板垣李光人の挑戦! ドラマ『秘密~THE TOP SECRET~』のこれまでにない役作りで挑む新キャラクターとは?

2025年1月期連続ドラマ『秘密~THE TOP SECRET~』で、地上波ゴールデン帯連続ドラマ初主演を飾る板垣李光人さん。清水玲子さんによる同名漫画を実写化したヒューマンサスペンス。舞台は、科学警察研究所の法医第九研究室、通称“第九”。死者の生前記憶を映像で再現できる特殊なMRI技術を用いて、室長の薪剛と、新米捜査員の青木一行のバディが、解決不可能とされていた事件の真相を解き明かしていく。類いまれな容姿に驚異的な記憶力と鋭い洞察力をもつ薪を演じる板垣さんに役作りへの意気込み、W主演のHey! Say! JUMP中島裕翔さんの印象、挑戦となっていることなど聞いた。

2025年1月期連続ドラマ『秘密~THE TOP SECRET~』で、地上波ゴールデン帯連続ドラマ初主演を飾る板垣李光人さん。清水玲子さんによる同名漫画を実写化したヒューマンサスペンス。舞台は、科学警察研究所の法医第九研究室、通称“第九”。死者の生前記憶を映像で再現できる特殊なMRI技術を用いて、室長の薪剛と、新米捜査員の青木一行のバディが、解決不可能とされていた事件の真相を解き明かしていく。類いまれな容姿に驚異的な記憶力と鋭い洞察力をもつ薪を演じる板垣さんに役作りへの意気込み、W主演のHey! Say! JUMP中島裕翔さんの印象、挑戦となっていることなど聞いた。

頭脳明晰でクールだけど、繊細で弱さもある薪に惹かれる

板垣李光人

──今回演じる薪剛というキャラクターに惹かれる部分はありますか?

「薪は頭脳明晰でクールな人です。頭が切れて、人に対して当たりが強かったりする部分がありますが、それは彼が本当に過酷で壮絶な人生を歩んできたからこそ、自分と自分の周りの人たちを守るために形成された人格だと思います。本当の薪という人間は、繊細だし、弱さもあります。僕は薪のそういうところに惹かれます」

──ご自身と薪に共通点はありますか?

「誕生日ですね。薪も僕と同じ1月28日なんです。2025年の誕生日は、この作品の撮影中で、現場で迎えることになりそうですが(笑)」

──原作のキャラクターに寄せている部分、大切に演じたいと思っているところは?

「脚本の佐藤嗣麻子さんが、原作愛を持って書いてくださっているので、僕たちキャスト陣も一緒に愛を持って作っていきたいなと思っています。原作の薪に関して言うと、髪の色が難しかったんですよね。原作だと結構明るめの色ですが、リアルで考えると警察の人間で、薪という人間自体、頻繁に美容院に行っている想像ができませんでした。髪を染めるという想像もつかなかったので、地毛っぽくもあるけど、原作の薪の雰囲気はきちんと踏襲しつつ、ドラマにする上でのリアルな部分と、原作をリスペクトして大切にしていく部分のバランスをいろいろと考えています」

事件とサスペンス、ヒューマンドラマのバランスの良さが魅力

板垣李光人

──MRI捜査を題材にしていますが、この物語、世界観の面白さや魅力はどんなところで感じましたか?

「MRI捜査っていうSF要素のある、現代の技術ではまだない捜査方法というところは、もちろんですけど、この『秘密~THE TOP SECRET~』という作品は、事件とサスペンス、そしてさまざまな人間たちが織りなすヒューマンドラマのバランスがいいと思います。たくさんの要素があるけど、リアリティがあって没入します。感情移入できるし、心が動かされるところが、この作品の素敵なところだと思っていて。ドラマにする上でも、現実離れしたMRI捜査という要素があるからこそ、芝居の部分だったり、ビジュアルを作っていく上でもリアリティを持つこと。その部分が地に足ついていないと、視聴者の方もふわっとしちゃうと思うんですよね。だから、原作の持っている読者を引き込む、引きつける力を、生身の役者として地に足つけて作っていきたいと思います」

薪の鈴木への想いは演じる上でやりがいがある

板垣李光人

──薪はかつての第九メンバーで親友以上の存在だった鈴木に特別な想いを抱いていますが、二人の関係についてどう思いますか?

「薪はとても複雑なキャラクターです。幼い頃、両親を亡くして、育ての親であった人もいろいろなことがあって亡くしたところで、鈴木に『そんな笑顔を見せてくれるなら、深夜料金ぐらいいくらでも払うよ』と言われるんです。僕は原作のそのシーンを読んで、泣きました。薪を演じると分かっていて、薪に対して感情移入しながら読んでいたので、なおさらだと思いますが。薪はある種いろんな愛情とか、対人間のコミュニケーションとか、欠落して生きてきた部分もあると思います。そうやって生きてきたなかで、包容力のある鈴木が、薪が一番求めていた言葉をくれるし、求めてた人物像でもあるんですよね。薪にとって鈴木という存在は、家族でもないし、恋人でもないし、友人でもないけど、超越した存在だと思います。そんな存在を途中で失ってしまうのは想像を絶するものだと思うし、鈴木への想いは薪の層になってる部分で、それはすごく細かく繊細でありながら厚いので、大事なところですし、自分が演じる上でも、好きなところというか、やりがいがあると感じています」

──薪にとって大切な存在の鈴木、そしてもう一役、部下となる青木という役どころを演じるW主演の中島裕翔さんの印象はいかがですか?

「中島さんの作品を拝見していて、優しい方なんだろうなって勝手に想像していました。中島さんのオーラというか、持ってる雰囲気というか、作品でもそうなんですけど、バラエティなどを観ていても、時間の流れがクイックというより、ちょっとスローな時間が流れてる方なのかな、って思っていて。実際、今回お会いして、今はまだ少しですけど、お話しして、包容力も感じました。薪は鈴木と出会って、関係が進んでいくなかで、鈴木の包容力を寄りどころにしてた部分もあると思うんですけど、中島さんも同じようなものを持っていると感じました。薪として鈴木、そして青木に接していくところでも、中島さんの人柄にきっと助けて頂けるんだろうなと思っています。同時にすごく頭がいい方なんだろうなって、お話しててもそうですし、お話を聞いてても思いました」

──共通点があるといいですね。

「それでいうと、結構ありますね。中島さんと映画の話をしたんですけど、感性が似ているかもしれません。あと、共通点はファッションですかね。撮影を通して、いろいろお話したいです」

これまでの役にはなかった体作りが挑戦となっている

板垣李光人

──この作品で挑戦となっているのはどんなところですか?

「撮影に入る前から、挑戦してますね。準備段階のところでも、原作の細い線の薪像はありますが、リアルで考えて、いろんなものを踏んできての立ち位置にいる人間ということを考えると、ある程度の原作の雰囲気は崩さないままでも、体をもう少し作りたいと思いました。原作を読んで薪のことを知っていたら、そこは気にならないと思いますが、原作を読んでいない人が観ても違和感がないように、トレーナーさんにお願いして、食事から体重、トレーニングまで全部管理してもらって、4キロぐらい筋肉を増やしています。これまでの役でそういう役作りをすることがなかったので、僕にとって大きな挑戦なんです」

──体が変わることでどんな変化を感じましたか?

「スーツを着たとき、フィット感を感じました。今年『news zero』の水曜パートナーを3ヶ月やらせていただいて、毎週スーツを着てたんですけど、その時と違う感覚でした。より薪らしく、スーツを着たときに役に入れるなという感覚が楽しいです」

初の個展の開催で気づきを得られた

板垣李光人

──挑戦といえば、今年の秋に初の個展「愛と渇きと。」を開催するなど、アーティストとしての顔も見せてくれました。

「個展の開催は、改めて自分自身を見つめ直す時間になりました。自分がマスターピースと思って描いた絵ではない絵が人気だったのも面白かったです(笑)。『血清』という作品の評判がよくて。実はサクッと描いたものなんですよ(笑)。そうやって自分が考えているものと、周りからの評価にズレがある、というのを改めて知ることができて勉強になりました。絵を描いている時間は自分と向き合う時間ですし、誰か仮の役を立てて、そこに感情を生ませて、絵を描いていくというやり方をしていたので、それも自分が役者をやっているから、そういう描き方なんだなと思ったし、本当にいろんな気づきがありました。皆さんや関係者の方から感想をいただけたのもありがたかったです」

──これからアーティストとしての活躍も楽しみですが、俳優業で作品に入っているときは、なかなか絵を描くのは難しいですか?

「そうですね。作品に入っているときは、ほぼストップしますね。でも、やっぱり今回個展をやってみて、もっとこういうのをやりたいとか、こうしたいみたいって欲求が出てくるんですよね。いつになるかは分からないですけど、次はこういうことをしたいって構想はあるので、いつでもできるように準備をしておきたいという思いはあります。でも、一番は役者の仕事を大切にして、メインにやりながらになります」

──最後にファッションの話を。モードラバーとしても名高い板垣さんですが、秋にパリを訪れていますが、何を購入されましたか?

「パリでまた“新たな旅路の始まり”のような靴を買いました。日本に未入荷のデザインだったようなんですが、カラフルで靴先にジョーゼットのボウ(リボン)が付いていて、すごくロマンチックで素敵なんです」


『秘密~THE TOP SECRET~』
2025年1月カンテレ・フジテレビ系にて放送 月曜22:00-22:54枠

凶悪・重大犯罪において、被害者および犯人死亡の際、その脳を特殊なMRIスキャナーにかけ、生前の記憶を映像化する「MRI捜査」を行う科学警察研究所の法医第九研究室、通称“第九”。その映像は、死者が「見た」ものであるため、幻覚や病気、妄想、先入観をも映し出されてしまう。第九の創設メンバーで室長である薪(板垣李光人)は、ある事件により、親友であり同僚だった鈴木(中島裕翔)を亡くしてしまう。その後、薪の前に、鈴木にうり二つの新米捜査員・青木(中島裕翔)が配属される。2人は、死者が最期まで秘めていた“想い”や“秘密”をも見てしまうことで、心に罪の意識と葛藤を抱きつつも、難事件を解決するために奮闘し、かけがえのないバディとなっていく。

いたがき・りひと 2002年生まれ。10歳で俳優デビュー後、幅広いフィールドで活躍。主な出演作に、ドラマ『silent』『青天を衝け』『どうする家康』、映画『約束のネバーランド』『陰陽師0』『ブルーピリオド』『八犬伝』など。俳優業のほか、アーティストとして、2024年秋、東京・渋谷PARCO「GALLERY X BY PARCO」、名古屋、大阪で初個展『愛と渇きと。』を開催した。映画『はたらく細胞』が12月に公開予定。

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