ソフィア・コッポラが手がけるマーク・ジェイコブスのドキュメンタリー『Marc by Sofia』、サンローラン プロダクションによる話題作、そして20年ぶりに帰ってくる『プラダを着た悪魔』。接近するファッション界と映画界の最新ムーブメントをリサーチ!

2026年、ファッション界と映画界が急接近する! マーク・ジェイコブスのドキュメンタリー、『プラダを着た悪魔2』など、気になる作品をリサーチ

ソフィア・コッポラが手がけるマーク・ジェイコブスのドキュメンタリー『Marc by Sofia』、サンローラン プロダクションによる話題作、そして20年ぶりに帰ってくる『プラダを着た悪魔』。接近するファッション界と映画界の最新ムーブメントをリサーチ!

ソフィア・コッポラが、マークのドキュメンタリーを製作!

ソフィア・コッポラとマーク・ジェイコブス

ソフィア・コッポラが語るマーク・ジェイコブスとの友情物語

マーク・ジェイコブスと30年来の親交を温めるソフィア・コッポラが、彼のドキュメンタリーを製作した。その名も『Marc by Sofia』。

「最初は、プレッシャーがありすぎて無理だと思いました。でも彼のことが大好きだし、大切な友人なので思い直しました。私はマークの素晴らしい作品群を見ながら育ちました。彼がニューヨークで、大規模なコレクションをスタートさせた頃からです。作品を作る前に最初から最後のショーまでのプロセス全体を見直したいと思いました。兄(ロマン・コッポラ)と一緒に、ときにはホームビデオを撮るようにひとりでカメラを抱えながら彼のオフィスに行きました。とても刺激的なプロセスでした」

『Marc by Sofia』

『Marc by Sofia』
秘蔵のアーカイブ映像や、ソフィア自身によるマークのインタビュー、ファッションショーの映像などをコラージュ風に編集し、マーク・ジェイコブスの軌跡を振り返る。ソフィアらしい、愛情あふれるスウィートなドキュメンタリー。(日本公開未定)

映画はマークがまだ10代の在学中に、ペリー エリスのチーフ・デザイナーに抜擢され頭角を現した時代からを早足で追う。特に90年代、彼がニューヨークを席巻したのと同時期に、ソフィアがX-girlのストリートショーをプロデュースしたり、同じ空気を吸いながらふたりの活躍がシンクロしてきたのもうかがえる。

「私とマークはテイストが同じなんです。私たちはアートや音楽を愛しているし、もちろん映画も大好き。マークには私の映画で衣装をデザインしてもらっていますが、普段から映画のことをよく語り合っています。そういったものをちりばめたコラージュのような形にしつつ、アーティスティックな彼の人柄が見えるものにしたかったんです」

もちろん、ファッションショーやバックステージの映像、またソフィア自身によるマークのインタビュー映像もある。

「特にバックステージを撮影するのは楽しかったです。これまで入ったことがなかったので、そこにある緊張感、エネルギー、ストレスや興奮、すべてがとても興味深かった。一方、ショーでは記録映像とは異なるアーティスティックなアングルにこだわりました」

ソフィアが「多くの愛を込めたので、観る人にもそれが伝わるとうれしい」と語る本作。いち早く日本でも公開されることを期待したい。

ソフィア・コッポラとマーク・ジェイコブス

ふたりの仲をPLAY BACK

(左)ホリデーパーティを一緒に過ごすことも。写真は2003年
(中)『SOFIA COPPOLA ARCHIVE』のローンチイベントはニューヨークのBOOKMARCで開催
(右)ユルゲン・テラーが2004年に撮影したふたりの親密な写真

サンローラン プロダクションの勢いが止まらない!

『The Fence』
『The Fence』

『The Fence』
西アフリカの建設現場で、遺体返還を求める男アルブリー(イザック・ド・バンコレ)と現場監督ホーン(マット・ディロン)がフェンス越しに対峙。妻レオニー(ミア・マッケンナ=ブルース)の存在が不穏さを増幅させる。緊迫した一夜のやり取りを通して、権力と排除の構図を寓話めいて示す。クレール・ドニ監督。(日本公開未定)

第97回アカデミー賞で『エミリア・ペレス』(’24)が最多12部門にノミネートされ2部門を受賞したが、その製作を担ったのがサンローラン プロダクションだ。2023年、クリエイティブ・ディレクターのアンソニー・ヴァカレロが設立し、ラグジュアリーブランドとして初めて本格的に映画へ参入した。

2025年はジム・ジャームッシュ監督の『Father Mother Sister Brother』を手がけ、同作はベネチア国際映画祭で金獅子賞を受賞。「サンローランの支援なしには作れなかった」とジャームッシュ。ヴァカレロに「何を作ってもいい」と言われ製作した短編『French Water』(’21)が関係の始まりだった。クレール・ドニ監督の新作『The Fence』(’25)でも衣装はヴァカレロが担当。監督は「これは“ファッション映画”ではないが、マット・ディロンのシャツは役柄の内面を映す」と衣装の重要性を強調する。

『Father Mother Sister Brother』

『Father Mother Sister Brother』
3カ国を舞台に、年老いた/失われた親と向き合う子どもを描く3部構成作。隠遁生活の父を訪ねる兄妹、心を閉ざした小説家の母を訪れる娘ふたり、家族の悲劇に向き合う双子。3つの物語が繊細に響き合う。アダム・ドライバー、シャーロット・ランプリングなどのキャストが出演。ジム・ジャームッシュ監督。(日本公開未定)

『昼顔』(’67)の衣装を担当するなど、古くから映画との結びつきが強いサンローラン。シネフィルのヴァカレロは「巨匠が活躍できる場を作りたい」と意欲的だ。こうした取り組みを通じて、サンローランはファッションを超えた、“創造の場”へと広がりつつある。

辰巳JUNKが予言。どうなる? 『プラダを着た悪魔2』

『プラダを着た悪魔』

お仕事映画のバイブル『プラダを着た悪魔』が20年ぶりにカムバック。メット・ガラ風のイベント撮影や新たな恋人、レディー・ガガの出演 など、豪華絢爛な製作模様が話題になっている。

噂されるあらすじ は、デジタル時代に影響力が低下しつつあるファッション雑誌『ランウェイ』の危機。広告費を切望するカリスマ編集長ミランダ(メリル・ストリープ)の前に立ちはだかるラグジュアリー企業幹部は、彼女に恨みを抱いていそうな元部下のエミリー(エミリー・ブラント)。

前作で編集部を去った主人公アンディ(アン・ハサウェイ)の現状は不明なものの、敏腕ジャーナリストらしいパンツルックが目立つ。『ランウェイ』誌の衣装バッグを持ち歩き、ミランダに同行する姿も捉えられているため、古巣の危機に立ち向かう共闘展開が期待できそう。

葬儀らしき撮影も衝撃を集めているものの、誰か亡くなるとしたらキャストが続投された親会社の会長かも? ともあれ、変わらないであろうシリーズの魂は、仕事への情熱だ。AIやデジタル化によってさまざまな職業や芸術が変化する今、前を向いて挑戦しつづけるミランダとアンディから勇気をもらえるはず。

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