Kenneth Jay Lane

vol.1 表紙

来年、創刊30周年を迎えるSPUR。平成とともに歩んできたモードの軌跡を今号から12回にわたり検証する。第1回のテーマは雑誌の顔である「表紙」。節目ごとに表紙を飾ってきたメゾンと、表紙に登場したことで大ブレイクしたコスチュームジュエリーブランドにフォーカス!

 

Brand Kenneth Jay Lane

表紙を飾った2005年9 月号では読者プレゼントとしていちごのネックレスを1000名に大盤振る舞い。今でも愛用しています、という読者も多数。
ネックレス¥13,000/ワンス アポン ア タイム…(ケネス ジェイ レーン) ブラウス¥37,500/キュリオズ

 

コスチュームジュエリーの帝王と呼ばれたケネス・ジェイ・レーン氏。昨年、85歳で死去した際には多くの著名人が哀悼の意を捧げた。
(右から時計回りに)マーライオンのバングル¥40,000・グリーンの花びらリング¥14,000・キリンアタッチメントのパールネックレス¥59,000・マルチカラーの花びらリング¥32,000・イチゴのネックレス¥13,000・ハチのピン¥17,000/ワンス アポン ア タイム…(ケネス ジェイ レーン)

 

大ブレイクのきっかけは、
デザイナーがつけていたネックレス

SPUR 2005 年9月号

 日本でほとんど無名のコスチューム・ジュエリーブランドが一夜にして大ブレイク……。SPURの表紙に登場したことがきっかけとなり「いちごネックレス」の一大ムーヴメントが起こったのは2005年のこと。きっかけは、当時の表紙担当だった内田が、デザイナーのアナ・スイがつけていたいちごのネックレスを見て「可愛い。どこで買ったの?」と尋ねたことだったという。「アナとはプライベートでも仲よしで、ある日彼女の胸元にいちごモチーフが輝いていたんです。聞けば『ケネス ジェイ レーン』というブランドとのこと。急遽ストックルームを訪問したら、素敵なアクセサリーがザクザクとあり『夢みたい!』と思いました」
 ファッション誌は、トレンドを伝えるほかに、人が気づかない価値をいちはやく見いだし流行を生み出す役割も大きい。かつてモデルが着ていたドレスが雑誌で紹介され大ヒットしたことがあるように、ブームをつくり出したということでいえば、SPURにおいてのケネスは大成功した例だ。「そこは今も、またこれからも、SPURが目指すべきところなのだと思います。雑誌が何かのブームのきっかけになることは、編集者の醍醐味でもあり、愉しみでもありますから」

SOURCE:SPUR 2018年11月号「いつもモードは、 SPURと……」
photography: Yoshiyuki Nagatomo styling: Tomoko Iijima hair: JUN GOTO make-up: Masayo Tsuda〈mod’s hair〉 model: Alderney edit: Satoko Hatakeyama

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