2020.04.05

【橋本愛の武装MODE】セシリー・バンセン、純白の鎧

【橋本愛の武装MODE】セシリー・バンセの画像_1

スクリーンで一度目にしたら決して忘れることのない、力強い眼差し。24歳という若さからくる瑞々しさと、どこか貫禄すら漂う独特の佇まい。もしかしたら、橋本愛にとって「若手」や「実力派」、「美人」といったレトリックはさほど重要ではないのかもしれない。

そんな彼女は「ファッションは武装」だと語る。その言葉からは、現代を生きる女性ならではの葛藤と歓びが感じられる。

「散歩するのが好きなんです。特に夜の空気が好き。でも女性だと夜は自由に歩けない。そんな小さなことでも、積み重なるとフラストレーションになる。女性って、生きづらいなと感じていた。だからこそ、ファッションに開放感を求めていたんだと思います」。

その反動があってか、彼女が普段プライベートで選ぶのは、柔らかな素材や色使いのもの、特にフリルやラッフルなどを多用したフェミニンなものが多い。「女性であることを享受できる唯一の方法が、これまでの時代の価値観における “女の子らしさ” を存分に味わうことでした」。

【橋本愛の武装MODE】セシリー・バンセの画像_2

ラグジュアリーブランドから、気鋭デザイナーまで幅広く取り入れる、生粋のモードラバーである橋本。好きなデザイナーを聞くと、次から次へと名前が出てくる。中でも今、一番自分のムードに合っているのはセシリー・バンセンだという。

「原宿のランプというお店で、ファーストコレクション出会って一目惚れしました。少女と女性の間の移ろうような女性像はもちろんのこと、ロマンティックなのにどこかリアリティが共存する、絶妙なバランス感覚がある。定番のスタイルがありながら、毎シーズンどんどん素敵にアップデートされていくのも魅力」。

【橋本愛の武装MODE】セシリー・バンセの画像_3
上に重ねたクロップドトップ ¥75,300、中に着たノースリーブトップ ¥91,401、ロングスカート ¥68,300、サンダル ¥55,500/以上全てファーフェッチ カスタマーサービス(セシリー・バンセン)※輸入関税込み、参考価格 050-3205-0864

デンマーク、コペンハーゲンを拠点に置くデザイナーのセシリー・バンセン。2017年に若手デザイナーの登竜門として知られるLVMHプライズにおいてファイナリストに選出され、モードラバーの心を鷲掴みにしてきた彼女が得意とするのは、バルーンスリーブやラッフルを多用したロマンティックなドレススタイル。今回の撮影で橋本は、春らしいホワイトコットンのスカートにブラウス、そしてスモッキングをあしらった個性的なトップスを重ねたオールホワイトのスタイリングを選んだ。

「セシリーの白は私が思い描く天使そのもの。着るだけで強くなれるし、服に守られている気持ちになる。戦いに行くような日に持ってこいの武装服です」。

「橋本愛が今月買ったもの」KIDILL×rurumu:のニット

【橋本愛の武装MODE】セシリー・バンセの画像_4

「10代の頃憧れたブランドの縷縷夢兎(るるむう)。rurumu:という名前に変わった今なお、夢を与えてくれています。このニットは、キディルとのコラボレーションによるもの。パンクとファンタジーが融合したドリームマッチです」


橋本愛 プロフィール
熊本県出身。映画『告白』(2010年)、『桐島部活やめるってよ』(2012年)、NHK連続テレビ小説『あまちゃん』(2013年)などで注目を浴びる。直近では大河ドラマ『西郷どん』(2018年)、『いだてん』(2019年)に2年連続出演を果たした他、昨年5年ぶりに民放連続ドラマ『同期のサクラ』に出演し話題を集めた。

model: Ai Hashimoto photography: Osamu Yokonami styling: Tamao Iida Hair and makeup: Hiroko Ishikawa edit: Shunsuke Okabe

FEATURE
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