【TOMORROW X TOGETHERのSOOBIN（スビン）】さんの次なる目標とは？ 初夏を感じるスタイリングとインタビューをお届け

等身大の自分として過ごす時間を経て、次の季節の扉を開ける

ありのままの姿でいることで自分自身の新たな魅力に出合う

TOMORROW X TOGETHERの楽曲「Our Summer」に、“一瞬で現れた君のまぼろしが、魔法のように輝いてる”という歌詞がある。初夏の気配をまとったハイファッションを着こなし、シャッター音に合わせて次々とポーズを決めるSOOBINさんはまさに、歌詞の一節をそのまま映し出すかのようだった。今回、日本の雑誌で初めて単独表紙を飾ったことについて、率直な思いを尋ねた。

「一人でカバーを飾ることができ、とても光栄です。今回はセットもシンプルで、僕自身にフォーカスされるような撮影だったので緊張もありましたけど、いろんな角度からファッションの魅力を伝えられたらうれしいと思っています」

そう話すSOOBINさんに、今回の撮影で印象に残ったスタイルについても聞いてみた。

「袖を通した瞬間、これは僕の服だと感じたのが、DIOR。普段からモダンでシンプルな服が好きなので特に気に入っています。そして印象に残ったのはLOEWEのスタイリング。表紙で持ったバッグもショートパンツも、服のカラーもすべて、私服では身につけたことのないアイテムだったので、とても新鮮でした。SPURのおかげで新しい自分に出会えて楽しかったです」

今年でデビュー7年目。アーティストとしての実力はもちろん、最近ではYouTubeコンテンツのMCを務めるなど、“新しいSOOBINさん”の魅力がますます広がっている。

「自分の強みって何だろう？と考えたとき、意外にもバラエティ番組で評価されることが多くて。個人的にも、もっと出演の機会があればいいなと思っていたんです。そんなときにYouTubeの『推しの推し』に出演する機会をいただいて。初めての収録はすごく緊張したんですけど、テーマがKARA先輩だったので、話しているうちにどんどん気持ちが盛り上がってしまいました（笑）。だんだんと声が大きくなったり、明るく笑いながら独り言を言ったり、本当に“オタクの自分”が出てしまっていましたね。でも、今まで遠慮がちに話していたKARA先輩のことを、堂々と語れる場所を作っていただけたのがとてもうれしくて。そして、僕と同じように、ゲストの方にも“好き”を熱く語ってほしいという気持ちで、ホストを務めました」

達成の先に見えた揺るぎない次の一歩

2024年には、そんな憧れだったKARAと同じ東京ドームのステージに立ち、長年の願いをかなえた。

「MOA（TOMORROW X TOGETHERのファンの総称）の皆さんのおかげで、去年はついに初めての日本ドームツアーを達成することができました。韓国のアーティストが日本の大舞台に立つなんて簡単なことじゃないのに、たくさんの方々のおかげでここまで来ることができて、日本でもこんなに愛されているんだと実感しました。昔、客席にいた頃に描いた夢が、完璧にかなった瞬間でした」

ずっと追いかけてきた夢をかなえたSOOBINさんの次の目標は？

「これまでは、アーティストとしての目標を聞かれても、“大きなステージに立ちたい”みたいな漠然としたイメージしか思い浮かばなくて。だから、あえて口にすることもなかったんです。でも、今年２月に『Hanteo Music Awards 2024』で初めての大賞をいただいてから、不思議と少し欲が出てきて。いつか５人で、“その年を代表する歌手”として大賞を受賞できたら、そんなふうに思うようになりました。それと今回のツアーでも新しい都市をたくさん訪れたのですが、僕たちを応援してくれるMOAの皆さんがいる場所に、もっと行きたいと思っています」

昨年末、デビュー以来初めて、メンバー全員で長期の休暇に入ったTOMORROW X TOGETHER。久しぶりに“リーダーSOOBIN”ではなく、“チェ・スビン”として過ごしたその時間は、彼にとってどんなものだったのだろうか。

「ずっと書き溜めていたウィッシュリストがあるんですけど、休暇中はできるだけそのリストを実行するぞと決めていました。結局、半分くらいはかなったかな。一番したかった旅行は国内も海外もたくさん行けたし、とても楽しかったです。韓国では慶州、江陵、仁川、釜山。そして海外はデビューしたときから行ってみたかった札幌に。ずっと憧れていた、一面真っ白な札幌の雪景色を見た瞬間は、本当に感動しました。少し惜しいことといえばその景色の中で黒いウールのコートを着て素敵に写真を撮りたかったんですが、あまりにも寒くてダウンコートが脱げませんでした（笑）。あとは夜中にメンバーとボウリングに行ったり、ドライブを楽しんだりもしました。メンバーは、もはや家族のような存在。やりたいことや食べたいものを楽しめる友達がすぐ隣にいてくれることが、心から幸せだなと思います」

これからもきっと忘れることのない特別な冬を過ごし、しっかり充電を終えたSOOBINさん。休暇明けには、3月から始まったアリーナツアーを皮切りに、続々とスケジュールが発表され、目まぐるしくも熱い季節が、再びスタートした。

最後に今回のテーマでもある“夏”に関する質問をすると、しばらく記憶をたどるように考えてから、ぱっと顔を明るくし、こう答えてくれた。

「僕が一番好きな果物ってスイカなんです。子どもの頃、夏になると毎日家族でスイカを一玉食べていたんですよ。暑い日のリビングに父と母、兄姉の５人が集まって、扇風機の風に吹かれながら皆でスイカを仲よく食べる。今でもそのとき見ていたテレビの内容や家具の配置まで、全部覚えています」　

幼い頃の幸せな風景をいつも思い出させてくれるSOOBINさんの夏は、もうすぐそこまできている。