W主演したドラマ「KinnPorsche The Series」の世界的ヒットを受けて、タイを代表するスター俳優となったMile（マイル）とApo（アポ）。その活躍を背景にディオールのアンバサダーに就任し、モード界からも熱視線が注がれている。そんなふたりとのSPUR独占ファッションシューティングが、バンコクで実現！ リラクシングな休日をテーマに、ふたりの親密なセッションをお届けする
Mile（マイル）のプロフィール
パークプーム・ロムサイトーン（通称マイル）●1992年1月5日生まれ。モデルとして活躍する傍ら、2016年に歌手デビュー。2018年、ドラマ「Khamin Rak Kap Poon」で俳優としての活動を始める。2022年に放送された「KinnPorsche」で主役のKinn役に抜擢され、Apoと初共演を果たす。今年8月に公開された映画『Man Suang』ではApoと再共演。出演するタイのバンドKLEARのMVが9月に配信された。
Apo（アポ）のプロフィール
ナッタウィン・ワタナギティファット（通称アポ）●1994年2月24日生まれ。モデルを経て、タイの大手テレビ局Channel3と契約。2015年に放送されたドラマ「Sud Kaen Saen Rak」でデビューし、さまざまな作品に出演する。Channel3との契約終了を機にニューヨークへ渡り、帰国後、ドラマ「KinnPorsche」で主役のPorscheを演じる。今年8月、Mileとの共演2作目となった映画『Man Suang』が公開された。
Mile（マイル）とApo（アポ）のインタビュー
コミックのドローイングに着想を得た「アステロディオール」のグラフィックが映えるMileさん（右）。フローティングヤーンの軽やかな生地がリラックスムードを誘う。Apoさん（左）のニットに広がるのは70年代のスペースオペラを思わせる、銀河系間の砂漠の世界。プレイフルで心地よいウェアに、タフなジュエリーを加えてモードに仕上げた。
偶然の再会が重なった末に共演。ドラマティックなふたりの出会い
アンバサダーとして各国のショーを訪れるふたりは、ともに職人の技術への関心を深めている。「ファッションは大好きで、特にクラフトや優れたテーラーメイドのアイテムに惹かれます。だから今こうしてディオールとともに仕事できることがとてもうれしいんです。熟練の手仕事も実際に間近で見て、とても感動しました。普段の着こなしでも技が光る時計とバッグが欠かせません」（Apoさん）。
６月某日、タイとオンラインでつないだインタビュー。朝からの撮影後にもかかわらず、「Hi!」と手を振りながらスクリーンの前に現れたふたりの顔には、満面の笑みが。インタビュー中もお互いの発言に笑い合ったり、流暢な英語を交えてジョークを飛ばしたりと終始、和やかなムード。グローバルに活躍するスターらしいオーラと軽快なトークのギャップに、スタッフ一同が魅了された。
——おふたりの出会いは、10年ほど前。一時は同じ大学に通っていたそうですね。
Mile（以下Ｍ） 当時はふたりともモデルとして活動していて、とあるファッションショーで一緒になったんです。Apoは僕の３、４人前を歩いていたかな。
Apo（以下Ａ） 後日、僕が通っていたジムに彼がいたんです。挨拶をして、同じ大学に通う学生だと判明しました！
Ｍ 彼を初めて見たとき、「七侠五義」という中国のドラマに出ていたZhan Zhao役の俳優にそっくりだな！と感じたから、すごく印象に残っていました。
Ａ Mileは礼儀正しくてやわらかい雰囲気をまとっていたので、もっと話をしてみたいな、と思っていたんです。きっといい友達になれるはず、って。
上の写真でも着用した「アステロディオール」の色違いをシックに着る。「これまで3回ディオール社を訪れました。僕たちが出会ったタイ、アジア、そして本部の＂ファミリー＂の皆さんは親切な方ばかり。ここまで本格的なファッションの仕事は初めてですが、温かくケアしてくれました」（Mileさん）。
——ドラマティックな再会ですね！ 「KinnPorsche」で共演する20代後半までは、どのような活動をしていましたか？
Ｍ モデル、ミュージシャン、俳優と、多岐にわたっていました。ジャンルごとに仕事の内容は異なりますが、時にはクロスオーバーすることもある。思い返せば当時から、そんな面白さに魅了されて芸能活動を続けていたんじゃないかな。
Ａ 僕はモデル業を続けながら、ドラマに出るようになりました。2019年に局との契約が終了したタイミングで、ニューヨークに移住しようと思い渡航したんですよ。だけどパンデミックが起こり、仕方なく帰国。「KinnPorsche」のオーディションに参加したところ、偶然、Mileと再会したんです。「あ、同じジムの人だ！」と（笑）。驚きました。
Ｍ 再び会ったときも、初対面と同じく、いいエネルギーを感じました。共演相手がApoに決まり、とてもラッキーだったと思う。もともと共通点が多いので話しやすく、お互いをすんなり理解できるので。実際に撮影が始まると、仕事に対する姿勢やライフスタイルも似ており、相手に合わせる作業も最小限でした。
ファンを幸せにする目的意識が良好な関係につながっている
——初共演作となったドラマ「KinnPorsche」は、命を狙われるマフィアの跡継ぎ・Kinn（Mile）と、ボディガード・Porsche（Apo）のラブストーリー。本格的なアクションと息を呑む展開に彩られたふたりのまっすぐな愛の物語は、タイドラマ界で唯一無二の存在感を放ち、世界中で大ヒット。この作品を機に、おふたりはスターへと飛躍しましたね。
Ｍ 本作を経て多くの変化がありましたが、ポジティブな点は、たくさんの人と出会えたことです。そしてもう一つは、僕らが伝えたい想いを、より多くの人に届けられるようになったこと。SNSの投稿や作品を通じて、皆さんが前向きになれるようなメッセージを発信できるように意識しています。
Ａ それらの意識は、僕らの共演作で、タイで８月に公開された映画『Man Suang』（’23 ）の製作にもつながっているんです。タイが誇る美しい文化の数々を世界中の人に知ってもらえたら、どんなに素晴らしいだろう。そう感じて、監督の一人であるPondさんに相談しました。
Ｍ 僕は音楽が好きなのでタフォン（太鼓）奏者の役を演じ、アクションやパフォーマンスが得意なApoはラム（タイ舞踊）を担当しています。
Ａ タイの伝統芸術や文化を取り上げる作品はあまりなかったため、カンヌ国際映画祭でも大きな話題となりました。エンターテインメントを通じて、僕らの母国であり、大好きなタイに注目が集まったことを、とてもうれしく感じています。
——現在は、中国で次回作の撮影に励んでいるそうですね。世界中を飛び回り、多忙な日々を過ごすおふたりのモチベーションを教えてください。
Ｍ ファンの方の存在ですね。ディオールの仕事を通じて世界各国で現地のファンの方と直接触れ合ったり、「KinnPorsche」のコンサートに日本を含め世界中の人々が訪れてくれたり。国籍は違っても素敵な人柄の方ばかりで、たくさんのパワーをいただいています。
Ａ いつか日本でディオールのお仕事もしてみたい。そうすれば、日本のファンの方たちに会えるので！ 僕らに共通する目的意識は、幸せとエールを届けること。皆さんのことを一番に考えて行動することで、ふたりの関係も、よりよくなっていると感じます。意見の相違があったとしても、どうにかして解決する方法を考えますし。
Ｍ 親しい間柄だからこそ、“なぜ僕の意見に賛同してくれないんだろう？”と感じることもある。そんなときは、Apoが言った通り、きちんと話し合って妥協点を見つけています。それができるのも、僕らがいい歳だからかな（笑）。それから、頑張らない程度に相手をケアする。
Ａ たまには、プレゼントし合ったりしてね！ 大切な人の状態を感じ取りながら、真摯に仕事に取り組む。そんな成熟した大人っぽさも、僕らの魅力かと（笑）。
ソファでくつろぐ気ままな彼らに、モダンで知的な服が寄り添う。パンツに共布のプリーツスカートを配したアイコニックなコンビネーションをリンクさせつつ、それぞれの個性で着こなした。そんなふたりの私服は「よく身につけるお気に入りのアイテムは違いますが、基本的に僕たちはクラシックなスタイルが好みです」（Mileさん）。
（右から）［Mile］ニット（参考色）￥290,000・パンツ￥155,000（参考価格）・スカート￥440,000（参考価格）・リング（左手人さし指）￥60,000（参考価格）・（右手中指）￥77,000・ブレスレット￥100,000（参考価格）／クリスチャン ディオール（ディオール） ピアス／本人私物 ［Apo］トップス￥260,000・パンツ￥180,000・スカート￥460,000（参考価格）・リング￥50,000／クリスチャン ディオール（ディオール）
