日中の気温がぐっと上がり、春めいてきた。風物詩である花見客の団体も、揚々と着物でめかし込んだ大学の卒業生の集団も、残念ながら今年もお目にかかることはなさそうだ。
多くの人が人生の節目に立つこの季節。橋本愛の人生の節目に少し時間を戻してみよう。2008年にモデルオーディションでグランプリを受賞し、12歳にして華々しく芸能界デビューした橋本。その後2010年に公開された女優としてのデビュー作『告白』以降の活躍ぶりは説明不要だろう。生粋の芸能人生を歩んできた橋本だが、実は初めから自分の意思でデビューしたというわけではないという。
「デビューのきっかけは母がオーディションに応募したこと。子供の頃は外交的なタイプではなかったです。大人になったら地元で就職するんだろうなと考えていました」。
これだけひと目を引くオーラがあれば、遅かれ早かれ表舞台に立っていただろうと思うが、早くからその素質を見抜いていた母の慧眼には感服する思いだ。そんな橋本に、もし過去に戻って女優でない道を選べるとしたら?という質問を投げかけてみた。
「女優でなければクリエイティブ業界でものづくりに携わっていたかもしれません。ただ、せっかくここにいるなら、今いる場所を自分の場所にしたい。女優として生涯を全うしたいと思っています」。
華やかな春のムードを存分に体現すべく、今回の撮影ではモリー・ゴダードのチュールのドレスをピックアップした。モリー・ゴダードといえば、橋本が昔からファンを公言しているロンドンブランド。うららかな春の日。ピンクのチュールドレスをひるがえす彼女は、どこか朗らかな面持ちを湛えていた。
「橋本愛が最近買ったもの」RUS のニット
「この大きな襟と柔らかい素材、ボタンのちょうどいい大きさがお気に入りです。春らしい淡いグレーも素敵。派手なスカートやデニムにも合わせられるからこの季節、重宝します」。
橋本愛 プロフィール
熊本県出身。映画『告白』(2010年)、熊本県出身。映画『告白』(2010年)、『桐島部活やめるってよ』(2012年)、NHK連続テレビ小説『あまちゃん』(2013年)などで注目を浴びる。 直近では大河ドラマ『西郷どん』(2018年)、『いだてん』(2019年)、初ヒロインを務める「青天を衝け」が放送中。現在発売中の「筒美京平SONGBOOK」にて「木綿のハンカチーフ」を歌唱。
model: Ai Hashimoto photography: Osamu Yokonami styling: Tamao Iida Hair and makeup: Hiroko Ishikawa edit: Shunsuke Okabe