vol.6 Craftsmanship
伝統的な技巧や上質素材を駆使して丁寧に作られる小物は、時に着こなしの主役となり、装いの楽しみを倍増させるもの。今月号はSPURの30年の歩みの中で、常に誌面に息づいてきた、クラフツマンシップにフォーカス!
Brand COACH
1970年代の人気バッグをベースにした「ライリー」に、シグネチャーパターン、スエード、エンブロイダリー、エキゾチックレザーなどをランダムにパッチワーク。ニューヨーク・ブランドならではのヒップなマインド満載のバッグで多くの特集が組まれてきたコーチ。丁寧な職人技に裏打ちされたこのオブジェのようなバッグもまた、コーチらしいスピリットにあふれている。
バッグ「シグネチャー パッチワークライリー」〈H15×W25×D5〉¥85,000/コーチ・カスタマーサービス・ジャパン(コーチ)
熟練の職人技が冴えるラグジュアリーなアイテムに余計な味つけはいらない
夢のあるストーリーでモデルが着こなすウェア同様、SPURの誌面を彩るのに欠かせないのが最新のバッグや靴、スモールレザーグッズたち。とりわけ熟練した職人の手から生まれる逸品はモデルが手にしなくとも、それだけで主役級の存在感と輝きを放ってきた。今回は、20年以上にわたり本誌のファッションやエルメスなどのブランドストーリー(写真下)の撮影を手がけ、SPURとクラフツマンシップの関係性をよく知る写真家の赤尾昌則さんにお話を伺った。
「女性は大人になっても可愛いモノが好き。SPURはそんな『可愛い』を素直に表現することが何よりも似合う雑誌だと思っています。職人が丁寧に作り上げたアイテムはクォリティが高く、無駄なものがそぎ落とされて知的な上品さが備わっているものです。それだけでも素晴らしいものをSPURらしく可愛さや美しさのバランスをとりながらどう見せるか、撮影は常に気を使いますね」
SPUR 2016年6月号
「エルメスの生態系」より
雑誌をめくる手が思わず止まるようなインパクトのあるビジュアルは、パッと見た目は地味でも、そのモノ自体に確固たる芯があれば表現しやすいとも語る赤尾さん。今回撮影した4 ブランドの最新アイテムも、シックな背景とのモードなコントラストで際立たせた。
SOURCE:SPUR 2019年4月号「いつもモードは、 SPURと……」
photography: Masanori Akao 〈whiteSTOUT〉 styling: Tomoko Iijima edit: Satoko Hatakeyama