肌に直接触れるものだからこそ、自分の心と体がいちばん気持ちいいと感じるものをまといたい。毎日の小さな習慣は、いつしかきっと大きな自己肯定となり、一歩踏み出す勇気につながるから。そんな目線で選び抜いたランジェリーの最新形がここに。「ボディ・ポジティブ」の概念を世に送り出した、バービーさんのインタビューとともにお届けしよう。
ピーチ・ジョンとのコラボ下着が話題。「気高いおっぱい」に込めた思いとは?
『メーカーサイズからあふれた人たちも、下着姿でテンションを上げてほしい』
「ワイヤーの締めつけで脇下にアザができたり、脇肉が漏れたり。ブラジャーをつけ始めた頃からずっと、体にしっくりくるブラがなかった。日本のメーカーで大量生産されているサイズは、せいぜいアンダーバスト80まで。そこに対する不満がきっかけでした。構想から実現まで約3年、実際にこのプロジェクトが動き出したとき、SNSで自分のブラに対する悩みを吐き出しました。すると、予想以上に多くの女性から反響があったんです。困っていたけれど、下着の悩みを口に出すことすら恥ずかしいという女性が多数いるという状況を初めて把握したんですね。私は単純に『世の中にないから作ればいいや!』という気持ちでしたが、口にするのもはばかられるなんて、そりゃメーカーに届くわけがない。ここまで悩んでいる人たちが多いんだとわかったら、あとはもう頑張るしかないと改めて思いました。メーカーサイズからあふれると、自分が悪いと思ってしまいがちで、自分を隠そうとしてしまう。だけど、サイズの合う素敵な下着をつけた自分を見て、意外とイケてるじゃないってちょっとテンションを上げてほしい。そして、自分の体なのだから、自分のものとして扱ってほしい。そんな気持ちから『気高いおっぱい』というコンセプトに行きつきました。最初のミーティングで3つのデザインアイデアを見せ、結果的にそのまま採用していただきました。生産に入るまでは、小まめにフィッティングして、議論して、修正するというプロセスを踏みました。発売後はほぼ毎日、愛用していますよ。つけ心地がよく、ワイヤーで締めつけられる苦痛から解放されたことがシンプルにうれしい。おかげさまで完売も多く出て、2021年春に第2弾が出ます。次はちょっと“チャレンジングなデザイン”です。今までサイズが合わずに悩んでいた方たちが、これまで試せなかったデザインで冒険してくれたらうれしいなと思っています」
Profile
バービーさん1984年北海道生まれ。2007年、お笑いコンビ「フォーリンラブ」を結成。FRaU WEBにて連載中の「本音の置き場所」が2020年11月に書籍化が決定。
SOURCE:SPUR 2020年12月号「みんなのからだが語り出す」
photography: Shiori Ikeno, Akemi Kurosaka(Barbie) styling: Maiko Kimura hair & make-up: Momiji Saito〈eek〉 model: Dulmi, Miiya Kudo, Miyuki Emond edit: Kaori Watanabe