ゴールデンウィーク中にキューバ・ハバナへ赴き、シャネルのクルーズ・コレクションを取材したのは前回お伝えしたとおり。
これまでも世界中でクルーズ・コレクションやメティエダールのショーを行ってきたシャネル。しかし今回のキューバはこれまでの都市とは、少々勝手が違っていました。社会主義国家であるキューバは革命以降、独自の文化、経済の発展を遂げています。キューバといえば葉巻やラムが有名ですが、それら特産品輸出以外の主要産業が、実は医療団の海外派遣だったりする。高い教育水準を誇り、インターネットも普及している反面、いまだにハバナの街を悠然と走っているのは1950年代のアメ車です。有線電話より先に携帯電話が普及してしまったような、不思議なちぐはぐさがあります。
ファッションにおいても、どこかガラパゴス的です。現地を案内してくれたガイドの方によると、キューバではネットで海外ファッションサイトを見ることはできるのに、いわゆるファッション誌は国内、海外誌ともに販売されていません。いわゆる有名ブランドのブティックもありません。つまりキューバにはシャネルのブティックも存在しない。そういう土地で大規模なショーを行うというのは、ブランドにとっても大変なチャレンジだったに違いありません。
シャネルのショーはハバナ、プラド通りの並木道で行われました。道の周りにはノスタルジックな車が並び、近隣の人々は建物のバルコニーに集まって、世界中から集まったゲストと一緒にショーを観ているという状態。昭和30年代に電気屋のウィンドウに飾ってあるテレビに人々が群がり、力道山のプロレスを観ていたときもこんな雰囲気だったんでしょうか。
そんな不思議な熱狂のなか、自分はショーを見ながら同時に動画も撮影していたわけですが、インスタグラムにアップしたムービーに、あるコメントが。
「プル様がいる?」
え? なんのこと?
ズームアップしてみると……
あ、これマジなやつや!
ってことで、向かいの席に座っていたのは偉大なスケーター、「ロシアの皇帝」エフゲニー・プルシェンコその人でありました。隣にいるのは奥方。現場ではまったく気づいていなくて申し訳ありません。
そして本日。ルイ・ヴィトンのクルーズ・コレクションのためにリオデジャネイロに到着しました。さきほどホテルの部屋でプルシェンコのインスタグラム(@plushenkoofficial)をチェックしていると…
プルシェンコさん、リオのホテルでルイ・ヴィトンのビーチタオルにくるまってる! 彼にはまたきっとルイ・ヴィトンのショー会場で会えるはず。クルーズのショーは2時間後。現場で「皇帝」を見つけたら突撃取材してみます。
ちなみにSPUR本誌では、ライター宇都宮直子さんによるコラム「スケートは人生だ!」も連載中。最新号では羽生結弦選手のボストン秘話に触れています。そちらもぜひご覧ください。
服は迷ったら買う派。そして色違いで揃える派。車はFR派。ジョジョは四部派。夜は糖質オフでハイボール派。圧倒的イヌ派。