風の時代の影響かどうか定かではないが、橋本愛にとって2021年は、変化に満ちた年だ。大河ドラマ『青天を衝け』の放映がついにスタートしたほか、歌手としての活躍も目覚しく、本連載でも言及した筒美京平のトリビュートアルバムに収録される「木綿のハンカチーフ」を、ミュージックステーションにてテレビ初披露。新たな表現を身につけたことで、女優業においても自然体で仕事に臨めるようになったという。
「これまで真面目すぎたんだと思います。若いうちに俳優としてのチャンスに恵まれたこともあり、ある意味視野が狭くなっていた。作品選びもそう。10代の頃、あえてメジャーな作品に出演するのを控えていた時期があるんです。俳優として高いレベルを求められる、挑戦的なものばかりを選んでいた。どこか、メインストリームに迎合したくないという反骨精神もあったのかもしれません」。
そのストイックさが彼女の魅力のひとつでもあるが、そのパブリックイメージも少しずつ変化してきた。
「世間的なイメージと素の自分で大きなギャップがありました。求められる自分のイメージを守りたい反面、もっと気楽に素の姿を見せても良いのかなという思いも去年あたりから感じていて。SNSで積極的にフォロワーの方達と交流をするようになったのもそのひとつです」。
表現者としての新境地に挑む橋本が着用するのは、ノワール ケイ ニノミヤの2021年春夏コレクション。これまでブラックを基調にしたストイックなクリエイションで評価を獲得してきたデザイナーの二宮啓は、今シーズン初めてピンクをキーカラーとして打ち出している。フレアシルエットを描くフロアレングスのドレスは、ドラマティックでありながらこの上なく軽やか。無数のサテンリボンをあしらったフードを下ろし、レンズをまっすぐ見つめる橋本の眼差しは、力強くも、どこか少女のような無垢な輝きを湛えている。
「橋本愛が最近買ったもの」ジルサンダー のミニ財布
「誕生日プレゼントに貰ったもの。今まではコインケースとカードケースを分けて使っていたけど一個にまとめたくて。飽きのこないシンプルなデザイン、色の上品さ、手触りが良くて機能的!素敵な子です…♡」
橋本愛 プロフィール
熊本県出身。映画『告白』(2010年)、熊本県出身。映画『告白』(2010年)、『桐島部活やめるってよ』(2012年)、NHK連続テレビ小説『あまちゃん』(2013年)などで注目を浴びる。 直近では大河ドラマ『西郷どん』(2018年)、『いだてん』(2019年)と2年連続大河ドラマ出演を果たしたのち、2021年度「青天を衝け」では大河ドラマ初のヒロイン役を務める。 昨年5年ぶりに出演した民放連続ドラマ『同期のサクラ』に続き、日本テレビ10月期「35歳の少女」にも出演し、話題を集めた。
model: Ai Hashimoto photography: Yuki Kumagai styling: Tamao Iida Hair and makeup: Hiroko Ishikawa edit: Shunsuke Okabe