先だからこそ楽しめる組み合わせを!」

洋服も普及しているが、インドの女性は日常的にサリーを着ているという。布の素材や色、柄、装飾など膨大な選択肢から自分だけの1枚を選ぶ楽しさは格別。

「ベトナムに行ったときにアオザイを作ったことがあるのですが、その土地の民族衣装を着てみるのも旅の醍醐味ですよね。サリーは、日本の着物と近いなと思いました。日常では選ばないような色や柄でも、いざ着てみるとしっくりくることがあるんです。私がサリーを選んでいると、ショップに居合わせたお客様がやってきて、着方やポージングのアドバイスをいただきました。そんなコミュニケーションも奥深くて楽しかったです」(杏さん)

SPUR3月号 杏
ブラウス¥256,300・パンツ¥162,800/ブルネロ クチネリ ジャパン(ブルネロ クチネリ) インに着たタンクトップ/スタイリスト私物

天井近くまでぎっしりと並べられた布からお気に入りを選ぶか、好みの色や柄をスタッフに伝えると、次々におすすめされるシステム。下は杏さんが当初選んだ緑系のスタイル。

SPUR3月号 杏

自分だけのサリーを作ってみる!

1.布を選ぶ

SPUR3月号 杏

単一のプリントだけでなく絵物語のようなデザインも。布を広げて眺めるだけでも楽しい時間だ

2.試着する

SPUR3月号 杏

ブラウスと呼ばれるトップスとペチコートを好みで合わせる。その上から布をさまざまな方法で巻くのがサリーのスタイリング方法。自分の体に合わせて選ぶのが鉄則

3.布を決める

SPUR3月号 杏

柄や色、装飾の見せたい位置でサリーの巻き方を変えていく。その好みは千差万別。テキスタイルを選んだら、お店のスタッフが巻き方を指南してくれる

4.アクセサリーを合わせる

杏さんとインドで、伝統的なサリーを体験!の画像_6

アクセサリーもサリーの着こなしには重要。生地のクオリティによって、アクセサリーの格が変わってくるのも面白い

5.ときどきチャイ

杏さんとインドで、伝統的なサリーを体験!の画像_7

6.ブラウスを決める

SPUR3月号 杏

中に着るブラウスは体にフィットしているのがクール。スタッフはサリーと補色のものがおすすめとのことでグリーンをチョイス。サリーの布とブラウスを選んだら体のサイズに合わせて仕立ててもらう。混雑状況によるが、店舗によっては半日から1日ぐらいで出来上がる。

サリーの文化を世界中に広げる伝道師

お話を伺ったのは…アシュリタ・ヴェムガンティさん

アシュリタ・ヴェムガンティ

インドでサリー作りに協力してくれたのはアシュリタ・ヴェムガンティさん。実は映画『バーフバリ』2部作でクンタラ王国の王妃を演じた俳優であり、インド古典舞踊バラタナティヤムのオーソリティでもある。サリーの魅力について教えてもらった。

「サリーは体の優美な曲線に沿い、その人の自然な美しさを演出します。まるで水のように、どんな体型の人でも流れるように着こなすことができるのです。女性は妊娠や出産などで体型に大きな変化がありますが、サリーは巻き方によって何通りもアレンジできるので長く楽しめます。日常着のサリーは余剰の布をかぶり日除けにもでき、機能的ですしね。日本の女性は肌がとてもきれいで屈託のない笑顔と優しい心を持った人が多い印象があります。ぜひインドで美しい布をまとう喜びを味わっていただきたいです」

杏さんとインドで、伝統的なサリーを体験!の画像_10

創業1943年の老舗サリー店。創業者は自転車の荷台にサリーを乗せて売り歩いたという逸話も。南インドの主要都市と首都デリーにも店舗がある。アシュリタさんはSNSのアンバサダーを務めている。

Kankatala
Jubilee Hills Store
470, Rd Number 36, Jubilee Hills, 
Hyderabad, Telangana 500033
☎9121168693
◯営10時30分〜21時 無休
https://www.kankatala.com/

インドの手仕事の美しさをまとう

SPUR3月号 杏

サリーは5〜6mの一枚布を裁断せずに体に巻きつけて着付けていく。杏さんが選んだのは現代的な柄に、伝統的な赤と緑の配色を組み合わせたもの。金の糸で孔雀が描かれたブロケード生地のボーダーとバラの花がちりばめられたラグジュアリーなデザインだ。

「普段バラの花柄のものを選ぶことはまずないのですが、直感で遠くの棚にあった布を見せてもらいました。かなり華やかなので、似合うかな?と思いながら羽織ると意外としっくり。周りのスタッフも好反応だったので、これに決めました。カメラの前に立ってみて、布が美しく見えるような立ち居振る舞いも含めてサリーなんだと感じました。着物に通じるものがあります」(杏さん)

「ピーコックのような深いブルーで涼しげに」

SPUR3月号 杏

「インドを訪れてサリーを着ること、そしてインド風のメイクアップにも挑戦してみたいという夢がかないました。この撮影の前日にも、トリウッド女優たちを真似てしっかりとした囲み目メイクなどを試していました。サリーが決まったら、次はメイクアップのプランも大切です。今回はヘアメイクさんの提案でブラウスの色に合わせたグリーンやブルーのアイメイクをしてみると、ぴたりとはまりました。ドラマティックなメイクアップにすればするほど素敵になるので、楽しかったです!」(杏さん)。

メイクアップのポイントは、チークは現代的な質感にし、アイラインをインドの国鳥でもある孔雀からイメージしてピーコックグリーンに。サリーとの相性も見ながら、オレンジゴールドのリップで仕上げた。

杏プロフィール画像

1986年、東京都生まれ。2001年モデルとしてデビュー。2005年から海外のランウェイで活躍。2007年に俳優デビューし、近年の出演作に映画『キングダム 運命の炎』『翔んで埼玉 〜琵琶湖より愛をこめて〜』(ともに'23)などがある。そのほかナレーターや声優など多彩な活躍を続ける。2022年より日本とパリの2拠点生活を開始。YouTubeチャンネル「杏/anne TOKYO」も人気。

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