類いまれなるスタイルを活かしたダンス、高音から超低音まで自在に操る歌声。唯一無二の存在である彼が少年から青年へと成長を遂げる。かけがえのない瞬間を切り取っていく
拡張的なブーツで世界を俯瞰する
デニム(参考色)¥291,500・キャップ¥71,500・靴(仕様変更あり)¥341,000・ジャケット(参考商品)/バレンシアガ クライアントサービス(バレンシアガ)
最も鮮烈な印象を残した、15㎝超えのブーツ。「バレンシアガは自分も含め、若者世代の心をつかんでいるブランド。このルックもインパクトがありますね。ブーツを履いた瞬間、世界が小さく見える! と驚きました」。183㎝の抜群のプロポーションでハイモードなシルエットを着こなした。
重ねるたび、研ぎ澄まされていく感覚
ジャケット¥594,000・ブルゾン¥500,500・ポロシャツ¥170,500・ブラウス¥181,500・パンツ¥231,000・ベルト¥89,100(すべて予定価格)/ミュウミュウ クライアントサービス(ミュウミュウ) 靴¥165,000(予定価格)/チャーチ クライアントサービス(チャーチ)
「シャツやジャケットを何枚も重ねても、どこかカジュアル感があって絶妙なバランス」と絶賛していたミュウミュウ。ジェンダーレスにスタイリングの楽しさを提案する視点にも惹かれるとのこと。
踊る体が物語る、消えない純真
ニット¥350,000(参考価格)・ブルゾン¥780,000・パンツ¥230,000・靴¥185,900・ソックス(参考商品)/クリスチャン ディオール(ディオール) ヘアアクセサリー/スタイリスト私物
バレエダンサーのルドルフ・ヌレエフにオマージュを捧げたディオールの装い。5歳からダンスを始めた彼はしなやかな動きで、メゾンの紡ぐ清らかな物語に寄り添う。「色使いが好きです。大人ですし、どこかフェミニンな感じもありますが、クールにまとまっているところが魅力的だと思いました」。力強いレザーブルゾンと柔らかなバレエシューズの対比が美しい。
少年でも大人でもない18歳の瞬き
ニット¥203,500・ニットカーディガン¥297,000・帽子¥146,300(すべて予定価格)/プラダ クライアントサービス(プラダ)
異素材を合わせたマリンハットの下からのぞく、物憂げなまなざしといたずらっ子のような茶目っ気のあるムード。RYUHEIのアンビバレントな表情に引き込まれる。「プラダはいろいろなタイプの服があるので見ていて楽しいです。カラフルなニットの組み合わせも新鮮。パーカとかも素敵だなと思ってチェックしています」。
いつでも、どこでも軽やかに
ジャケット¥352,000・パーカ¥187,000・Tシャツ¥121,000・パンツ¥170,500/グッチ クライアントサービス(グッチ)
「フーディは普段よく着るので、このスタイルが一番しっくりきました。ハイブランドだけどストリートカルチャーのエッセンスを感じるところもいいですね」。Tシャツとフーディにチェック柄のパフィなジャケットを重ねて、トラッドな要素を効かせたスタイル。軽快ながら上品な装いは"令和のグッドボーイ"によく似合う。
マチュアに纏うモダンエレガンス
ジャケット¥605,000・ニット¥187,000・シャツ¥132,000・パンツ¥231,000(すべてヴァレンティノ)・ベルト¥73,700・ボウタイ¥44,000・バッグ¥561,000・タイクリップ¥68,200(すべてヴァレンティノ ガラヴァーニ)/ヴァレンティノ インフォメーションデスク
アレッサンドロ・ミケーレをクリエイティブ ディレクターに迎え、進化するエレガンスを体現したヴァレンティノ。RYUHEIもその世界観に興味を抱いている。「細身のシルエットのドレスアップは身が引き締まります。クラシックなのに、柄の合わせ方などは現代的な感覚があって好きでした」。パールのクリップ×サテンのタイやバッグのフリンジなど、華やかなディテールが装いに艶を加える。
【インタビュー】優しさと思いやりをもった大人になりたい
去る11月7日、RYUHEIは一つ年を重ねて18歳になった。BE:FIRSTとして駆け抜けた一年。いくつもの経験が、彼をまた大きく成長させた。
「見せ方に対するこだわりが変わりましたね。いかに自分が高いパフォーマンスを出すかより、パフォーマンスを楽しむことに重きを置いた一年でした」
17歳の間、数え切れないほどのステージに立ち続けた。中でもRYUHEIの心に鮮烈な光を焼きつけたのが、1CHANCE FESTIVALで観たWANIMAのパフォーマンスだった。
「WANIMAさんは技術を超えて、ひとりひとりにライブの楽しさを伝えるようなパフォーマンスをしていた。WANIMAさんのファンの皆さんって本当に楽しそうなんですよ。それを見て、自分がやりたいライブの形を見つけた気がしました。公演に来る方々にもそれぞれ生活があって、いろんなことを考えて日々葛藤している。だけど、ライブにいる間だけはそんなことを全部忘れて、今この瞬間が最高だ! って思えるような時間を過ごしてほしい。そのためには、まず僕たちが楽しまなきゃいけないんだって。そう強く考えるようになりました」
旺盛な探求心は、彼自身にもさまざまな変化をもたらした。
「この一年、髪色はいろいろと変えてみていました。でもそれは心境の変化というより、単純にやってみたいなという好奇心が一番。ただいろいろトライしているうちに髪質に合っていないことが判明して、ブリーチはやめることに(笑)。今後はカラーか、黒髪が増えそうです。あとはこの一年の間に筋トレが生きがいになりました。僕はもともと、アクティブな性格ではないんです。だけど、体を鍛えたいと始めたら楽しくて。今日も撮影してもらった写真を見ながら、腕がいい感じに育ってきてるなと思いました(笑)」
14歳でオーディションに参加したときから世界は一変した。今もいわゆる〝高校生らしさ〟とは無縁の生活。でも、悔いはない。彼の青春はBE:FIRSTとしての日々の中にあるからだ。
「この夏、メンバーと夜の海に行きました。SOTAとRYOKIが海に飛び込んでいって、僕も海に投げられてずぶ濡れになったんですけど、めっちゃ楽しかったなあ。花火もやって、バーベキューもしました。焼く係は、SHUNTOとRYOKI。僕は頑張れって応援する係です(笑)」
新成人となり、晴れて大人の仲間入りを果たした。そんなRYUHEIが憧れる人物像は、大好きなサッカー界のスタープレイヤーたちだ。
「冨安(健洋)選手がカッコいいです。26歳で世界と戦っているのに一切調子に乗っていないように見える。その姿を見て、謙虚であることは大事だと思います。でもきっと真面目すぎてもダメで。謙虚さの中に遊び心を持ち合わせているのが理想。(アルゼンチン代表の)メッシ選手も最高ですね。前回のW杯でフランスがアルゼンチンに敗れたとき、フランスの人たちが『負けて悔しいけど、メッシが喜んでいる姿を見られてうれしい』と答えていたんです。これだけいろんな人から愛されるためには、人間として完成していないといけない。僕も彼のような優しさと思いやりをもった大人になりたいって思います」
目を輝かせながら話す表情にはあどけない少年の面影が残る。けれど、ステージ上では、観る人の胸をつかんで離さない色気を放つ。本人は「自分ではわからない」と照れたように謙遜するが、色気のある大人の姿にもまた、明確な理想像があった。
「ATEEZのホンジュンさん。ライブを観に行ったとき、カッコいい! って痺れました。淡々としていながら、パンチがきいている。ホンジュンさんからは〝男が憧れる男〟の匂いを感じます」
少年と大人の世界を気ままに移ろいながら、RYUHEIは自らの可能性を拡張させていく。原動力となるのは、はち切れるほどの知的好奇心だ。
「学ぶことが楽しいなって、最近実感します。歴史にまつわる書物が好きで、遺跡に関する解説文を読んだり、そうやって新しい知識を得たり、知らなかった世界を知るのが楽しい。文章を書くことにも興味があります。今やってみたいことの一つは小説を書くこと。話の展開を頭の中で考えるのが好きで、書いてみたい話の構想も、もうあるんです。ただ気分屋なので、書き始めたら進むけど、1回止まるとそのまま放置しちゃう。だから、1冊書くのに3年くらいかかるかもしれません(笑)」
RYUHEIの目の前には、きっと無数の扉が存在している。その中で、どの扉をノックするのか。18歳になったばかりの彼の未来は、自由と希望に満ちている。
身体美が映えるミニマルルック
トップス¥160,600・パンツ¥127,600・靴¥147,400・ピアス¥66,000/ロエベ ジャパン クライアントサービス(ロエベ) ヘアアクセサリー/スタイリスト私物 (右ページ)トップス・アクセサリー/p.155と同じ ヘアアクセサリー/スタイリスト私物
「筋トレしてきたばかりの腕はいい感じですか?(笑)」と撮影中スタッフに尋ねるRYUHEI。そぎ落とされたデザインのセットアップから、鍛え上げられた身体がのぞく。「ロエベはロゴも可愛いですし、男性も女性も取り入れやすいブランドですよね。今回の服はシンプルだけど、丈感にこだわりを感じて着るとおしゃれに見えます」。
2006年生まれ、愛知県出身。BE:FIRSTのメンバーとして2021年にデビュー。11月4日にTVアニメ「SPECIAL EDITED VERSION 『ONE PIECE』魚人島編」のエンディング主題歌である「Sailing」をデジタルリリース。12月からはグループ初となるドームツアーがスタート予定。