vol.10 Working Woman
SPURが創刊してから30年。さまざまなトレンドが移り変わるなか、働く女性のファッションも、社会進出や地位向上に伴い、大きく変化した。最新のイットバッグを肩に掛け、スマホ片手に颯爽と。スタイリッシュなワーキングウーマンは今日もゆく。
Maison Margiela
フランネルチェックのテーラードジャケットは、ビッグサイズのシャツと極太パンツでジェンダーレスなスタイルに。シャツとクラッチバッグの淡い レモンイエローが、既存のジャケットスタイルにないフレッシュさを添えて。
ジャケット¥216,000・シャツ¥89,000・パンツ¥110,000・ネックレス¥119,000・ブーツ¥140,000・バッグ¥148,000/メゾン マルジェラ トウキョウ(メゾン マルジェラ) メガネ¥50,000/グローブスペックス ストア(ハフマン&ノイマイスター) ノートPC/私物
好きな服を着て気分よく働くことができる幸せ
働く人が男女の差別なく能力を発揮できるようにという「男女雇用機会均等法」が施行されたのは1986年のこと。3年後のSPUR創刊時には、企業の中でも生き生きと働く女性たちの姿が当たり前になっており、彼女たちが主人公のドラマも数多く放映されていたほど。創刊直後からSPURに関わってきたエディターの成瀬浩子さんは当時をこう振り返る。
「働くことに対しての女性の意識は、この30年で劇的に変化したと思います。当時の働く女性たちはまだ肩肘を張っていて、男性と自然に肩を並べるというより『私はこれでやっていく』という覚悟がありました。その気概がジャケットのいかつい肩のラインに表れていたように思います」
女性の社会進出に伴い、彼女たちのファッションは自己表現のツールに進化した、と成瀬さん。質のいいベーシックも数多く登場し、選択肢が増えたのもその一因だという。
「今は職場もスーツを着る人ばかりではないし、ハイ&ローをミックスするのも当たり前。好きなブランドの服を着て仕事をすれば、気分も能率もアガります。ファッションにおいても、女性の自由度が広がったことは、SPURの歩みと一致しますね」
令和の時代も、女性の活躍の場がますます広がることを期待したい!
SOURCE:SPUR 2019年8月号「いつもモードは、 SPURと……」
photography: Masami Naruo 〈SEPT〉 styling: Tomoko Iijima hair: MIHO EMORI 〈KiKi inc.〉 make-up: Tomohiro Muramatsu 〈sekikawa office〉 model: Anahi Puntin edit: Satoko Hatakeyama