マッドマックスTシャツと怒りのデス編集

 気がつけばSPUR編集部も全員が観ている『マッドマックス 怒りのデス・ロード』。フュリオサにワイブス、鉄馬の女にミス・ギディと登場する女性たちがひたすらかっこいいこの映画は、最強のガールズムービーでもあります。先頃、今日マチ子さんらによる「映画マッドマックス おしゃべりデス・ロード」というトークイベントを観覧したんですが、そこで司会者が観客全員に本作を何回観たか尋ねました。自分はIMAX 3Dでの試写、ノーマルの3D、立川シネマシティの極上爆音上映と3回行ったのですが、会場でもっとも回数が多かったのは夫婦でいらしていたお客さんの、上品な奥様のほう。8月頭の時点で9回も観たという。素敵だ! 去年までなら編集部の女性みんなが『マッドマックス』のために映画館に向かうなんて状況だって、とても考えられませんでした。旧三部作のファンだった自分にとって、女の人たちとマッドマックスの話題で真剣に盛り上がれるなんて夢のようです。

 でも、ちょっと待て。時は1980年代。週末にTVの洋画劇場で繰り返し放送されていた『マッドマックス2』。それを観るたび、マックスが缶から直接食べるドッグフードを妙に美味そうに感じ、ヒューマンガスの髪の毛に不安を覚え、ヒヤッハーと跋扈するモヒカン軍団に恐怖し、ラストでトレーラーからこぼれ落ちる砂を見て虚無感に襲われる。映画の記憶が鮮明なまま週明けを迎えると、ジャンプで『北斗の拳』を読み、友達と互いの体をまさぐって、怪鳥音を発しつつ経絡秘孔を突つき合う。毎日がちょっとした世紀末救世主伝説。自分にとってマッドマックスとは、そういう暑苦しくもバカバカしいものではなかったか?

 そう、かつてマッドマックスに抱いていた無駄に熱量の高い愛をとりもどせ!というわけで、怒りの海外通販&怒りのPaypal支払いを経て入手したのがこのTシャツ。火炎放射するWネックギターをかき鳴らすコーマドーフ・ウォリアー。「ロード・トゥ・ヴァルハラ」という無鉄砲なツアータイトル。もしもウォーボーイズたちがロックスターだったら…というテンションの高い夢を垣間見せてくれるロックな一枚です。いつも怒りのデス入稿&デス校了に追われ、仕事の後にはデス飲酒&デス寝落ちして無駄に一日が終わってしまう自分だって、これを着ればスターになれる気がする。What a Lovely Day!

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