今シーズンも、ランウェイで輝きを放った新作が続々と到着。美しいビジュアルだけでなく、実用性も重視するムードへ一気に舵を切った。新しい季節の訪れの前に、メゾンが誇る才色兼備なアイテムをお届け
シャネル
エターナルな黒を傍らに
コレクションの着想源は、南仏にあるモダニズム様式の邸宅「ヴィラ・ノアイユ」。手に携えるのは、パテントレザーが華やかな光沢を放つトップハンドルバッグ。ダブルCのクラスプ、レザーを編み込んだチェーン、キルティングとメゾンを象徴するモチーフが盛り込まれたデザインだ。フラップを開くと「CHANEL 31 RUE CAMBON」のプレートが登場する仕掛けも心にくい。
グッチ
ヘリテージを現代的に解釈
2023年、グッチのクリエイティブ・ディレクターに就任したサバト・デ・サルノ。彼のファーストコレクションで発表されたのが、鮮やかなピンクで彩ったふたつのアイテムだ。アイコニックな「ジャッキー 1961」のハードウェアは、ピストンクロージャーからフックタイプに進化。「グッチ シニョーリア」スリングバック パンプスはチェーンモチーフで、バックスタイルにツイストをきかせて。どちらもブランドの原点であるエレガンスに、モダンなエッセンスを加えられている。
ロエベ
抜け感で小粋な足もとに
ダブルストラップのメリージェーンを、カジュアルなスリップオンに落とし込んで。素材は上品なツヤが美しいカーフスキン。メゾンを象徴する、アシンメトリーなラウンドシェイプのトゥがロゴがなくともアイデンティティを主張する。アッパーはクラシックなメンズシューズに着想を得たブローグデザインで、端正なムードを添えた。あえて素足で履いて、エフォートレスに。
ドルチェ＆ガッバーナ
タフネスとときめきが共存
多彩なバリエーションを展開するアイコンバッグの「シシリー」。今シーズンはジュエリーライクなデザインのボックスタイプがお目見え。自信に満ちた女性像を描いた2024年春夏コレクションのテーマ「ウーマン」にふさわしい華やかなルックスで登場。ボディはリズミカルな凹凸感をレジンにより表現した。フラップにはツヤ加工を施したカーフスキンを採用し、素材のコントラストを際立たせた。
プラダ
日常に寄り添う、相棒バッグ
職人の手仕事によるクリエーションにリスペクトを捧げたプラダ。バッグも堅実なトートタイプがランウェイを彩った。開口部には、クロコを型押ししたレザーベルトをあしらいアクセントに。内側はふたつのコンパートメントに分かれ、つけはずし可能なストラップつき。抜群の収納力で、シーンレスに愛用できる。
エルメス
至高のノンシャランを体現
赤のドラマティックなウェアの足もとには、同じ色のサンダルを。ストラップは、レザーとテクニカル素材を組み合わせ表情豊かに。解剖学を応用したインソールを駆使し、快適な履き心地も実現している。手には「プティ・アルソン」を。かつて、マルタン・マルジェラが考案したバッグ「ポッシュ・アン・リベルテ」のディテールを取り入れた。リラクシングな装いは、陽気な春の日差しによく映える。
セリーヌ バイ エディ・スリマン
美と実を兼ね備えて
2024年サマーコレクションで発表された「ヴィクトワール」は優美な曲線が特徴。このシェイプをかなえるのは、自然なシボとソフトな質感を併せ持つサプルカーフスキンだ。フロントではシグネチャーのトリオンフが輝く。フラップを開けると、ジップポケットで隔てられたふたつのコンパートメントが登場。チェーンを二重にすればショルダーに、一重にすればクロスボディになるフレキシブルさも秀逸。
ドリス ヴァン ノッテン
アンバランスさを味方に
ランウェイに数多く登場したチェッカーフラッグモチーフをあしらったミュール。一見フェミニンだが、湾曲したヒールや、スポーティなシューレースを用いてエッジィに。グラフィカルな植物柄のソックスを合わせ、唯一無二の世界観を構築する。心躍るパターンやモダンなフォルムで春の装いを楽しんで。
ディオール
花の都に想いを馳せて
ディオールが誇るアイコンバッグのひとつ「レディ D-ライト」。新作のボディを彩るのは、メゾンの歴史が始まった場所、モンテーニュ通りの周辺図「プラン ドゥ パリ」モチーフ。全面に施された緻密な刺しゅうに、長年培ってきた技術への矜恃が宿っている。中には高い収納力を誇る広いコンパートメントに、ジップポケットを備える使いやすい設計なのもうれしい。
ミュウミュウ
折衷スタイルもサマになる
美の定義を探求した春夏シーズンは、異なるテイストのアイテムを組み合わせて、ルックを構築。太陽の光を浴びてリュクスな輝きを放つコートの中に仕込むのは、シャツと水着のパンツだ。手にはシックなドローストリングバッグを携えて。柔らかなカーフレザーだからこそ描き出せる、丸みを帯びたシルエットがなんとも愛らしい。気取らずストラップを握れば、こなれた佇まいを醸し出す。
