CHANEL

vol.1 表紙

来年、創刊30周年を迎えるSPUR。平成とともに歩んできたモードの軌跡を今号から12回にわたり検証する。第1回のテーマは雑誌の顔である「表紙」。節目ごとに表紙を飾ってきたメゾンと、表紙に登場したことで大ブレイクしたコスチュームジュエリーブランドにフォーカス!

 

Brand CHANEL

ショー会場のグラン パレに落ち葉を敷き詰め、小春日和の森の風景を再現した今秋冬。ストラスに彩られた丸太の形のミノディエールは、留め具にうさぎモチーフをあしらったチャーミングな逸品。遊び心あるデザインは、"SPURらしさ"とも共鳴する。
バッグ〈H9.7×W17.6×D9.4㎝〉¥1,779,000/シャネル

 

周年ごとにカバーにフィーチャーすることで、
作り手に原点を思い出させてくれるブランド

SPUR 2014年11月号

 創刊以来、表紙を飾ってきたブランドの中でも、抜きん出て多い回数を誇るシャネル。創刊から25年間編集部に在籍し、表紙担当としても数多くの撮影をこなした内田秀美元編集長がその理由を語る。「シャネルは、雑誌の節目ごとに表紙を飾り、創刊25周年にはカール・ラガーフェルドも登場。卓越した職人技で作られる芸術品のような服は当然、高価です。若い女性に手の届きにくい憧れのイメージだったシャネルを『可愛い』という切り口で初めて読者に提案し、受け入れられたのがSPURという雑誌。ここぞというときに表紙に登場してもらうことで、雑誌の立ち位置を確認し、作り手にもSPURの原点を思い出させてくれる。それがシャネルなのです」
 表紙担当としての十数年間は、海外の有名フォトグラファーやスタッフとの撮影を経験。その際「表紙は玄関。明るさとともに常に外に開いていなければならない」という哲学に接したという内田。なかでも元祖スーパーモデルのアンバー・ヴァレッタを起用した真夏のパリでの表紙撮影では、自ら荷物を運んだり酷暑の中でも笑顔を絶やさない彼女の明るさとプロ根性に感動したという。「そのときの撮影が5 周年記念号。アンバーが着用していたのもシャネルでした」

 

カシミア混のツィードのジャケットはスクエアなショルダーラインが端正な表情をプラスし、ブランドのアイコンを今年らしくアップデート。ブラック&グリーンの極小スパンコールがシックな輝きを放つワイドパンツとのコーディネートで、フィット&フレアなシルエットも際立つ。
ジャケット¥876,000・パンツ¥333,000・片耳用イヤリング(右)¥83,000・イヤリング(両耳用・左)¥117,000/シャネル

SOURCE:SPUR 2018年11月号「いつもモードは、 SPURと……」
photography: Yoshiyuki Nagatomo styling: Tomoko Iijima hair: JUN GOTO make-up: Masayo Tsuda〈mod’s hair〉 model: Alderney edit: Satoko Hatakeyama

FEATURE